A.山歩き/2.山紀行/・・角間山・湯ノ丸山

角間山・湯ノ丸山



湯ノ丸山からの下り。眼下にコンコン平のレンゲツツジの群生が見える。

角間山・湯ノ丸山(05-06-24歩く)
湯ノ丸山の登山口の地蔵峠、何回通ったことであろう。レンゲツツジの咲く頃も通っているが、湯ノ丸山という優しいイメージが、 いつでも登れる、と思いこませ、まだまだ沢山登りたいところを優先させていた。
会社に入って15年目であったと思う、山歩きを再開する前、三方ケ峰のコマクサをみるために鹿沢温泉の雪山賛歌 の碑の近くの紅葉館に泊まったことがある。今回はその紅葉館の50m位上の駐車場に車を置いて、鹿沢温泉→角間峠→角間山→角間峠→湯ノ丸山 →鐘分岐→コンコン平(昭文社 山と高原地図浅間山 2004年版 破線コース)→鹿沢温泉 というコースで歩いた。
駐車場の前には歩道の案内板があり、角間峠への道標もある。この他に登り口は少し下がった紅葉館の方にもあるようであるが、 帰りの道を確認するために上の歩道に入る。少し登るとスキー場のゲレンデが上に伸びている。そこにも踏み跡があり、そのほうが近道と 思うが正規のゲレンデの左側の唐松林の道を登って行く。歩道はゲレンデに一旦出て、また樹林帯に入り登って行く。 そうすると牧場の境界の古びた木製のクランク状の通路を通って牧場に入る。
左右にも道があるが真っ直ぐ行くと、スキー場のゲレンデ の延長なのか、牧場なのかよく区別がつかないなだらかな草地が上に伸びているところにでる。その草地の縁には白樺が林立し、林床には真っ赤な レンゲツツジが咲き、牧歌的な風景が展開している。少し上がって行くと新しい東屋と案内板が立っているのが見えてくる。
東屋まで上がると乳牛がのんびりと草を食んでいるのが見える。そして目の前には1855のピーク(山と高原地図浅間山参照)をもつ長い尾根が横たわり、 その手前の裾野には左下奥からこちらの方に広い林道がのびてきている。このあたりには「山と高原地図浅間山」によると猿飛佐助修行の地碑があるこ とになっているが、見あたらない。林道は目の前を通って尾根沿いに右下前方にのびていっている。その林道の下り始めのあたりに新しい角間峠への 道標と何か書かれた古い角柱が立っている(家に帰って古い角柱の写真を拡大したところ、猿飛佐助修行の地、らしき字が見えた)。
その道標にしたがって右に林道を行く。やがて、林道は山道に変わり、白樺とカラマツの疎林の広いレンゲツツジの咲く野原を行く。ところどころに 真新しい角間峠への道標が立っている。昔の道標が朽ちて、再整備中のようである。 遠くでカッコーがなき、実にのどかである。湯の丸山は大勢の人でにぎわっているだろうが、誰もいない。
乳牛のいた東屋から、写真を写したりして40分位 のんびりと登ると、また、新しい東屋が現われる。そして牧場の境界のとなり、入口と同じ様な 古びた木製のクランク状の通路を通って牧場の外に出る。それからわずか行くと、鹿沢温泉から上がってきたもう一本の山道と合わさり、左に角間山の手前の 斜面を緩やかに角間峠へと登っていく。 東屋から約20分ほどで東屋の建つ角間峠に着く。
直ぐ右に小さい笹の斜面を稲妻形に登って行く。右を見ると湯ノ丸山が競りあがってくる。ドウタンツツジやズミの花も斜面に咲いている。約25分ほど登ると一旦平坦となり 前方に小高い黒木のピーク角間山が見えてくる。この平坦地にはハクサンチドリが咲き出している。ヤナギランも沢山芽吹いている。 夏にはお花畑になりそうなところである。少し下って登り返すと黒木の中の道の急登となる。そして黒木の出口あたりが岩の多い道となって 鎖場となっている。と、いっても鎖を使うほどのところでなく、すんなり登りきると岩のピークが目前に見えてきて、角間山となる。 360°の展望である。生憎靄って、遠くの北アルプスや富士山は見えないが、桟敷山、篭ノ登、湯ノ丸山、烏帽子岳、鍋蓋山などが眺望 される。足元を見るとハクサンチドリ、コイワカガミ、コケモモ、わずかであるがレンゲツツジ、などの花が咲いている。
一通り周りを眺め、写真を写し、直ぐ下る。約30分ほどで角間峠に下った。この後、湯ノ丸山まで1時間強のアルバイトを控えているので、 少し休憩する。湯ノ丸山への登りはいきなりの急登である。木に囲まれ、息苦しい雰囲気であるので、よけい息苦しい。 約20分ほど登ると幹にタオルを巻かれた枯れ木立にいたり、ここから幾分明るくなり、傾斜もゆるみ楽になる。
