A.山歩き/2.山紀行/・・坪山


坪 山
( 1102.4m )


登山口の飯尾の集落


イワウチワ、ヒカゲツツジ咲く坪山 ('08-04-09 歩く)
近所の桜の満開は過ぎたが、丹沢など近郊の山はまだ芽吹いてもいない。この時期、どこの山に登ったらいいのかと 迷う。山のブログなど読むと奥多摩の山ではイワウチワ・ヒカゲツツジが咲きだしたとの記事がある。イワウチワとヒカゲツツジと言えば坪山 が大分前から話題になっている。1/25000地形図にも山の専門地図にも載っていないので登るのを見合わせていたが、インターネットで調べると結構 記録や地図も出てくる。それらを参考にさせてもらって登ってみた。
中央高速藤野・上野原ICで降りる。小管方面の標識に従って、20号線に突き当たって左折し、さらに少し行って右斜めに入ってゆく。しばらく行くと、 棡原(ゆずりはら)の交差点となり、ここはあきる野方面と別れ左に橋を渡って桜満開の道を小管方面に向う。
しばらく 鶴川に沿って行くが、一旦、初戸で鶴川と別れ、また郷原の「びりゆう館」あたりで一緒になる。大分標高が高くなってきたのだろうか、桜は1分くらいで 薄っすらとピンクになっている程度、梅の方が満開である。
びりゆう館入口を見送り、神社と「緑の直売所」の前を通り過ぎると、 やがて左手の鶴川沿いに渓流釣りのお客用であろうか駐車場が見えてくる。そこに車を置く。既に一台駐車している。 昨日の台風のような嵐のせいで鶴川は濁流となり、廻りの風景も寒々とした冬枯れであるが、 良く見ると、サンシュであろうか薄っすらと黄色になった木立ちがアチコチにあり、春の訪れを感じる。
小管方面前方150m位のところに 鶴川に掛かる橋が見える。歩いてゆくと橋の袂に坪山・公衆トイレの標識が立っている。ここが登山口のようである。 橋を渡って右に行くとトイレがある。その後ろを登って行くと、かたくりの咲くところとなるが、日が差していないために、 まだ花びらを閉じたままである。そのあと、前に見える山にいきなり登るのかと思ったら、しばらくトラバース気味に 鶴川に沿って小管方面にゆく。そうすると、御岳神社バス停傍の登山口からの山道と合流する。そして少し行くと東ルートと西ルートの分岐となる。 しかし、道標には、東ルート方面は坪山と書いているだけである。西ルートは西ルートの道標が別に立っている。 ここでは真っ直ぐ花の多い西ルートへと進む。
杉林の斜面の山道を廻りこむように行くと沢に掛かる丸木橋をわたる。ここから杉林の斜面の登りとなる。すぐ、開けた畑のようなところに でるがまた杉林の道に入り、丸木橋から15分も登ると尾根に乗る。そして登るにしたがって杉林から自然林へと変わってくる。左手前方には冬枯れの木立ちを透かして東ルート尾根や坪 山らしきピークが見えてくる。周りを見ても何も芽吹いていない。これでイワウチワやヒカゲツツジが咲いているだろうかと心配になるが、尾根に乗って20分余して、尾根が狭くなってきて待望のイワウチワが現れる。
つぼみなのか、花が閉じたものが多い、そして以前奥多摩で見たイワウチワに比べて小型でピンクの色が薄い感じがする。ヒカゲツツジもぽつぽつ咲いたのがでてくる。 来るのが早かったかな、と思いながら、さらに10分ほど登ると本格的な群生地となった。そこは花が大きく、ほとんどが咲いていて満開と言う 感じである。そして両側が花を一杯付けた丈の低いヒカゲツツジの小道となる。そしてさらに進むと赤松が増え、その林立の間を埋め尽くすヒカゲツツジの大群落が現れた。 花付きもいいようである。以前、アカヤシオ咲く山で見たことがあるが、パラパラで、ヒカゲツツジはそういうものかと思っていたので、本場のこのヒカゲツツジの群落には感動した。
これよりトラロープの張ってある本格的な登りとなる。8分ほどで登りきると、イワウチワの第三の群生地がある。そしてまた同じよう なトラロープの登りを繰り返してゆくと「岩かがみ」標識がでてくる。花にはまだ早いが結構な群生が続く。そして、珍しく展望のよいところに達する。ここで一息入れる。左り眼下に飯尾・郷原の集落、右には奈良倉山から続く尾根が、正面上には 坪山らしきピークが、まじかに見える。もうひと頑張りと気合を入れてトラロープの登りを登ってゆく。これで終わりかと思ったら、トラロープの登りが奥にもう一つあった、がっくりである。気を取り直して登りようやく山頂に着いた。

下りはインターネットで知った「びりゅう館・阿寺沢」方面へ行って途中から花の里・緑の直売所へ下るコースを行くことにする。この方が「びりゅう館」まで行くより駐車場に近いからである。 冬枯れの自然林を急降下し、そして登り返すと1034mのピークに達する。苦労した割には余り下っていない。その後も小さいアップダウンが続く。1時間ほど、つぼみのついていないツツジがすごく多い自然林の道を行くと、手製の道標が立つ花の里・緑の直売 所分岐に到着する。
ここを花の里・緑の直売所方面へ左に下る。左が杉の植林帯で右が自然林の傾斜のきつい尾根を急降下する。木につかまりながら、杖を使いながら延々と下る。 一旦、勾配が緩んで、先々楽になるかな、と思ったところ、すぐまた同じような急降下の尾根道となる。これが4回ほど繰り返す。50分ほど下ると今度は自然林のずり落ちそうな右斜面のジグザク道を下ってゆく。 ここはヒカゲツツジが咲き、気を紛らわせてくれる。そして鶴川が見えてくると、やっと勾配が緩み、長い下りご苦労さんと、カタクリが迎えてくれる。早速、写真を写しながら休憩する。 それから車道にでて、右の斜面に咲くスミレ、ニリンソウ、サンシュなどを愛でながら駐車場へ戻り、無事山歩きを終えた。


(地形図)
「ウオッちず」
1102.7mが坪山です。 花の里・緑の直売所分岐は995mピークから北東方向に少し下ったところです。花の里・緑の直売所への下山コースはこの995mのピーク下の分岐から734mピークを経て神社マークに至るものです。

(略図)
上野原市HP/ハイキング/坪山コース
今回、下った「花の里・緑の直売所・神社」へのコースは載っていません。しかし、分岐には道標があり、コースにはテープがあり迷うことはありません。ただし、急降下が延々と最後まで続き、滑り易いです。

(コースタイム)
自宅5:25==相模湖IC6:45==藤野・上野原IC==飯尾駐車場(P)7:30〜40--東・西ルート分岐7:53--丸木橋7:57 --最初のイワウチワ8:37--赤松林のヒカゲツツジ大群落8:56〜9:01--急登後のイワウチワ群生地9:09 --「岩かがみ」の最初の標識9:21--山頂への急登前展望所9:32--坪山9:50〜10:00--1034mピーク10:23〜34--花の里・緑の直売所分岐11:12--緑の直売所・神社12:28 --飯尾駐車場(P)12:39








イワウチワ群落








イワウチワ








ヒカゲツツジ群落







鶴川の岸辺のカタクリ


Canon EOS kissDN / SIGMA 17-70 DC MACRO にて撮影