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旧須走登山道
(グランドキャニオン〜須走新五合目〜小富士〜グランドキャニオン)




グランドキャニオンの紅葉 '11-10-02写す


旧須走登山道('10-10-05 グランドキャニオン〜須走新五合目〜小富士〜グランドキャニオンと歩く)
9/30にグランドキャニオンから小富士に登った。その時は同じ道を往復したが、昔の須走登山道を登ると周回できるはず、と思い、再度登ってみることにした。 それと、今はキノコの時期、旧須走登山道は樹林帯をずっと登って行くので、いろいろなキノコにも出会えるかもしれない、という密かな 期待を持っての再登山である。

富士あざみラインのグランドキャニオンの入口の傍の駐車スペースに車を置く。 9/30と同じようにグランドキャニオンの石柱のところから、ピンクのテープのぶら下がった旧須走登山道らしき溝状に掘れた山道を突っ切ってシラビソの森の道を進んでゆく。すぐ枯れ沢に突き当たり、それから左に枯れ沢に沿って 行く。30分も行くと、グランドキャニオンに下る分岐点(略図A)に出る。
ここは右下のグランドキャニオンの沢底に降りて見物してもいいが、 先日見たので、帰りゆっくり見ることにして、真っ直ぐ進む。少し踏み跡が薄くなる感じであるがはっきりしている。 少し行くと、山道は沢から遠ざかるように左上の台地に上がってゆく。道なりに行くとシラビソの疎林の明るいところにでるが、林床が 雨に洗われて土がところどころ露出していて山道が不明瞭になる。しかし、先を見るとガードレールが見え、キノコ狩りの人の車であろうか 車も一台見える。さらに進むと、左から上ってきている広い林道のような山道と合わさる(略図B)。この広い山道には所々ピンクのテープがぶら下がっている。そして右すぐ先で富士あざみラインとつながっている。
この地点は地形図の1514m標高点の左のヘヤピンカーブのところのようである。そして、グランドキャニオンの石柱の先の溝状に掘れてピンクのテープのぶら下がっていた山道は 地形図の細い境界鎖線に近いルートでここにきてたのである(この山道が旧須走登山道)。

結論から言うと、旧須走登山道はまともに道があるだろうかと気がかりであったが、このピンクのテープが須走口新五合目まで続いていた。 少し付けすぎと思われたが、本当に頼りになるピンクのテープであった。

この広い山道、すなわち旧須走登山道と今来たグランドキャニオンからの道と合わさったあたりに、珍しく赤地に白字で「登山道」と書かれた背の低い手製の標識が立ち、右斜め(枯れ沢の方角)にピンクのテープのぶら下がった山道が伸びて行っている。 旧須走登山道はこれに間違いない、とピンクのテープを頼りに進んでゆく。そして、小さな枝沢を越えると枯れ沢沿いに小さな尾根を行くようになる。先日より紅葉が進み、もう色づいたモミジも見られ、右手には下流のグランドキャニオンと同様の迫力ある褶曲地層がみられ、すばらしい景観である。
尾根を過ぎると山道は枯れ沢から遠ざかって深い樹林帯を行く。そのうち山道はピンクのテープに導かれ沢のような掘れた窪地を行く。長年歩かれて窪地の道になったのであろうか、余りにも深くて、周りの景色が見えないところもある。 周りには広葉樹の大木の森が広がり、窪地の山道の縁には、迫力ある大木の根っ子が露出したり、昔の登山道の標識であろうか93,94丁目のうずもれた石標があったりし、登山道の長い年月を感じさせる。
その窪地の山道は自然と一体化し、ピンクのテープがないと、沢なのか窪地なのか山道なのかわからない。 ピンクのテープだけが頼りである。 やがて針葉樹が多くなると、思いがけなく廃屋の残骸のころがっているところに至る。帰ってきてからインターネットで調べると それは地形図にある御室浅間神社跡らしいことがわかった。そこを過ぎると、左手に車道が見えてきて、もうそろそろ新五合目かと思う。 しかし、道は車道から遠ざかり緩やかに登って行く。そうすると「小富士○参道」という古い石柱が立っているところに至る。昔はここから右へ小富士の方に 道があったのだろうと思うが、覗いてみてもなく、山道は小富士と反対の左に行っている。
道なりに行くと、右上20m位のところを通っている人がいる。 声をかけて聞いたところ、小富士から戻ってきたとのこと。ようやく五合目にたどり着き、ホッとする。ピンクのテープを目で辿ると正規の道は真っ直ぐ進み、それから右上に上がっているようであるが、ここはショートカットして小富士への山道へシラビソの間を上って行く。
もう勝手知った道、小富士へとシラビソの道を行く。さすがにここまで来るとシラビソの林間に見えるダケカンバは黄葉し、待望の秋を感じさせてくれる。 樹林帯を抜けるとケルンの小山がガスでかすんで見える。右の小富士山頂へと向う。山頂で昼食とするつもりであったが、風が冷たく、山頂標識を確認してすぐ樹林帯に入り、火山礫のガレ場境界近くの樹林帯で休み昼食とする。
ここからは先だって歩いた道、あの日よりガスっているが、すんなりとグランドキャニオンまで下る。グランドキャニオンの傍のモミジが幾分紅葉し、迫力ある褶曲地層との コラボがすばらしい。本格的に紅葉したころ、もう一度来たいと思う。

