A.山歩き/2.山紀行/・・夜叉神峠・高谷山home



夜叉神峠から高谷山・中池



白根三山 夜叉神峠

夜叉神峠から高谷山・中池と歩く ('09-09-21)
今年初めて巡ってきた秋のGW、車が渋滞して山に行くのも躊躇してしまうが、秋の爽やかな空気、黙っているのがもったいない。 連休の初めと終わりは混むので真ん中辺の21日に行くことにする。どこへ、これが決まらない。余り遠くに行くと渋滞に巻き込まれた時身動き取れない。 裏道なども分かっている勝手知ったところあたりがいい。神奈川県からだと山梨県あたりである。いろいろ調べて夜叉神峠とした。 しかし、夜叉神峠は白根三山が見えての山なので、秋とはいえ今の時期は賭けである。幸運を祈りながら出発する。
中央高速の相模湖あたりは朝でも混みそうなので、自宅を5時ころでて、 東名を利用して御殿場にで、御坂トンネルを越え、一宮御坂ICから中央高速に乗り、中部横断道白根ICで降りた。
このGWは夜叉神トンネルの先はマイカー進入禁止である。夜叉神峠登山口の駐車場へと車を走らせて、桃の木温泉付近に来ると係員から 「夜叉神登山口の駐車場は満車で、ここの駐車場へ」と言われる。行ってみて満車なら戻ってきます、と返答し、兎に角行ってみる。 その通り満車であったが、幸い路肩の広いところが空いていたので、そこに車を置き、出発する。

早く登ったはずであるが、もう下ってくる人がいる。山は見えますか、と尋ねると、バッチリです、という答え。 ホッすると同時に、あせりを感じる。予想はしていたがカラマツやコナラなどの木々は紅葉には早く青々としている。その森の中を適度な勾配の山道が大きく 九十九折りを繰り返しながら登って行く。時々、カラマツやミズナラ、ブナなどの大木が現れる。そして、高木の林床にもう真っ赤に紅葉している潅木も見える。約1時間ほど登ると勾配が緩んでサルオガセの垂れ下がる カラマツが見えてくると、夜叉神峠に到着する。サッと見た限りでは山は見えているようなので大急ぎで大展望の夜叉神小屋の広場へと行く。
少し行くと、待望の少し霞んだような白根三山の山並みが大きく横たわっている絶景 が目に飛び込んでくる。手前には花の過ぎたヤナギランが立ち、その先にはコメツガであろうか黒木がシルエットで前景を飾っている。盟主の北岳は一番右側で木に遮られて少し窮屈に見える。青空に輝く白銀の嶺々とは行かないが 今の時期にしてはこれ以上望めない風景である。
最近、自然と一体となった感覚で写真を撮りたいものだと思っている。 このような広がりのある風景に出会うと、人間の小ささを感じ、そして、人間も動物も木も花もこの地球上に住んでいる同じ生命体であることを思う。この想いの先が自然との同化かもしれないが、写真を写す時はすっかり忘れ、 被写体に撮らされてしまう。
休んでいると時々ガスが流れてきては山並みを隠すようになった。十分見たし、そろそろ引き上げ時と高谷山へと向う。 カラマツ林にダケカンバや栂などの混じる広い尾根でなかなか気持の良い山道である。最後少し急登すると高谷山に着いた。木々に囲まれた山頂の西側がポッカリと開け、北岳が大きく見える。 夜叉神小屋では北岳が十分でなかったので、ここで補えて来て良かったと思う。
実は、今回、実際現地に行ってみて歩けるようなら下のガイドブックに載っていたカンバ平まで行くつもりで来た。夜叉神峠から高谷山はすんなり来てしまったので少し物足りない。 カンバ平の方、まずはその手前の中池まで行ってみることにする。その先は中池で決めればいいと思い、道標に従って下っていく。
薄暗い見通しのきかないシラビソ(?)の森を急降下してゆく。これでもか、これでもかと下ってゆく。やがて道が不明瞭なところとなり、 赤いテープやビニールテープを探しながら下ってゆく。やがて、尾根が狭くなって道は明瞭になるが、またもや何回となく下る。 やっと下に標識のようなものが見えてきた。
雑木林の鞍部に降りると朽ちた道標(桃の木、高谷山、カンバ平)が散らばり、見通しも良くなく殺伐としている。 西側のくぼ地に行ってみたが水はなく、雪解けの春先とか雨の多い時に池となるのかもしれない。東にも踏み跡があり、桃の木温泉の方に行く道のようである。 カンバ平へは向かいのピークの右肩へ踏み跡が上がっている。これからどうするか、あまりにも下り過ぎた、戻り容易でないので、カンバ平はパスして戻る事にする。家に帰って標高差を 調べたところ167mであった。
下ってくるとき頭に叩き込んだ不明瞭箇所の特徴を思い出しながら登って行く。あえぎながら30分余登ってようやく高谷山に戻った。すっかり北岳は雲の中で何も見えない。 少し昼には早かったが休憩を兼ねて昼食をとり、その後下る。ガスが流れてきて、カラマツ林やダケカンバが幻想的に変化し美しい。ようやくまともな写真が撮れて、満足しながら夜叉神峠へと下る。続々とパーテイや家族連れが登ってくる。 話しをしたところ、甲府発一番のバスで来たとのこと。残念ながら、もう白根三山は雲の中・・・、我々は本当にラッキーだったと思う。


( マップ・ガイド )
・1/25000 地形図 電子国土ポータル「夜叉神峠付近」
・新ハイキング社 「静かなる尾根歩き」

(コースタイム)
自宅4:56==東名・秦野中井IC==御殿場IC==(富士五湖道路・御坂トンネル)==一ノ宮御坂IC6:52==中部横断道路白根IC==夜叉神峠登山口駐車場8:05〜24 --夜叉神峠9:30--夜叉神小屋9:34〜47--高谷山10:17〜20--中池10:51〜55--高谷山11:29〜49--夜叉神峠12:20--夜叉神峠登山口駐車場13:00



秋めいて来た森  夜叉神峠登山口→夜叉神峠




ブナの巨木 夜叉神峠登山口→夜叉神峠




カラマツの巨木 夜叉神峠→高谷山




高谷山→夜叉神峠




高谷山→夜叉神峠




高谷山→夜叉神峠




高谷山→夜叉神峠




ダケカンバ黄葉  高谷山→夜叉神峠





高谷山→夜叉神峠




夜叉神峠→夜叉神峠登山口


Canon EOSkissDX / SIGMA DC 18-125 OS HSM にて撮影

( END )