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富士グランドキャニオンから小富士



富士グランドキャニオン


富士グランドキャニオンから小富士往復('10-09-30歩く)
今年は気象観測以来の猛暑が8月から続いて、なかなか紅葉の便りが聞かれない。今の紅葉との端境期、近場でどこへ行こうか迷う。高いところというと富士山、そういえば富士山にグランドキャニオンというところがあると何かで見た。 調べてみると、そこから小子富士まで道があるらしい。

須走五合目への富士あざみラインを車で上って行く。グランドキャニオンは旧馬返しのバス停のチョと先から入るとのこと。注意深く走ると旧馬返しのバス停を見つける。近くに駐車スペースがあるが、 もう少し近くにないか上がってゆく。そうするとグランドキャニオンの標柱が立っているのを発見、その先の荒れた林道の入口の駐車スペースに、林道出入りに邪魔にならないように車を置く。その先にも二台くらいのスペースがあるが、キノコ狩りの車が既にとまっている。
標柱の傍から入ってゆくと、傍には演習場に付き進入禁止などという意味の看板があり、ややこしいが、この先のことであるので、お構いなしにゆく。そうすると、旧須走登山道だろうか掘れた溝状の山道が横断している。これは突っ切ってシラビソの山道を入って行く。
しばらく行くと、枯れ沢に下る道との分岐となる。枯れ沢に下る道にはロープが張られ、進入禁止のプレートがぶら下がっている。左に枯れ沢に沿った樹林帯の道を行く。 山道の沢側には、「富士山学校」のポールが等間隔にありトラロープが張られ、グランドキャニオンへの下り口まで続く。どこまでも、これに沿って歩いてゆく。小さいアップダウンを越えて、少し行って斜面を登ると、二重の二又道となる。手前は、真っ直ぐと左直角に別れる分岐である。 これはまっすぐ行く。と言っても、2mも行くと、枯れ沢沿いと、枯れ沢へ右下に下る道の分岐である。ここはもう右にグランドキャニオンのような壁が見えるので、右下の沢に下ってゆく。 砂の沢に降り立つと、前面に削られた右斜めに傾斜した褶曲地層がそそり立ち、圧倒する。本物のグランドキャニオンは見たことないので比較しょうがないが、珍しいすばらしい眺めである。しばらく写真を写して、小富士へと向う。
この枯れ沢は このグランドキャニオンのところで二俣になっている。その二俣の分岐点の中州の高台に向って砂の斜面を登って行く。雨が降ったりすると踏み跡が消えるかもしれないが、このときはかすかにあった。上の高台の樹林帯に上がると踏み跡は明瞭である。 兎に角、左側の枯れ沢に沿って上って行く。最初は樹林帯を登るが、そのうち左側の枯れ沢のV字に切れ込んだ砂地の高台の縁を行く。
砂地にはフジアザミが咲き、沢を隔てた向かいには豊かな広葉樹の森が広がっている。紅葉にはまだ早いのが残念である。 この沢の縁の道は高度感もあり、富士山方向も、すごくいい眺めである。生憎、この時は富士山は宝永火口付近までしか見えなかったが、 それでも気分爽快であった。
そのうち、また、樹林帯に入る。地形図の1696mのピークの南側を巻くように行く。やがて、左に先ほどの枯れ沢が近づいてきて、沢の端の火山礫の道を登るようになる。そして、水不足のために黄葉したと思われる背の低いカラマツが所々に見えてくると、樹林帯は終わり、 火山礫の広い尾根を登る。
火山礫の尾根には山道の目印として白い印の石が間隔をおいて置かれ、三角点のピークの方まで伸びている。また、この尾根道は左側の大きな枯れ沢に沿っているのでわかり易い。先が見える道は近いようで遠い。 白い目印の石を目標に喘ぎ喘ぎ上って行く。次々と白石が現れ、際限ないように思う。そんな中、きれいに黄葉したオンダテが所々に点在し、目を楽しませてくれる。また、カヤツリグサの塊の傍でカラマツの幼木がこの夏を乗り切り健気に青々と頑張っているのに感動する。
ようやく勾配が緩むとケルンの三角点が見えてきて一息つく。すぐ先に見覚えのある樹林の山が見える。樹林帯に入って抜けてひと登りすると小富士である。山頂には誰もいない。富士山方面の森の方を見ると、篭を下げたキノコ狩りの人々が森の中に消えて行った。富士山は、生憎の天気、上の方はガスって見えない。 小休止した後、もと来た道を戻る。帰りは早い。あっという間に火山礫の道が終わり、樹林帯に入る。樹林帯に入ったところ、ガスが下から湧いてきて、真っ白な世界となる。 ガスは樹林を幻想的にしてくれ、写真の被写体になるが、グランドキャニオンは隠れてしまって何も見えない。早々にグランドキャニオンを通過して枯れ沢沿いの樹林帯の道を下る。しばらく下ると、登りの時はガスで気が付かなかったが、思いがけず左側が開けミニ・グランドキャニオンが現れた。 規模は小さいが沢の下流まで褶曲地層は続いているようである。


( マップ・ガイド )
・昭文社 山と高原地図 「富士山」
小富士までの地図--GPSでトレースしたわけでないので、正確でないです。あくまでも参考です。

( 特記事項 )
少しわかりずらいところは、グランドキャニオンの枯れ沢から上の樹林帯への道ですが、 中州のような台地の樹林帯の先端を目指して砂地の斜面を適当に登ると、後は樹林帯の道ははっきりしています。

(コースタイム)
グランドキャニオン入口(P)--(30分)--グランドキャニオン--(45分)--火山礫地帯はじまり--(50分)--三角点 --(5分)--樹林帯--(10分)--小富士--(70分)--グランドキャニオン--(30分)--グランドキャニオン入口(P)



富士あざみラインのグランドキャニオン入口




グランドキャニオンへの樹林帯




グランドキャニオン





グランドキャニオンの花、フジアザミ






グランドキャニオン上流の枯れ沢左岸の台地の道を行く





火山礫帯の始まり、カラマツの小さい木は猛暑で葉っぱが枯れている





オンダテの黄葉(下りに写す)





1905mの三角点




小富士




グランドキャニオン上流枯れ沢左岸の台地の樹林(下りにて)




グランドキャニオン下流のミニ・グランドキャニオン


Canon EOS kissX / SIGMA DC 18-125mm OS HSM にて撮影