グランドキャニオンショート周回コース('11-10-02)
(グランドキャニオン〜グランドキャニオン上流砂礫の沢横断〜旧須走登山道を下山)

今年もまたグランドキャニオンに走りの紅葉を見に行った。小富士まで行かなくても、グランドキャニオンの砂礫の沢の終わったあたりで横断すれば、ショートコースで 周回できるだろう、と考え、試みた。意外に簡単に周回できたので紹介する。
グランドキャニオンの石柱の立つ旧馬返し上からいつものようにグランドキャニオンに向かう。30分ほど涸沢沿いに森の中を行くと、グランドキャニオンに至る。いつものように砂礫の斜面を登り、樹林帯に 入り、涸沢を左眼下に見ながら登ってゆく。やがて涸れ沢の高台の縁の道を登ってゆく。そのうち山道は樹林帯に入っていき、左に緩やかに下りながら涸れ沢に向かう。
樹林帯を抜け出たところが横断ポイントである。地形図の標高点1696mの僅か南の砂礫の沢の縁あたりである。砂礫の沢の向かいは写真Aの ようになっていて、二本のダケカンバが目印で、左側のダケカンバ目指して浅くなった砂礫の沢を横断ゆくと、右斜めに伸びる踏み跡がある。それに沿って森に入ってゆく。
そうすると、沢のような窪地の向こうに高い斜面が立ちはだかっている。右手方向(西側)は、窪地の深さも浅くなり、さらに前面の斜面も低くなっているので、 少し西側上流に行き、窪地を渡り、斜面に取り付く。上に登りきると目の前は雰囲気の良い広葉樹の森の広場となっていた。地形図でいうと 等高線の間隔の広い台地のようなところかなと思った(下に添付の地形図のW点)。
そこから、コンパスを出して、南方向を確認しておおよそ30〜40m位進むと、見覚えのある掘れたピンクのテープのぶら下がっている山道が現れた。 後はテープに沿って左に下る。山道は、一旦、右にガードレールが見えてきて車道に近 づくが、その後離れて、左にグランドキャニオンの上流の褶曲地層や早い紅葉を見ながら行く。 やがて涸れ沢とも離れ、地面に「登山道」の標識の置かれたところに至り、そこから広い林道のような旧須走登山道をのんびり下ると、車を置いた旧馬返しの上の車道にでる。

( マップ・ガイド )
・昭文社 山と高原地図 「富士山」
旧須走登山道略図--全く想像のコースで正確でないです。本文と現地の山道のピンクのテープを
 もとに歩いてください。
小富士山頂付近の概念図

( 特記事項 )
昔、長年歩かれて溝のように掘れた旧須走登山道は自然に帰っており、窪地や沢と見分けがつきません。しかし、オレンジのテープが 結構短かい間隔で付いているので、それを頼りに忠実に歩くといいです。 下りに使うときも手製の道標「下山道」というのが立ったりしていますが、ピンクのテープに忠実が間違いないです。

(コースタイム)
富士あざみライングランドキャニオン入口(P)8:43--グランドキャニオン下降分岐9:15--旧須走登山道との合流点(略図B)9:30 --九十四丁目石標10:33--下山道標識11:24--廃屋11:53--旧小富士参道石柱12:19--小富士山道12:24--小富士12:46--樹林とザレ場境界12:53〜13:10--(途中10分余休憩) --グランドキャニオン14:40〜14:55--富士あざみライングランドキャニオン入口(P)15:25
 ★新五合目まではキノコを探したり、写真を写したりののんびりコースタイムです。2時間30分〜3時間
 考えておくと十分と思います。



略図B点の先の小尾根、木にはピンクのテープがぶら下がっている




小尾根から枯れ沢方向





窪地の山道が続く






広葉樹と針葉樹の混交林の森を行く





下りの火山礫の道にて、左上の三日月状のものは山中湖





グランドキャニオンの色づき始めたもみじ





(写真A) グランドキャニオン上流、砂礫の沢横断点、二本のダケカンバが目印、 '11-10-2写す。



Canon EOS kissX / SIGMA DC 18-125mm OS HSM にて撮影