ドウタンツツジ、 ゴゼンタチバナ、イワカガミ、ツマトリソウ(?)、コケモモ、レンゲツツジなどの花が咲き、励まされながら登る。ようやく峠より約1時間弱登って、 烏帽子岳がバッチリ見える見晴台に達する。そこにはカタカナでユノマルと書かれた湯ノ丸方面を指す道標が立っている。そしてそこから 15分ほど登ると丸い尾根の輪郭の上に空が高く見えてきて、そろそろ頂上であることを感じさせる。上がって行くと先に 黄色いヤッケの人影が見える。そしてまもなく湯ノ丸の北峰に達した。もう12:35である。昼食にしたいが、休むと本峰 に登り返すのが億劫となる。先に行くことにする。
このあたりから虫が多くなる。ブヨとアブである。払っても払ってもまとわり付いてくる。 浅い鞍部にはコイワカガミが群生している。写真を写しながら登り返す。本峰はさすがに人が多い。 早速、適当なところを探して昼食とする。虫がうるさくて落着かない。早々に昼食を済ませて、眼下のレンゲツツジで赤く染まったコンコン平に向けて ごろごろ石の急坂を下る。どんどん虫が多くなる。大きな石の表面が胡麻をまぶしたようになっている。何だろうと思って近づくとブヨが一斉に 飛び立ち、まとわり付いてくる。
20分強ほど下ると鐘がぶら下がっている鐘分岐となる。これからが昭文社の地図では破線であるので気にかかるところである。 道標をみたところちゃんと鹿沢温泉の道標が左の牧場すなわちコンコン平の方を指している。柵の中に入ると歩道があちこちにある。 兎に角、1855mのピークのある少し小高くなっている尾根の方向に向いている歩道を選びながら進んでゆく。
レンゲツツジはまさに満開である。コンコン平のくぼんだ広い草原に赤いレンゲツツジが点在し、観光客があちこちで散策している。 鐘分岐より、約10分ほどで木の少ない草地の尾根に上がる。そこには尾根と平行に道標が立っており、右鹿沢温泉、左ポンポン平とある。 正規の道より、ショートカットして少し尾根の右に着いたようだ。鹿沢温泉へ右に尾根の道を緩やかに下る。
道は小笹の原にレンゲツツジとカラマツの点在する道となる。直ぐ、カラマツの木に打ち付けた鹿沢温泉への矢印板も出てきて、安心し て下る。先ほどの観光客の賑わいはうそのように人っこ一人もいない。どんどん快適に小笹の原の道を下る。しかし、段々と踏み跡が 薄くなる。見失わないように気をつけて下る。道標から7,8分ほど下ると、とうとう踏み跡がなくなる。先を見ても踏み跡が明瞭にの びている様なところはない。引き返そうかと、周りをよく見廻すと、尾根筋の10〜20m先に看板らしい古びた板が立っている。 そこには道があるはずと思い行って見る。そうすると写真のようなはっきりとした道標が立ち、鹿沢温泉への道が左の樹林帯に下っている。 ここまで、先の尾根の道標から9分である。
これで一安心と下るが、そううまく問屋は卸さない。道は雑木林で薄暗く、下草は笹で、踏み跡は笹で覆われ、不明瞭である。 笹を掻き分けては道を確認したり、先々の踏み跡や、木々の並びや開け具合などから、道の方向を推定して、慎重に下ってゆく。 道は左に曲がり尾根の斜面を戻るようにトラバース気味にどんどん下ってゆく。ずいぶん古い道のようで、丸太の土の流れ止めの階段もあ ったが朽ちている。
15分ほど下るとひょこりと防火帯のような見晴らしのよいところにでる。そして下を見たところ 今朝ほど牛が草を食んでいたところの新しい東屋が見える。道は斜面を真っ直ぐのびているが、ここから直に下った人が結構いるよ うで、防火帯を真っ直ぐ下った踏み跡がある。我々もその踏み跡をたどって東屋のある広場に下る。 後は、今朝登ってきた道を、スキー場のゲレンデではショートカットしながら下って、無事、駐車場に戻った。


(コースタイム)
自宅4:00==あきる野IC5:17==上里SA6:07〜42==小諸IC7:50==鹿沢温泉(P)8:24〜30−猿飛佐助碑・東屋8:56−牧場出口・東屋9:48−角間峠10:05− 角間山10:43〜50−角間峠11:20〜30−湯ノ丸北峰12:35−湯ノ丸山山頂12:47〜13:06−鐘分岐13:35−尾根1855mピーク付近道標13:47−尾根突当り道標13:56 −防火帯(スキーゲレンデ)14:10−猿飛佐助碑・東屋14:14〜29−鹿沢温泉(P)14:45〜55==(上信越小諸IC・圏央道あきる野IC・八王子・橋本・厚木)==自宅20:30頃

(地図)
・昭文社 山と高原地図2004年版「浅間山・軽井沢」

●特記事項
山と高原地図2004年版「浅間山・軽井沢」で鐘分岐から猿飛佐助碑・東屋までの破線のコースはきわめて道が不明瞭で、 一般向きでないです。山なれたリーダーの元に歩いてください。現在、案内板、道標など整備中であったので数年後 はわかりやすく整備されるかもしれません。