A.山歩き/2.山紀行/・・秋田・薬師岳ブナ林home


秋田薬師岳ブナ林





薬師岳倉方の矮生のブナ林


薬師岳ブナ林(2015-07-20歩く)
秋田に帰省したついでに、やっと、実家からの距離からすると自分の庭ともいえる和賀山塊の薬師岳のブナ林を散策した。和賀山塊の真昼山、薬師岳、和賀岳は子供のころから 東にいつも眺めて生活していて、東山と呼んでいた。東山は、厳しい冬の到来やお天気の急変の予兆を知らせてくれ、また、落ち込んだ心を癒し勇気づけてくれる神聖で秘境の山であった。 それゆえ登るなどということは考えたこともなかった。帰省するたびに東山の登山口や渓谷に行ったり、本や雑誌で和賀山塊の知識を深めたりし、ようやく距離を縮め入山できた感じである。

家から東山に向かって仙北平野の広域農道を適当に東に向かう。最後の最後に、昔はなかった東山山麓沿いの「みずほの里ロード」に突き当る。右に適当に行くと、左「真木渓谷」の案内が出てくる。 この真木渓谷沿いの林道終点が、和賀岳、薬師岳の登山口である。林道は途中からダートとなり、セダンで進むのにはいつも勇気がいる。 ところが、今回は林道のでこぼこ道が補修されていてすんなり終点の甘露水口手前の駐車スペースに着いた。

薬師岳と和賀岳の間の稜線がニッコウキスゲが咲き乱れているらしいが、今回は最初の登山、 ブナが美しいという「ブナ台」を目途に登ることにした。渓流の瀬音を友連れに登山口の甘露水口へ向かう。太いブナが現れてくると薬師岳登山口の甘露水口に至る。道標に従って、左にひと登りして杉の植林台 地を緩やかに登ってゆく。やがて、杉の中に広葉樹が現れだすと、曲沢分岐に至り、林床にブルーのヤマアジサイの咲き、ところどころにミズナラの巨木の点在する斜面を右上に登ってゆく。 傾斜がきつくなって九十九折りに登るとブナ台の標識の立つ大きな窪地のある台地の端に着いた。

窪地を廻りこみながら登ってゆく。下から上に広がるブナ空間が素晴らしい。また九十九折り急登が続くが次々とブナ林の光景が 変化してあまり退屈しない。やがて、左下に谷を見ながら平坦なブナ林の尾根を行くと、道が狭まり、右下の沢の原流のようなところに降りる。 そこには珍しい黄色のホトトギス(タマガワホトトギス)が咲いていた。 少し、沢沿いに行くと、滝倉という標識の立つ水飲み場に至った。

ここから沢を左手に見ながら緩やかに登ってゆく。この沢沿の道は ブルーのヤマアジサイロードである。気温差からか、そのブルーの色の鮮やかさには驚かされる。写真を写しながら行くと、山道は 左の斜面に取り付き、また、九十九折り急登が続く。一旦平坦になって、また根っ子の多い九十九折りの道を行くと、ひょこりと、尾根の肩に に至り、倉方という標識が立つ。標高1000m地点である。そこは今までのブナ林と違い細く密集したものであった。環境が厳しいのでなかなか大木にならないものと思う。 倉方で昼食の後、荷物を置いて上に10分程上がってみたところ、上の写真のような更に矮生のブナ林が現れた。

ブナ台までのつもりが、ブナやヤマアジサイに導かれてここまで来てしまった。 ブナ林の林相も変化し区切りがいいので、ここで元来た道を下ることにした。


(地図・ガイド)
マップ(下のHPに添付のものです。)
森と水の郷あきた(花の百名山シリーズ)

(コースタイム)
甘露水口手前(P)7;17---甘露水口7;30---曲沢分岐7;41---ブナ台8;13---滝倉9;15---倉方10;44〜11;09---ブナ台12;52---甘露水口手前(P)13;35



曲沢分岐付近のミズナラの巨木





曲沢分岐上のヤマアジサイの道





ブナ台付近のブナ林





ブナ台上のブナ林





滝倉





タマガワホトトギス





滝倉上のヤマアジサイロード





ヤマアジサイ





滝倉上のブナ林 1





滝倉上のブナ林 2





倉方


Canon PowerShot G1XU にて撮影