武尊の田代湿原と花咲湿原は武尊牧場を基点に歩いた方が、ブナの森などを巡りながら湿原を周回できるのでよさそうである。
にもかかわらず、今回、昭文社の山と高原地図「谷川岳」で群馬県自然の森と呼ばれている森、すなわち奥利根水源の森、を基点に
歩いたのは、この森はNHKで放映された「日本の森50選」に入っていたので、どんなところであろう、と思ってである。
結論から言うと、森もいいが、その途中の湯ノ小屋沢川・照葉峡の連続して現われる滝がいい。それに湿原がある。 いろいろ楽しめるところがいい。新緑の頃、紅葉の頃、最高だと思う。 地図を見ると湯ノ小屋温泉あたりから湯ノ小屋沢川渓谷沿いの尾瀬の戸倉に通じる道が延々とのびている。 狭い、深い谷間の薄暗い道かと思ったら、全線舗装されて、道の直ぐ脇が渓流の明るい道であった。 滝のあるところには滝の名前の書かれた標識が立っている。それを見つけては車を止めて、写真を写して進む。 一個、二個ならそれでもいいが、次から次へと出てくる。とうとう連れがあきれて、「これでは湿原まで行けないよ」、ということ になり、帰り時間があったら写すことにして先に進む。 この奥利根水源の森の概念図は下に掲載した案内板の写真の通りで、森を取り囲むように一方通行の半円状の林道が通っている。その半円の中心にキヤンプ場があり、その広場には 駐車スペース、きれいなトイレがある。昭文社の山と高原地図では駐車は有料となっているが、シーズンオフなのか管理棟も閉じていた。 誰もいないガランとしたキャンプ広場に駐車させていただき出発する。真ん中の森林浴のみちを経て湿原に行くことにする。 道標が分岐点にあり、迷うことはない。オオバミゾホウズキ、キンポウゲの咲く湿った道を下っていくと川原に出て橋を渡り、直ぐささやきの 道との分岐となる。そこを右に森林浴の道へ橋を渡って樹林帯に入ってゆく。 ブナ林の道を道なりに緩やかに登って行く。 白いギンリョウソウがあちこちに顔を出している。花というとミズキの花が白くなりかけているくらいで 目だったものはない。ブナの木は巨木はないが、ところどころに密集して生えているのが今まで見てきたところと違っている。 途中には、このブナの森では、若いブナの木を育てるために、ブナの間伐、ブナの幼木の周りの笹や潅木の刈り取りをおこなっている、との説明板が 立っている。 緩やかな遊歩道のような道を約35分も行くと、森林浴駐車場という標識の立つ半円周回林道に突き当たる。 この林道を左に下ってゆくと直ぐ田代湿原の入り口であるヒメカイウ園駐車場に着く。ヒメカイウ園があるかもしれないが、見渡した限りでは 見当たらない。田代湿原方向の道標にしたがって右の樹林帯に入ってゆく。 ここからも豊かなブナ林の斜面に作られた稲妻道を 登って行く。そんなに急であるわけでもなく、遊歩道という感じである。ブナの林立が美しい。ツルアジサイの花が高くブナの大木に絡みつき 今盛りと咲き誇り、深山の趣きを漂わせている。足元のあちこちにはギンリョウソウが顔を出している。25分も歩くとブナの大木が多くなり、傾斜も ゆるみ、熊笹の下生えの上にブナなどの大木が林立のする明るい樹林帯となり、やがて、木道と大きな案内板が現われ、田代湿原となる。 しかし、案内板が大きくて田代湿原が見えない。裏に廻ってびっくり、樹間から、開けた田代湿原にコバイケイソウの花が咲き乱れているのが見える。 開けた広い空、それに白い清楚な花、清々しい気持ちになる。左遠く朱色のツツジらしいものまで見える。左回りで 回り込んでゆくと、木道が現われ、先ほど遠目に見えた朱色のレンゲツツジが目に飛び込んできた。期待していなかっただけに大感激である。 田代湿原はこの20〜30mの間だけ湿原を木道が横断しているだけで、後はまわりを廻るだけで、花の観察という意味では不都合である。 樹林帯に入ると直ぐ花咲湿原と田代湿原周回山道との分岐となる。田代湿原周回山道は帰りに行くとして、まっすぐ花咲湿原の方に進む。 するとヒメカイウの群生地がある。ミニ水芭蕉という感じの可愛いめずらしい花であった。写真を写してブナの美林の道を先に進む。道は初めて 急斜面の下りとなる。しばらく下って小さな沢を渡るとまもなく花咲湿原である。案内板も何もない。木道が湿原の中を真っ直ぐと伸びている。 ところどころに迂回する木道もある。真っ直ぐ端まで行って、帰りは迂回の木道を通って来た。田代湿原ではレンゲツツジとコバイケソウ が花盛りだったので期待したが、標高が低いのか、コバイケソウは終わりかけていたし、レンゲツツジはないところであった。 花といえばハクサンチドリ、ワタスゲ、終わりかけて色の変わったコバイケソウというところであり、端境期のようであった。 しかし、名前はわからなかったがこれから咲きそうなつぼみは沢山あった。木道は湿原の真ん中に設けられているし、花の観察にはいい所のようである。 花咲湿原を散策した後、初めて急登をして田代湿原まで戻り、左に湿原周回山道を進んで田代湿原の案内板のあるところに戻った。 まだ、昼には少し早かったが、ベンチがあり高いブナに包み込まれていい雰囲気の所であったので昼食とした。この後、元来た道を戻り、水源の森では途中からささやきの道に入って キャンプ場に戻った。このささやきの道は渓流沿いに行くのでささやきという名前がついたのかもしれないが、見るべきものはない。 まだ、12:30である。帰りは、来る時撮り残した滝をのんびりと写しながら下った。とうとう、滝を何箇所か写しているうちに雨がポツリポツリ落ちてきたので、 途中であるが滝を写すのを取りやめた。まだ、時間がある。ついでに、水上まで戻って、土合まで行き、谷川岳の1ノ倉沢見物までして、この日の山歩きを終えた。 (コースタイム) 自宅3:55==圏央道あきる野5:18==赤城高原SA6:43〜7:05==水上IC7:22==奥利根水源の森キャンプ場(P)8:40〜50−森林浴の道を行く−半円周回林道(森林浴駐車場)9:26−半円周回林道(ヒメカイウ園駐車場・田代湿原入口)9:31−田代湿原案内板10:06−左回り−花咲湿原・武尊分岐10:20 −ヒメカイウ群生地10:24−花咲湿原10:37〜55−田代湿原(花咲・武尊分岐)11:13−左回り−田代湿原案内板11:21〜44−半円周回林道(ヒメカイウ園駐車場・田代湿原入口)12:02 −半円周回林道(森林浴駐車場)12:09−ささやきの道分岐12:13−奥利根水源の森キャンプ場(P)12:33 (地図) ・昭文社 山と高原地図 「谷川岳」 ・略図 奥利根水源の森案内図 ![]() 照葉峡、つづみの滝 ![]() ![]() ![]() ブナに絡みついたツルアジサイ ![]() ヒメカイウ |