A.山歩き/2.山紀行/・・八ヶ岳・牛首山home


八ヶ岳・牛首山




賽ノ河原上の展望スポットより奥秩父方面を望む


八ヶ岳・牛首山(2012-09-05歩く)
八ヶ岳で、気楽に秋の野の花でも写しながら登れるところ ないかと地図を調べる。飯盛山あたりが良いが、何回となく登っているので、少し標高の高いところになるが 牛首山に登ってみることにする。高い分はサンメドウズスキー場のリフト利用でカバーし、リブト山頂駅付近のお花畑を愛でながら牛首山に登り、 帰りは歩いて羽衣池の下のたかね荘の駐車場まで降りてくる、という計画である。

NETでリフトの時間を調べたら10;00始発になっている。遅く自宅を出てもいいが、早い分は サンメドウズのフラワーリフト下のユリ園の残り花や野の花でも写して時間つぶしを行おうと、いつものように5;30に自宅を でる。
たかね荘の駐車場は、美しの森のレンゲツツジやクリンソウの咲くころの賑わいはなく、駐車している車は一台だけで閑散としている。 サンメドウへ、たまに車が通る静かな一般車道を、のんびりと道の脇の草花を観察しながら行く。 普通のフウロより大型で色の濃いアサマフウロがたくさん見られ、アキノキリンソウ、ノコンギクも競演している。
サンメドウに着いたところ、パノラマリフトの始発は夏時間の9;30のままで、予定より30分も前に乗れた。 リフトから見渡す森や山々は、今は夏と紅葉の時期の端境期、渋い色合で、静かに休息の時を過ごしているようだ。 山頂駅は花園である。アキノキリンソウ、マツムシソウ、アサマフウロ、シモツケソウ、ヤマハハコ、それからユリの残り花が咲き、アゲハチョウが 花から花へと舞っている。見晴らしもいいが、前景のユリの花が時期が終わり、しおれたものが多く、もう少し早かったらと思う。上にもっといい展望所があるだろうと、先に進む。
4,5分も行くと、広いガレ場の賽ノ河原に出る。林縁の小笹にはマツムシソウが咲いている。ここから、林床が熊笹のカラマツ林を急登してゆく。 石がごろごろあり、ぬかる山道で、笹に隠れていて厄介である。笹をかき分けて足場を確認しながら登る。まだ、登りはいいが、下りは年寄りには気の抜けない道であった。 やがて、カラマツ林が切れてきて、ハンゴンソウの咲く、見晴らしの良いところに到達する(上の写真)。写真撮影しながら休憩する。
この後、好ましい大木の立つ尾根を緩やかに登り、更に岩場を急登すると、道標が立ちアキノキリンソウの咲く小ピークに達する。 見晴らしもそこそこ効いて小休止には丁度よく、これから登る牛首山も望まれる。林相はカラマツからシラビソ等の黒木に変わる。 一旦少し下ると左が開け草地となり、足元にはトリカブトが咲き、「牛首山50分」の手製のプレートが立っている。ここからシラビソにダケカンバの混じる 森の道を登ってゆく。やがて、左が断崖のガレ場に出る。ここにではゴゼンタチバナの赤い実と、ヤマハハコにとまっている珍しいクジャクチョウが見られた。
しばらくシラビソの森の道を登ってゆくと、また左が断崖のガレ場に出る。ここではピンクのタカネビランジらしき花が見られた。開けたところはこれでおしまいで、ここからさらに薄暗い シラビソの森を登ってゆく。やがて、右前方のシラビソの林間が明るくなり、八ヶ岳主稜らしき山が見えて来て、覆いかぶさるようなダケカンバの 巨木が立つところに至る。ここから苔むしたシラビソの道をひと登りすると、三角点の石柱と標識のある牛首山頂に立つ。
山頂はほとんどシラビソに囲まれ、権現岳方面が少し開けているていどである。時々ガスが切れて権現岳の山小屋が見え、相当登って来たと思うが、道標には赤岳3時間10分とあり、 まだまだ八ヶ岳の主稜には遠いようである。地図を見ると、扇山手前まではほゞ平坦なので、昼食を取ったのち、もっと開けたところがないかと先に行ってみた。 登り勾配になる手前まで行ってみたが、見晴らしのいいところは無かった。
もう一度権現岳を仰ぎ見て、元来た道を写真を写しながら下る。 熊笹に覆われた大石のごろごろする道は、隠れた足元を確認しながら下るので心身ともに疲れる。やっと賽ノ河原についてほっとする。そして、惰性で リフト山頂駅に下りベンチに座って一息つく。息も落ち着いてきたので、花の写真を写しながら羽衣池への山道へ向かう。
急勾配でないが、ここも熊笹に覆われた大石のごろごろ道が続き、疲れてた来た年寄りには要注意で、気が抜けない。 防火帯のようなところからカラマツ林の平坦な道に降りて来ると、もう羽衣池はまじか、ホッとする。水も少なく、湿原のような羽衣池の木道を渡り、モミの木の森の長い長い階段を下る。 歩幅が合わず、丸太に乗ったり、脇道を歩いたりしながら下って行くと、林間に建物が見えてきて、ひっそりとたたずむたかね荘に到着する。
山で出会ったのは二人だけであった。 森や山は休息し、秋がそっと忍び寄るこの時期、山歩きもいいものだなぁ〜と思う。

(地図・ガイド)
・山と高原地図「八ヶ岳」

(特記事項)
・たかね荘の下に登山者用無料駐車場あります。

(コースタイム)
たかね山荘(P)8;30---サンメドウズ8;50〜9;25---リフト山頂駅9;35〜41---賽ノ河原9;47〜53---展望スポット10;19〜27---道標ある小ピーク10;50〜55--- 左ガレ場「牛首山50分」のプレート11;03---牛首山12;05〜42---賽ノ河原14;03---リフト山頂駅14;08〜14---羽衣池15;13---たかね山荘(P)15;28



リフト山頂駅のお花畑
アサマフウロとユリの残り花





賽ノ河原にて マツムシソウとヤマハハコ





秋めいてきたカラマツ林を登ってゆく





山道のダケカンバの大木





クジヤクチョウ






タカネビランジ(?)






牛首山直下のダケカンバの巨木



Canon EOS 60D / TAMRON 18〜270mm VC にて撮影