A.山歩き/2.山紀行/・・鳥ノ胸山


鳥ノ胸山


雑木ノ頭付近の潅木の芽吹き


鳥ノ胸山〜雑木ノ頭を歩く ('07-04-27)
明日からGWである。毎日サンデーであるので、こういうときはお勤めの人に譲り、混雑緩和に協力することにしている。 表向きはそういうことであるが、どこへ行っても込むから出かけないことにしている。その前の駆け込み山行として鳥ノ胸山に 登った。
鳥ノ胸山は、山頂付近にブナ林があるという。それから周回ルートの鳥ノ胸山から雑木ノ頭方面へは昭文社の山の 地図では道が一部不明瞭ということで破線になっている。きっと静かであろうと思う。そういうような理由で道志道の駅を起点に 静かなブナの山を期待して登ってみた。

厚木から相模湖に抜ける国道412線の青山交差点を左折して道志道に入る。周囲の山々の木々の青葉が目に優しい。 青葉の山道を想像しながら行くと、道志は標高が高いようで、青葉は薄くなり、桜が咲き、真っ白な富士山が真正面 に見える。これもまたいいかなと、道の駅に車を置いて身支度して出発する。
すぐ鳥ノ胸山方面の道標がある。それに従って 林道を上がってゆく。一部意外な赤松地帯を通過するがほとんど薄暗い桧・杉の植林帯の林道を黙々と行く。40分ほど歩いてようやく植林 帯から抜け、左の沢越しに鳥ノ胸山らしき山が見えてきてホッとする。道は沢まで下がり、渡って廻りこんでゆくと、グリーンロッジから登ってきた道と 合わさり、さらに行くと本格的な山道となる。
左側は芽吹きの自然林で、いいなぁ〜、と思ったのも束の間、また、杉・桧の植林帯の登りとなる。 わずかに自然林も現れるが視界の効かない結構急登の薄暗闇の道を登る。薄暗闇の中から、鶯、オールリなど野鳥のさえずりが絶え間なく聞こえてくる。 野鳥たちが植林帯の外の明るい自然林の芽吹きの森の中でさえずっている様子が浮かぶ。もうすぐそのような光景に出会えだろう、と期待しながら我慢の山道を登る。
20分くらい登ると、右側が自然林の山道にとなる。 丸太の土止めの階段が延々と続く。真っ白な富士山がだんだん競り上ってきて梢の間から大きく見えてくる。約30分弱登るとやっと秋葉山方面への分岐のあるコナラの林立が美しい尾根に到達する。
秋葉山方面を見送って少し痩せた尾根を右に登って行く。登るに従ってブナが多くなるが、芽吹きにはまだ早いようである。 そして傾斜がゆるくなると右に富士山の見える「山梨百名山 鳥ノ胸山」の山頂に達する。登る時はクッキリしていた富士山はやや霞んで雲も多くなっている。
小休止した後、道標にはないが南の雑木ノ頭の方に向う。地図では破線になっているので注意深く観察しながら行くことにする。ブナの混じる気持ちのいい尾根を一旦下り 登り返すと地図の南峰に到着する。ここから植林帯の急降下となる。踏み跡ははっきりしていて迷うことはない。そのうち手製の道標が出てくる。 行く方を指して「道志の湯」とある。「道志の湯」???と思う。しかし、一本道だし、間違って来たはずはない。そのうち道志の森キャンプ場方面の標識が出てくるだろう、 とそのまま進む。
15分弱下ると気持ちのよい自然林のフラット道となる。 やがて、大木がシルエット状に林立して見えるこんもりしたピークを目指して緩やかに登って行く。ブナの大木が林立している。 爽やかな風に潅木の芽吹きの緑が舞い、そしてミツバツツジが点在し彩りを添える。上を見あげるとブナの幹はすっくと天に伸び、新芽は膨らみ、もうすぐ芽吹きの時を迎えそうである。 写真を写し写し登って行くと、道標の立つ 雑木の頭に達する。右道志の森キャンプ場、左道志の湯となっている。道志の湯は地図をみると浦安峠に出て林道を左に延々と道志道の方に戻るようである。 それにしても、随分周回してゆく遠いところを指しているものだと思う。
小休止の後、右に行く。すぐ若い杉などの植林帯を急降下してゆく。五月の連休にはキャンプに来た人が登るからであろうか、山道は笹などが刈り払われよく整備されている。 兎に角道なりに下ってゆくと、トラロープのある大きな岩のある鞍部に到着する。そこを登り返してピークに達し、そこから左側が開けた尾根を緩やかに下ってゆく。 左手、眼下の萌黄色の山肌には山桜が少し点在し、桜の咲く時期なんだなぁ、と実感する。
しばらく尾根を下ると、真っ直ぐ尾根を下るのが素直と思うが、 右の植林帯斜面にテープが何箇所もついていて山道が下っている。真っ直ぐも見てみたが踏み跡が薄いようであった。 家に帰って考えるに、真っ直ぐは水晶橋の方に下る道かもしれないと思った。
兎に角テープのついている右へ急降下する。ここからは ほとんど植林帯の薄暗い道である。約15分も下ると、上の方角指した「トリノムネヤマ」という赤い標識が地面におかれており、さらにテープが左斜面の木についていて 踏み跡も濃い。ここも真っ直ぐ行く尾根が自然であるが、踏み跡も薄くテープもない。ここは左の斜面を下る。 ジグザク12分も下ると、以前菰釣山に登った時通ったことのあるキヤンプ場から城ケ尾峠の方に伸びている林道入口に降り立った。丁度昼である。 キャンプ場のせせらぎの傍で昼食をとることにする。もう明日からのGWに備えてキャンプの段取をしている気の早いキャンパーもいた。

鳥ノ胸山は尾根に上るまで退屈である。しかし、尾根に上がってから の雑木ノ頭までの自然林がすばらしい。今回はまだ新緑には早かったが、新緑、紅葉の頃はさらに良さそうである。


(地図)
・ 昭文社 山と高原地図 「丹沢」

(コースタイム)
道志道の駅(P)8:10--沢を渡る8:48--本格的山道(正規道標と地面に赤青矢印道標あり)9:00--秋葉山方面分岐9:50--鳥ノ胸山10:08〜17-- 南峰10:21--自然林フラット尾根10:35--雑木ノ頭11:09--トラロープ付き大岩11:29--右植林帯斜面への下りテープ11:38--「トリノムネヤマ」赤い標識11:56 --林道(キャンプ場)12:08〜12:34--道志道の駅(P)13:14





鳥ノ胸山直下からの富士山





鳥ノ胸山山頂付近





鳥ノ胸山山頂付近





雑木ノ頭を望む





ミツバツツジ咲く





雑木ノ頭もまじか





雑木ノ頭のブナ


[Canon EOS kiss DN/SIGMA 17-70mm DC にて撮影]