札掛からヨモギ平
ケヤキの大木の林立の美しいヨモギ平


ヨモギ平より三の塔を望む


札掛からヨモギ平('06-03-15歩く)
昨年の4/15、諸戸からヨモギ平〜三ノ塔と歩いた。今回はヨモギ平のケヤキの木の写真をじっくり写そうと、まだ歩いていない 札掛〜ヨモギ平のコースで登り、諸戸のBOSCOオートキャンプ場に降り、県道を札掛に戻ることで計画した。
札掛の「札掛森の家」 の50m位手前の左側の駐車場に車を置いて、札掛森の家の横を通って吊橋の下の藤熊川とタライ小屋沢の合流点に下る。 ヨモギ平に行くには沢を渡って向かいの尾根に取り付かねばならない。しかし、吊橋付近は雪解けのせいか水量が多く、渡れそ うない。徒渉点を探してタライ小屋沢の上流の方に向う。丹沢ホームの下あたりでようやく徒渉点を見つけて渡り、対岸を吊橋の方に戻 る。
さて、どこから尾根に取り付くのかと探すと、「保安林」という黄色い立札の傍に踏み跡がある。それに沿って上がる。 そのうち裏側に回り込んで行ってしまうようであるので、立ち止まって確認する。右上を見ると上に登る踏み跡がある。それに取り付き、尾根に乗る。そこからは明瞭な 尾根道である。
結構、背の高い太い杉並木の尾根道である。杉林というと陰鬱な感じを受けるが明るく気分が滅入ることは 無い。その代り、風通しが良く、冷たい風で手がかじかんで来て手袋をして登る。この尾根は地形図で見るとおり、等高線が込み合っては 広がる、というパターンの繰り返しである。ということは勾配がきつくなって疲れた頃、フラットになる、ということで極めて登りやすい 道である。そして途中から赤テープが道案内してくれる。
何回か登りとフラットを繰りかえして30分ほど登ると、少し痩せた尾根になり、 目の前に露出した木の根の張り出したステップが立ちはだかる。迂回の道はないのかと左右みて赤テープを探すが無い。 これは根っこを乗り越えることだと解釈し、乗り越えると傾斜もゆるみ、赤テープの巻き付けられた3本の柱の立つピークに達する。
ここから少し下って再度登りにかかる。相変らず杉並木の尾根道である。12,3分も登ると初めて明るくなりミズナラの大木の立つところとなる。 しかし、すぐまた杉並木の尾根道となり、5分ほど登ると自然林のピークに達し、赤テープが2本ほどぶら下がっている。 ここより根っこの露出した少し痩せた尾根を登って行くと前方が開けて雪と枯れ草で覆われた台地が上に見えてくる。
平坦な台地に立つと右側の冬木立の向こうに長尾尾根が長く横たわり、ヨモギ平に似た雰囲気である。そろそろヨモギ平と思う。 雪の草地にはテンニンソウのドライフラワーが一面広がっている。そして一筋の道がずっと先の桧の疎林の中に消えて行っている。 これは桧だろうか、まるでクリスマスツリーを飾るもみの木のように三角の樹形である。
桧の疎林を抜けるとヨモギ平か、と軽やかな気分で歩いていたところ、また杉林に入る。がっかりである。少し行くと登りとなり、二又に分かれている。正面の道は荒れている。左のピークを迂回するような道の方がいい道で迂回するなら 楽でいい、と左に行く。しかし、巻くもののいつまでたっても上に上がらず下り気味である。これは間違いと思って引き返す。 分岐点に行ってよ〜く見たら真っ直ぐ行く方に赤テープがある。最初は木に隠れて赤テープが見えなかったようである。ここは要注意 である。
薄暗い杉林だし、道は間違うし、滅入って登っていったところ、思いがけず右手にブナの巨木に近い大木が現われる。 杉林のため南側からの日は当たらないと思われるが、良くぞ生き永らえてきたものだと感心する。ブナに元気をもらってさらに上って行くと金網の柵が見えてきて、その向こうには あの見覚えのあるテンニンソウのドライフラワーで一面覆われた明るい草地にケヤキの大木の立つ美しい風景が展開している。
写真を写し写しのんびりと上って行くとピークに達し、そして、その直ぐ下に見えるベンチがありヨモギ平の道標の立つ諸戸と三ノ塔の分岐点に下ってゆく。 ここにザックを置いて右斜め下に展開する美しいケヤキの台地を写真を写しながら散策することにする。
左手には大山、正面には三ノ塔、右手には長尾尾根・・と、ヨモギ平をとり囲むように横たわっている。その広々と周囲の山に囲まれたヨモギ平の 空には久しぶりに澄み切った青空が広がり、その左上からやわらかい春の日差しが注ぎこんできている。そして、なだらかな台地一面に広がるテンニンソウのベージュ色のドライフラワーは 温かい空気を漂わせ、 空に広がるケヤキの梢は輝き、野鳥たちは囀っている。
一廻りした後、ベンチに戻り昼食とした。 そして、諸戸へブナの木を見上げたり、大山を眺めたりしながらのんびりと下った。県道に出てからは札掛まで約50分である。車道歩きは退屈なので、途中、地獄沢橋でミツマタの群生地に 寄って写真を写して気分転換し、残りの札掛までを歩いて、この山歩きを無事終えた。なお、ミツマタはまだ早かった。4月上旬頃が丁度いいと思う。

●コースタイム
自宅7:02==札掛(P)9:10〜20--尾根取付点9:40--3本柱赤テープ10:08--ミズナラの大木10:20--痩せ尾根手前の自然林のピーク10:27-- 開けた台地10:34--桧の疎林10:48--杉林10:54--杉林の分岐(左に行ってロス)11:00〜11:07--網戸11:17--ピークの金網柵11:28-- ヨモギ平道標11:31〜12:05--BOSCOオートキャンプ場ヨモギ平登山口12:51--県道12:58--地獄沢橋ミツマタ撮影13:25〜40--札掛(P)14:02

●特記事項
本コースは登山地図に無いコースです。危険なところはありませんが、自己責任で歩いてください。

●地図:
ヨモギ平付近の地形図(1/25000地形図)




三ノ塔方向



長尾尾根を望む



大山を望む



ケヤキの大木



地獄沢橋付近のミツマタ

Canon EOS kiss DN /SIGMA 17-70mm DCにて撮影