A.山歩き/2.山紀行/・・天狗山


天子山塊・天狗山

霧に煙る巨木の森

天子山塊・天狗山('08-07-25 歩く)
近場に適当なところはないだろうかと、新ハイ'08-7月号 を開いたところ、「ミズナラの巨木を求めて 長者ケ岳-天狗山」という記事が目に付いた。樹木好き人間、ミズナラの巨木が気になり、すぐ跳び付いた。 長者ケ岳は以前登っているので、猪之頭から最短コースで巨木の山、天狗山を目指した。
1/25000地形図「人穴」で、長者ケ岳の北の1373mピークが天狗山とのことである。 昭文社の山と高原地図「富士山」には天狗山の名前はないが、登る山道はグレーの破線でかろうじて載っている。
車は猪之頭オートキヤンプ場あたりに置くことにする。いつもの朝霧高原への道、すなわち139号線に上井出ICから乗る。 しばらく行くと猪之頭入口の標識が見えてくる。ここを左折する。ここから地図では結構面倒であるが、ラッキーなことに猪之頭オートキヤンプ場への 看板が要所要所にあり、それに従って行くとすんなり猪之頭オートキヤンプ場に着いてしまった。キヤンプ場入口まで舗装である。 その先ダートであるが行けそうなので、鬱蒼とした雑木林の林道を100m位進んで、広い路肩に車を置いた。

身支度して、タマアジサイの咲き出した林道を行く。まもなく送電線が頭上を通っているところに至る。右に入る山道があるが、 地形図ではもっと先である。地形図の山道は変化するので、これである可能性もあるが、ひとまず、地図どおり先に行ってみる。 林道が杉林となり、カーブの先あたりに黄色いNo117送電線鉄塔標識が立っている。その脇から杉林へ山道が入って行っている。
初めての道は、花とか、美しい森、巨木、好展望等、ひよっこりと現れることがあるので心が躍る。しかし、杉の植林帯に入って、 見あげる斜面は上まで杉杉・・・である。これでは期待薄である。ただ、ただ黙々と登る。20分も登るとNo117鉄塔巡視路分岐となる。 巡視路の方にテープがぶら下がっており、山道はいかにもそちら方向のようであるが、無視して左上の方に上がってゆく。 幾分自然林も増えてくるが薄暗い森をまた20分も登ると、黄色のNo117鉄塔標識が立ち、巡視路が右から合わさる。 先ほどの巡視路は鉄塔を経てここにきていたのである。
また、杉林の急斜面をジグザグと登って行く。傾斜も緩み自然林が増えてきたので そろそろ尾根かと思ったら、さらに自然林のなかを登って行き、最後にまた杉の植林帯に入って右にトラバースしてNo.115鉄塔 広場に躍りでた。ここまでほとんどが退屈な杉の植林帯の登りを1時間半もかかった。
送電線が尾根に沿って上がってきている。 その下が防火帯のように刈払われている。防火帯は花など咲き乱れていること多いが、四葉ヒヨドリが咲く程度である。先にNo.114鉄塔があり、その傍から 山道は雑木林へ、送電線は谷を越えて天狗山の彼方に消えて行っている。
山道は一旦下り、急登にかかる。これを登り終えたら、山頂かと思ったら、 さらに尾根道が続く。霧に煙る雑木林、大石の露出した尾根道などを行く。そして、巨木の森があるとは思えないような杉と雑木のきつい急登になる。 丸太の階段があったようだが崩れて用をなさない。木の枝につかまりながら、あえぎあえぎ12,3分登ると雑木林の尾根に出た。手製の道標があり、左長者ケ岳とある。 そして頭が赤い標石がある。ここが天狗山のようである。
さて、巨木の森は? 山道の先に根本から枝分かれしたブナのような大木があり、その先、霧の中に 薄っすらヒメシャラの褐色の木肌が見える。この先が巨木の森のようである。探索に行くとするが、連れは行かなくてもいいというので、単独、ザック をおいて、カメラだけぶら下げて先に進む。
左側、ブナ、ヒメシャラの大木が雑然とした雰囲気で立っている。山道は右に向きを変えて、下ってゆく。 そして、平坦となると左側が谷となり、その斜面にブナやヒメシャラ、ホウの木の大木が、さらにこの森の主のミズナラの巨木が立っている。 ガスが流れてきて幻想的な風景となる。写真を写し、少し先に行って見る。しかし、森は細い柴の様な林に変わり下って行っている。 連れも待っていることだし、この辺で切り上げて戻る事にする。期待して来た巨木の森であったが見た限りでは規模は小さいようであった。 下山後、車で小田貫湿原を廻った。クサレダマ、オカトラノオが花盛りであった。


( マップ )
・昭文社 山と高原地図「富士山」
・1/25000地形図 「人穴」
(コースタイム)
猪之頭オートキヤンプ場先駐車スペース8:00--No117送電線鉄塔標識8:10--No117送電線鉄塔点検路分岐8:39--No115送電線鉄塔9:33--最後の急登開始10:13-- 天狗山10:28〜11:12--林道・No117送電線鉄塔標識12:30--猪之頭オートキヤンプ場先駐車スペース12:45



ミズナラの巨木1




ミズナラの巨木2





クサレダマ





オカトラノオ



Canon kiss DN / EF-S17-85mm IS USM /EF-S55-250mm IS にて撮影


( END )