A.山歩き/2.山紀行/・・養老渓谷 大福山・梅ケ瀬渓谷home


養老渓谷 大福山・梅ケ瀬渓谷
( 285.3m )


A.紅葉の大岩壁

養老渓谷 大福山・梅ケ瀬渓谷 ('09-12-04)
友達が近く養老渓谷の梅ケ瀬渓谷に写真撮影に行くという。以前クラブの撮影会で栗又の滝に行ったので余り興味がなかったが、 調べてみると、大福山という山があった。それで急に歩く意欲が湧いてきた。そして友達とは3日遅れで紅葉にはもう遅いかと思いながら行ってみた。
自宅4:40に出て、湾岸、アクアラインで行く。久しぶりのアクアラインである。まだ、日の出前というのに以前の閑散とした状態から想像も付かないすごい交通量である。 ETCのゲートの料金800円を見て納得、試験的に3000円を800円に割引していたのであった。真っ直ぐ終点の木更津東ICまで行く。
木更津東ICを右折して410号線を道なりに行って久留里駅先から左折して 月崎へ。突き当たったら右折して、後は養老渓谷の標識に従って道なりに行く。養老渓谷駅すぐ先右に梅ケ瀬渓谷の標識があり、右折して入っていくとやがて梅ケ瀬渓谷入口となる。 女ケ倉トンネル手前の駐車場に車を置く。

下のマップに従って、大福山→梅ケ瀬渓谷の順に歩いた。大福山までは舗装された林道で、両脇にはモミジが所々植えられている。 ほとんど散ったり、錆色になったりしているが、まだ残っているものもある。モミジの大木の下は昨日の雨で落葉したモミジの絨毯が広がっている。上がるに従って展望も良くなり、山肌には針葉樹に混じって黄葉の自然林が点在し、 中には赤いモミジの塊も見えたりする。約40分ほど登ると女ケ倉橋となり、市原市や君津の方角が見渡せられる。この橋の袂のモミジは珍しく今が真盛りである。ここらへんから大福山にかけてモミジ並木が続き、下よりモミジが残っている感じである。 やがて、月崎駅方面分岐を見送り行くと梅ケ瀬渓谷には遠いが梅ケ瀬渓谷駐車場と名の付いてトイレのある駐車場に到着する。そして少し行くと、大福山展望台となる。
展望台からの見晴らしはいい。しかし、少し曇っていて、先の海や遠くの山々は見えない。しかし、この日は少し冷え込んだためであろうか、谷の暖かい空気が霧となって湧き上がり、峰々を渡っていく。 一通り写真を写した後林道に下り地形図を見ると、どうも大福山は白鳥神社のあるところである。林道歩きばかりしてきたので、山頂くらいは踏まないと、と思い白鳥神社に行って見ることにする。
梅ケ瀬渓谷への降り口を見送っていくと、右尾根に向って白鳥神社の参道が登っている。尾根に上がると、右上に神社への急な石段が長々と続いている。このたびのハイキングで一番の急登である。登りきると予想だにしなかった杉の他に照葉樹の巨木が 神社の周りに立っている。石段の登り口の看板によると、ここは大福山の自然林で、県の天然記念物に指定され、高木はスタジイ、アカガシ、タブノキとある。そして数百年の歳月を経ているとのことである。 神社の裏は原生林で、その中に黄葉したモミジが巨木に負けじと背を伸ばして彩りを添えている。すばらしい樹景である。夢中になって写真を写す。好きな被写体に出会って、これだけでも来た甲斐あったと幸せに思う。
この後、梅ケ瀬渓谷へ向う。高木の杉林の平らな尾根道を行く。20分ほど行くと、杉の木が終わり、照葉樹とモミジの自然林となり渓谷へ下りだす。もうモミジは終わっているかと思ったらところ真盛りである。時々日が差してまばゆいばかりである。 駐車場に帰ってから、駐車場のおばさんに話したところ、ここはもみじ谷といって、いつも遅くまで紅葉が残っているところとのことであった。
やがて渓谷に降り立ち、T字の日高邸跡分岐なる。右の日高邸跡を往復することにする。梅ケ瀬渓谷は両側断崖に囲まれた、 広い廊下のようなところで、なかなか趣のある渓谷である。それに流れが優しく、どのようにしてこのような断崖の渓谷が出来たのか不思議に思う。渓谷の紅葉はほとんど終わっている。 唯一銀杏が葉を落とし、流れの周りを埋め尽くしている。10分も行くと日高邸跡地に着く。大きな3本のモミジは完全に散っている。 池にはおびただしい葉っぱが落ち、周りの風景が写りこんでいる。しばらく写り込みの写真を写しながら休憩する。
分岐に戻って、渓谷沿いに女ケ倉の方にむかう。分岐から数分行くと左上に紅葉の大岩壁が目に 飛び込んでくる(上の写真)。空の青とのコントラストがすばらしく、人々が歓声を上げる。ここが渓谷のクライマックスである。なぜ下は紅葉終わっているのに上は真盛りなのだろうか。 渓谷が深いので谷底は日が当たらず、上より冷えるのではないかと思った。
このあと、何度も流れを渡る。規模は小さいが紅葉の岩壁も現れる。また、岩壁にはしだが生え、水が滴り落ちているようなところもある。 それに、流れの緩やかなところは鏡のようになり、両側の緑や紅葉が写り込み、さまざまな模様を描き美しい。また、岩のトンネルを水が流れているところもある。本当に自然の長年にわたって侵食して作られた造形は不思議であり、また美しい。 そのようなさまざまな風景を愛でながら、おおよそ1時間ほど歩くと、林道に出る。ここで丁度昼だったので昼食とし、その後、20分ほど歩き女ケ倉駐車場に戻り、思いがけない巨木やモミジにも出会えたハイキングを終えた。

この後は81号線を養老温泉の方に向かい、465号線に突き当たったところで右折し、紅葉の山間部を越え、亀山湖に向った。紅葉の亀山湖を一通り見て、その後、久留里、木更津東IC、アクアライン、湾岸、横浜新道と通って帰ってきた。

( マップ・ガイド )
大福山・梅ケ瀬渓谷ハイキングパンフレット--画像を表示してから再度クリックするとさらに拡大します。
・1/25000 地形図 「大福山付近」

(コースタイム)
自宅4:40==(横浜新道・湾岸・アクアライン・圏央道)==木更津東IC==女ケ倉駐車場7:10〜19--女ケ倉橋8:00--月崎駅方面分岐8:22--梅ケ瀬渓谷駐車場8:26〜28 大福山展望台8:35〜42--白鳥神社8:54〜9:11--梅ケ瀬渓谷への尾根道入口9:19--もみじ谷の紅葉のはじまり9:38--日高邸跡分岐10:07--日高邸跡10:17〜37--日高邸跡分岐10:50--A紅葉の大岩壁10:53〜59--B水滴の滴る濡れ岩壁11:11--紅葉の大岩壁11:32 --湿原11:33--岩壁11:39--濡れ壁11:45--川のトンネル11:56--小滝(林道の終点)12:00〜14--駐車場12:24--女ケ倉駐車場12:37



女ケ倉橋からの眺望




白鳥神社




白鳥神社の巨木




白鳥神社下林道から梅ケ瀬渓谷方面を望む




もみじ谷の紅葉




銀杏の絨毯・日高邸跡への道にて




日高邸跡にて




紅葉の写り込み




落ち葉と流れ




B.滴る壁 (WB 蛍光灯)


Canon EOSkissDX / SIGMA DC 18-125 OS HSM にて撮影