A.山歩き/2.山紀行/・・高麗山・鷹取山


高麗山から鷹取山
( 湘南平霧降り渓流の道を行く )


鷹取山のタブノキの巨木

高麗山から鷹取山を歩く('10-01-17)
新ハイキング2010年2月号(No.652)の「浅間山-鷹取山」というガイドに湘南平北の麓の万田から鷹取山の麓の下吉沢の間に「湘南平霧降り渓流の道」という道があり、 歩いた記事が載っていた。湘南の地に渓流の道、??と思い興味が引かれ、高麗山を経て「湘南平霧降り渓流の道」を歩く計画を立てた。それがまた、ひょんなことから、さらにその先の鷹取山まで歩いてしまった。

先日、登った高麗山、今度は平塚駅北口からバスに乗り、花水橋で降りて、生涯学習センターの登り口から登ることにする。 花水橋バス停で降りて、小路を山の方に向って進むと車道に突き当たり、左に少し行くと右手が生涯学習センターであった。
そこの広場の右手に大きな観光案内の看板があり、その脇の石段を登って行く。いきなり照葉樹の大木の立つ好ましい山道を登って行く。山道には椿も混じり彩を添えている。大きく稲妻型に上って行くと、大磯や平塚の町並みの向こうに 広い湘南の海が見渡せる展望台に着く。
ここから、なんという照葉樹の純林だろう、照葉樹のトンネルをしばらく裏側へ廻りこむように行き、今度は大きくU ターンして東天照の尾根へと上って行く。椿が段々多くなって、先日登った椿の道と合流した。まだ、落花することなく、満開に咲き誇っている。 先だって写して気に入った風景を確認したり、失敗した写真の反省から、もっとうまく写せないもんかと見る角度を変えて写したりしながら進む。登り口から約一時間で湘南平に着く。まだ寒くて、春の気分になれないが、もう早咲き桜がチラホラほころびている。 少休止した後、今回の主目的である「湘南平霧降り渓流の道」へと向う。
湘南平霧降り渓流の道
湘南平の駐車場から車道に沿って進み、ヘヤピンカープの辺りに立つ「万田」への道標に従って、アオキ、コナラ、サクラの木の多い尾根道に入り、緩やかに下ってゆく。そして 急降下した鞍部から「万田」道標に従って右に下ってゆく。最近手入れされたアオキの潅木にコナラなど落葉樹の疎林の快適な道である。
やがて下にガードレールが見えてきて、沢を渡り、農道に上がる。周りは谷戸の畑でホトケノザ、タンポポ などが咲きだす頃は良さそうなところである。すぐ道標に導びかれて雑木林に入ってゆく。右がチョとした谷で、コナラ、アオキ、サクラの雑木林の陽だまりの山道である。早春からサクラの咲く頃は良さそうである。るんるん気分で行くと、やがて下りだし、舗装された小路に降り立つ。
そこに「湘南平・霧降のみち/霧降の滝・松岩寺」という道標が立っている。すぐ先が広い車道(略図2-S点)で、車道にでたら左に行く。周りは大きく開け、畑の向こうに平塚市郊外の町並み、その上に形のいい大山が見える。大きくS字カーブを描きながら行くと老人ホーム前となる。 その向かいに道標が立ち、それに従って里道に降りてゆく。 ここからは、込み入った里道で道標がなかったら歩けないほどいろいろと分岐する。しかし、親切に要所要所に道標が立ち迷うことはない。
しばらく行くと「万縄の森」、「愛宕神社」というところがあったので寄ってみたりした。「愛宕神社」の少し先で右に入ると砂利道となり、広々とした畑の丘陵地帯へと上って行く。 なんとなく小北海道のようで気持が良い。高みに立って振り返ると湘南平の山並みが眺望され、あそこを歩いて湘南平の裏側のここに来たんだ、と実感する。
丘陵を下るとまた車道にで、道標によって新幹線のトンネル出入口上の小道に導かれる。 トンネル上を越えて道なりに下って田んぼの道を行くと、県道63号線の境橋バス停付近に出る。今まで、あんなに親切に道標が立っていたのに、先ほどの小道入口で途絶えてしまった。
地形図を見ると不動川沿い東側に破線の山道がある。その終点は下吉沢のすぐ目の前、 その山道を行くことにして、新幹線トンネル手前まで戻る。トンネル上を渡る手前左(北側)に、丘陵に沿った小道あり、左折して入って行く。左に不動川を見ながら下って行くと、やがて厚木小田原道路の高架橋下を抜け、県道63号線に出る。ここにも道標はない。 もう今回の「湘南平霧降り渓流の道」は終ったように思ったので、県道を右に松岩寺バス停の方に行く。少し行くと松岩寺入口に出る。折角なので松岩寺に行ってみることにする。
霧降の滝から鷹取山
参道を入って行くと角柱の道標が立ち、右霧降の滝33分・1260mとある。丁度、軽トラの農家の人が右の道から出て来たので聞いてみる。右に道なりにあがって行ってそれから下ると霧降の滝で、松岩寺の境内からも行けるとのこと。 今までの道標で目に焼き付いた「霧降の滝」、松岩寺の境内から行ってみることにする。
長い石段を登り山門をくぐり松岩寺の境内に入る。右の住居の建物の右に小道があり、上に登って行く。そうすると、下から上がってきた正規の舗装された農道に躍り出る。 ここを左に畑の丘陵を緩やかに道なりに登って行く。振り返ると相模湾が光っている。やがて丁字路に突き当たり、そこに右霧降の滝の道標が立っている。
左の雑木林の入口で 里山歩きのハイカーが休んでいたので、いろいろ聞いてみた。そうしたところ、ここから霧降の滝には大分下るので、戻ってくるより鷹取山の方に行った方がいいし、道標もしっかりしている、という話しであった。それでは、ということで鷹取山にも登ることになった。
右に道なりに下って行くと、下に林道が見え突き当たる。ここにも道標があり、平坦な林道を左に行く。やがて道標が立ち、右下が霧降の滝であった。水量が多いと水が霧のように飛散するようだが、今は岩の上を僅かに流れているだけで、見栄えがしない。 早々に、鷹取山2kmの道標に従ってまっすく行く。なお、この道標には「湘南平霧降り渓流の道」という文言があり、一時消えた湘南平霧降り渓流の道が復活した。この後、アオキの潅木とコナラ、クヌギなどの好ましい自然林の道を行く。 12分ほど行くと、逆Y字分岐となり、道標が右後方上に鷹取山へと導く。さらに4分ほど行くと丁字路となり、道標に従って左折する。
後は途中左に立石への道を見送って道なりに行く。そして少し下りだすと突然という感じで、舗装された林道に降り立つ。 そこは左鷹取山0.5kmの地点でゴルフ場沿いの道であった。そして、大きな「湘南平霧降り渓流の道」の案内板がたっていた(略図2-E点)。よ〜くみると、湘南平からここまでが「湘南平霧降り渓流の道」であった。 鷹取山に寄ることにしたので「湘南平霧降り渓流の道」がよく分かった、鷹取山まで来て正解であった。
舗装された林道を10分ほど緩やかに登って行くと照葉樹の森に鷹取神社が建ち、鷹取山頂に到着した。 ここはスタジイ、タブノキなどの巨木の茂る鬱蒼とした森で鷹取神社の社叢林として神奈川県の天然記念物に指定されている。樹木好きにはたまらない場所であった。
しばらく写真を写した後、地形図の関東ふれあいの道に従って下る。 道標には月京バス停3.0kmとある。急降下の参道を下りかけて、その道のふかふかしていることには驚いた。まるでマットレスの上のようだ。巨木の森の年輪を感じる。 天を覆う大木に包み込まれながら鳥居のところまで急降下する。その後は緩やかに好ましい自然林の道を下って行く。道のおびただしい落葉に自然林の豊かさを感じながら下る。
25分ほど下ると、分岐となり、関東ふれあいの道道標は左後方下を指して月京・国府本郷とあり、真っ直ぐを見送り左下に急降下する。 やがて小田原厚木道路をくぐり、県道63号線に出る。出たところは観音寺入口であった。先ほどの道標の立つ分岐を真っ直ぐ行くのが 地形図の道と思われる。今下ってきた道は比較的新しくできた道ではないかと思われる。
県道に出たところ右に生沢バス停があった。しかし、二宮〜平塚のバスが通るが一時間に一本であった。どちらが早く来るか調べて、二宮駅行きを待って乗った。 関東ふれあいの道道標には月京バス停を案内しているが、家に帰って調べると、生沢に比べてバスの本数が多い。そのために案内しているのかもしれない。
湘南に住みながら、灯台下暗しである。今回は湘南平の裏側の伸び伸びとした丘陵地帯、鷹取山の山麓の豊かな自然林とすばらしい鷹取神社の照葉樹の社叢林など、いろいろいいところを再発見した山歩きであった。

