A.山歩き/2.山紀行/・・房総富山


房総・富 山


富山展望台からの富士山


房総富山(2011-12-27歩く)
今年も水仙の時期になってきた。最盛期は1月と思うが、もしかしたら紅葉などが残っていないかと、欲張って房総の富山に登ってみた。 アクアラインから館山道に入って、富山ICで降りて、県道の富山中学校入口にある駐車場に車を置く。登山口の福満寺へ県道を行く。 もう、道端の水仙があちらこちらで咲き、朝日の斜光に輝いている。今、6,7分咲きであろうか、痛んだ花は一つもなく、写真を写すにはちょうど良い。
お寺の右手から軽トラ一台通れるくらいの簡易舗装された農道のような狭い道を 左に回り込むように登ってゆく。水仙が咲き、フウトウカズラのネックレスのような赤い実がぶら下がっている。 直登しだすと、常緑樹の高木の大木があちこちに点在し、道に覆いかぶさり樹木のトンネル道となる。鬱蒼としているが、朝の陽ざしが常緑樹に混じってまだ残っている紅葉を照らし、 散りばめられたライトの下を行くようで苦にならない。
お寺から15分弱行くと丁字路に突き当って右に鬱蒼とした木々に囲まれた落ち葉の道を行く。時々輝く残りモミジがみられ、天を見上げると スダジイであろうか、樹冠の住み分けの境界模様が見られる。富士山のように二合目、三合目と標識が立つところを上がってゆくと、右側が開け思いがけない風景が展開する。それは紅葉とその下に咲く水仙の群落であった。 上に来たので、水仙は、まだ、4分咲き程度であるが、紅葉とのコラボレーションが素晴らしい。
柵のある整備された道をしばらく上がってゆくと、やがて下りだし、鞍部らしきところの右側にも水仙が咲いている。 ここから階段の急登が始まる。段差が大きく、自分のペースにあわないので結構疲れる。立派な大木が続くので休憩を兼ねて写真を写し写し登ってゆく。結構それが長く続き、樹を写すのも飽きてきたころ、やっと左手に長い石段が見えてきて南峰の 入口のベンチに到着する。この付近にはモミジの大木があり、まだ見ごろで、こんな時期まで見れて得した気分になる。
ガイドによると南峰は展望もきかないとのことなのでパスして巻道をすすむ。間もなく伏姫籠穴からの道と合わさり、見送って先に進むと 見晴らしのいい東屋のある広場に至る。そこは里見八犬士終焉の地とちある。富士山がちらりと見えるが山頂の方が良いようなので先に行くことにする。山の形からして最後の急登が待っているのかと 思ったらあっけなく山頂についてしまった。
山頂の左先は広場になっていて展望台が立ち、皇太子・雅子様が来られた記念碑がたっていた。 展望台に上がると、鋸山、東京湾、三浦半島、その上に富士山が浮かんでいる素晴らしい眺めである。しかし、少しもやっているのが惜しい。 今日は、このほかに御殿山という山に登る予定にしている。冬の日は短い、一通り見回して、伏姫籠穴分岐に戻り右に下った。
皇太子様が来られたので整備されたのであろうか、立派な柵の付いた階段道である。 しかし、林道に出るまでは杉林や荒れた竹林の見栄えのしない景色の中を黙々と下る。林道に下ると明るくなって、残り紅葉やフウトウカズラの赤い実も見られる。やがて立派な山門のある伏姫籠穴が現れる。 そこには、滝沢馬琴の名作「南総里見八犬伝」の物語の舞台となった里見氏の息女伏姫と飼犬八房が籠もったという「籠穴」がある。まだ、他の山が控えているので案内板を読むだけにして先に進む。 少し行くと待望の水仙の群生が広がっている。山側は陰っているところもあり寒々としているが、日が当たっている水仙は光り輝き、初春を思わせるような暖かい空気を漂わせている。そして、道端の水仙などを愛でながら道なりに行くと 富山中学校が見えてきて、ほどなく駐車場に着いた。

この後、車で御殿山の登山口である県道86号線の高照禅寺の駐車場に向かった。


(地図・ガイド)
・山と渓谷社 「千葉県の山」
・1/25000 地形図 保田・金束

(コースタイム)
自宅5;15==富山中学校入口(P)7;20〜28--福満寺7;46--紅葉と水仙のコラボ地点8;23〜30--鞍部水仙畑8;37--南峰石段下ベンチ9;13〜24-- 富山山頂9;39〜43--伏姫籠穴10;28--富山中学校県道入口(P)10;48



福満寺の傍にて





樹冠の住み分け模様





紅葉と水仙畑





水仙





常緑樹の大木の道を行く





まだ残っていた紅葉、南峰にて


Canon EOS 60D / EF-S18〜135mm IS にて撮影