ヨモギ平から三の塔
ケヤキの大木の林立の美しいヨモギ平から展望の三の塔へ


ヨモギ平より三の塔を望む


ヨモギ平から三の塔('05-04-15歩く)
三の塔は塔ノ岳へ向かうための途中の山というイメージが強いが、先の烏尾山より標高が高く独立峰という性格も持ち合わせている。 塩水橋起点の周回コースを調べていて、ヨモギ平経由で三の塔に登る周回コースがあることがわかり登ってみた。
いつも水汲みの人たちでにぎわう護摩屋敷の水には二箇所の駐車スペースがある。先の札掛よりの方は少し距離があり水を運ぶの が大変なせいかいつも空いている。水汲みの人の便宜を考えて先の駐車スペースに車を置いて出発する。登山口のある諸戸のBOSCOオ ートキャンプ場に向かう。(私のもっている昭文社山と高原地図2003年版「丹沢」ではBOSCOオートキャ ンプ場は諸戸より先になっています。二箇所あるのかもしれません、登山口は諸戸の方です。)
林道の右側の杉林の斜面には 木漏れ日を受けて輝いているミツマタの花があちこちにみられる。上がって行っては写真を写し写ししながら行く。特に、諸戸山林事務所の裏側のミツマタの群生はすばらしい。 諸戸の山林事務所の直ぐ先の左側にBOSCOの看板が立っている。チエンが張られ、車は進入できないようになっているが左脇より キャンプ場の方へ入ってゆく。
そうすると「見学・登山等で場内に立ちいる方は必ず係りに声をかけてください」という看板が 立っている。右に大型バスのような管理棟があったので寄ってみるが、キャンプシーズンでもなく朝早かったことから 誰もいない。仕方ないので挨拶抜きでキャンプ場の先へ進む。初めての場所である。兎に角、尾根へ取り付くのだからそれらしい 尾根の方面へと沢にかかる橋を二つ渡って行くと、山際に左下の写真のような道標がある。(一つ目の橋を渡ったところに 城山ハイキングコースという道標もあり、間違わないように)
そこよりよく手入れされた美しい杉林の中の山道をジグザクと登って行く。 静かである。鹿が現われ様子を伺っている。20分弱登ると自然林の尾根に達する。まだ木々の芽吹きはないが富士桜が咲いている。 そこからは両側杉林で尾根筋は自然林の道を登って行く。10分ほど登ると小さな鞍部となり、一旦わずかに下り、そして登り返して行く。 この辺からミズナラなど大木の立つ気持ちのいい尾根の登りである。
鹿よけの囲いの網戸をくぐるとさらにブナやケヤキの大木も見ら れるようになり、やがて二回目の網戸をくぐって少し登ると、ケヤキの大木の林立する広々とした大地が上に広がっているのが 見えてくる。登りきるとそこにはベンチとテーブルがある。さらに行って見ると、札掛から三の塔へ通じる山道と合わさり、ヨモギ平という 標識が立っている。
そこにもベンチがある。ザックを置いて札掛の方を散策してみる。ケヤキの林立する広い尾根が札掛側にも広がっている。 北側を見るとケヤキの木立の向こうにタライ小屋沢を挟んで上の丸から新大日につながる大きな尾根が横たわっている。 誰もいない。実に静かである。小鳥のさえずりと、吹き抜ける風の音が時々静寂を破る。いつまでもいたい気持ちであるが、先がある のでベンチに戻って小休止して出発することにする。
前方には高く三の塔が横たわり、まだ相当登らねばならないようである。好ましい尾根の 道が鞍部に向かって続く。右下にはケヤキの林立する緩やかな斜面が広がっている。ところどころに太い木が根を広げている。新緑の頃、是非写真を写しに来たいものだと 思う。
やがて鞍部に達して登りだすと道が二股に分かれている(地図A)。尾根筋の道と尾根の左を巻く道である。ここには新しい手製の道標があり、三の塔は真っ直ぐ尾根筋であることを 示している。急斜面の道の周りは倒木が多い。静寂の中にキツツキであろうか木をたたく音がする。黄色のアブラチャンの花が淡く彩りを添えている。 やがて、勾配はゆるみ、丹沢のブナ林に似た雰囲気となるが、ブナは少ない。前方に大きな木立の林立する尾根が見えてくると、 また急登する。あえぎあえぎ登りきると小笹の道となり、少し行くと小さなお地蔵さんのあるところに出る(地図B)。そこから右には 急な階段が烏尾山へと下っていて、その向こうに、馬鹿尾根、鍋割から塔の岳につながる尾根、新大日と塔ノ岳が展望され、見晴らしが すごくいい。約40年ぶりの表尾根である。こんなに景色がよかったのかと小休止しながら感慨にふける。
三の塔へ左に行く。直ぐ三の塔に着いたので写真を少し写してニの塔へと向かう。 だいぶくたびれて来たようで、二の塔への少しの登り返しであえぐ。二の塔ではしばらく休憩することにする。
二の塔から富士見山荘までは 昔に比べて木が大きくなったせいか見晴らしがきかない退屈な下りであった。林道に降り立って、ホッとする。そこには富士桜が咲き、木々の芽吹きも 始まったようで、山肌は萌黄色に染まり、山笑う風情である。今日の晴天で、朝、登る時より、山の春は一段と進んだようだ。

●コースタイム
自宅6:13==護摩屋敷の水(P)7:27〜32--ミツマタの撮影で道草--BOSCOオートキャンプ場入り口8:14--ヨモギ平登り口8:20-- 鹿除け網戸9:00--ヨモギ平9:19〜40--鞍部分岐9:50--最後の急登手前10:30--お地蔵さん10:40〜43--三の塔10:48--二の塔11:00〜 11:24--護摩屋敷の水(P)12:23

●特記事項
諸戸からヨモギ平の山道は諸戸山林事務所(BOSCOオートキャンプ場)で管理しているようであるので入山する際は キヤンプ場受付に挨拶したほうがよいようである。

●地図:
ヨモギ平付近の地形図(1/25000地形図)



主にヨモギ平の風景
(クリックすると拡大します)


諸戸のミツマタ

ヨモギ平

ヨモギ平

ヨモギ平

ヨモギ平

ヨモギ平から三の塔へ