( マップ・ガイド )
・略図1高麗山
・略図2湘南平霧降り渓流の道
・1/25000 地形図 国土電子ポータル鷹取山付近

( 特記事項 )
・道標がなく分かりにくいところは、新幹線トンネル上の小道からですが、すぐ下に県道63号線や小田原厚木道路
 が見えるので、迷った場合はそれを目印に下ればよいです。そして県道を松岩寺へ行きます。
・松岩寺から、霧降の滝、鷹取山は道標がしっかりしています。添付の略図と地形図を参考に歩くといいです。
・鷹取山からの下りは地形図の関東ふれあいの道の「い」の字あたりまで地形図の通りで、後は道標に従って行く
 と生沢バス停に出ます。一時間に上下各一本ですが早いほうに乗るといいです。
・どこが湘南平霧降り渓流の道? 霧降の滝あたりから鷹取山方面への林道に沿って沢が流れている。
 それかな、と思った。

(コースタイム)
生涯学習センター登り口9:32--展望台9:40--東天照9:55--浅間山10:27--湘南平10:37〜48--ガードレール近くの「万田」道標10:51 --鞍部「万田」道標10:56--ガードレール付き農道・谷戸11:06--万田舗装小路(略図2-S点少し手前)11:21--老人ホーム前11:27--万縄の森11:34〜39--愛宕神社11:43〜56--新幹線トンネル上(道標探し)12:08〜24-- 小田原厚木道路・県道28号線12:31--松岩寺入口12:38--松岩寺12:49--霧降の滝への道12:56--霧降の滝13:07〜14--右上へ分岐13:22--T字分岐13:26--立石分岐13:34--舗装道路(略図2-E点)13:44-- 鷹取山13:54〜14:10--左下への分岐14:34--小田原厚木道路下トンネル14:39--県道63号線生沢バス停14:45



高麗山生涯学習センター登り口付近の照葉樹の大木




高麗山椿咲く東天照付近の尾根




万田から大山を望む




新幹線トンネル手前の丘陵




鷹取神社




鷹取神社の社叢林




落葉の道を下る


LUMIX DMC-LX3 にて撮影