A.山歩き/2.山紀行/・・高指山

高指山



高指山からの富士山

切通峠〜高指山〜富士岬平(06-01-09歩く)
年末に石割山に登ったが、意外に富士山の雪は少なかった。正月に入って、首都圏も、積もるところまでいかなかったが初雪が降った。 この分だと富士山も雪が多くなっだろうと思い、富士山展望の山、高指山に登ってみた。山中湖の平野の湖畔に車を置き、切通峠、高指山、平野と廻ることで計画したが、実際に高指山の先のピーク富士岬平まで行ったところ、直接、平野へ下る道 があったので、その道をたどって湖畔へ戻った。

いつもながら籠坂峠の道路状況はどうかと気になる。須走あたりまで行くと、「籠坂峠、チエン装着しない車は通行不可」 というような意味の看板が立っている。雪は1/7に降っている。当日は前日の晴の日を経ているので、道路は十分整備されていると予想して 上って行く。下ってくる車はチエンを付けていない。スタッドレスだけで大丈夫そうだと安心して籠坂峠を越える。
5cm位雪の積もった 山中湖の平野の湖畔の駐車場に着くと、雪化粧してすっきりした富士山がバッチリと見える。山中湖も凍結してその上に雪が積もり真っ白である。 カメラマンが富士山の写真を写していて、後ろ髪を引かれる想いであったが、写真は戻ってからとして身支度して早々に出発する。
平野の交差点からパノラマ台方面の車道を 鉄砲ノ木の頭や左に伸びる尾根を正面に見ながらゆく。湖畔から20分弱行くと分岐となり、右に直角に折れているパノラマ台への道を分け、高指山、切通峠へは 真っ直ぐ行く。5分も行くとまた分岐となる。左を指して高指山という道標があるが、どういうわけか切通峠方面への道標はない。この先、切通峠までも ない。ここは切通峠へ地図に従って真っ直ぐ行く。
やがて、送電線の***号鉄塔とかの標識が沢山立つ林道のY字分岐となる。ここは鉄砲ノ木の頭 から左に伸びた尾根の鞍部が切通峠であるので、見当をつけてその方向の右に行く(No.264鉄塔方面)。 少し行くと、左側の雑木林の枝に赤テープがぶら下がっており、間違いないと確信する。この後は赤テープが道案内してくれる。左にテニスコート が見えてきて、雑木林の中に入り、本格的な山道となる。ここまで、湖畔から約40分である。
ここから雪が多くなる。深いところで10cm位である。山道は掘れた道で歩きずらいが、雪があっても道が明瞭なのは助かる。 思いがけなくカラマツ林の中にブナの木が現われる。不思議なことに並木のように一列に連なっている。やがて、山道はY字に分岐している 所に至る。左側の上に上がる道に赤テープがぶら下がっているので、そちらの方へ行く。ここから勾配がきつくなる。 雪が降って以来、歩いた人はいなかったようで、雪面にあるのは動物の足跡だけである。やがて尾根が近づいてきて、 以前、鉄砲ノ木の頭から縦走して来たことのある道標の立つ切通峠に着いた。
ここより左に雪の尾根道を緩やかに登って行く。 左側は潅木、右側の東斜面はコナラなどの自然林で、明るい気持ちのよい道である。つい先ほど動物が通ったのであろうか、真新しい足跡が我々を導くように 尾根道の向う先に点々と続いている。そして、冬の日は低く、純白の雪面の山道に、冬枯れの木々がブルーがかったグレーの影を長く落としている。 その雪面に、惜しげもなく歩いた証の足跡を付けてゆく。冬山ならではの清々しい新鮮な気持ちになる。
やがて小ピークに達した。そのあたりはブナの 木も点在し雰囲気のいい所である。そこからは犬を連れて登ってきたのであろうか、犬と人の足跡が下へと続いている。足跡たどりながら急降下してゆくと、道標が 立ち、左、平野とある。帰りはここを下るのかと、一応、左下へ続く道を確認する。ここより、道はいよいよ高指山への緩やかな登りとなる。 左側は背の高いカヤトとなり、カヤト越しに富士山がみえ、右上の奥には自然林越しに高指山らしき山が見える。15分弱登ると、大きな 東海自然歩道の案内板があり、傍に道標が立ち、左平野とある。平野分岐は先ほど通過したはずと思ったが、案内板 を見て、この分岐が東海自然歩道の平野へ通じる正規の道であることが分かった。
高指山へはこれを見送り、真っ直ぐ行く。道は急登となり、南向きのため積もった雪は既に溶け、 足元がすべる。左側がカヤトの道はどんどん高度をあげ、富士山や鉄砲ノ木の頭などが競りあがってくる。写真を写し写し上ると、やがて 左側のカヤトも切れ、富士山側が大きく開け、高指山山頂に達する。
すばらしい眺めである。眼下に平野の別荘が箱庭のように広がり、その向こうに凍りついた真っ白な山中湖、 その上に、年末よりすっきりと雪化粧し左に雲をたなびかせた富士山、右には白銀の山々南アルプスが遠く光っている。時計を見るとまだ11時である。 昼頃まで先に行って戻ってくることにする。
すぐ雪のべったりついた樹林帯の急降下となる。雪の斜面には木立の長い影が映り美しい。 やがて鞍部に着くと道標が立ち、 バラシマ峠とあり、丹沢の方から平野の方へ道が横切って抜けているが、道標には記載がない。ここから 左手の平野の別荘地に降りられそうだ。場合によっては、高指山にわざわざ登り返さなくても、ここから平野へ下っても良いと思う。 先を見ると左斜面がカヤトで右斜面が樹林で覆われたピークが迫って見える。とりあえずあそこまで行ってみようと登りだす。
右手のミズナラなどが多い樹林帯にはブナの大木が点在し、直ぐそこまで別荘地が上がってきているとは思えない深山の雰囲気である。 ブナの写真を写し写し登ってピークに達すると、その展望のよさに感激する。高指山の山頂と同様の雄大な風景が展開している。ただ違うのは右端の南アルプス の白銀の山並みが山陰で見えないだけである。そして道標が立ち、富士岬平とある。また、一本の道がカヤトの斜面をくだり、別荘地の 方に消えている。道標を見ると「平野大和別荘地20分、湖畔1時間30分」とある。ここまではっきり道標が示しているのにわざわざ高指山 まで戻る手はない。ここから下ることにして、まずは昼食とする。
カヤトの道を一直線に下ると、別荘地の上の舗装道路に降り立った。 よく道は分からないが、山中湖、国道413号線方向を目指して左下の方に下ってゆく。やがて右に回りこんで、また左に折れ曲がると、二股に分かれ、右の 石割山の方向に向うと、橋を渡り、まもなく国道にでた。そして、国道を左に40分ほど黙々と歩くと 平野の交差点にでて、無事山歩きを終えた。


(コースタイム)
自宅7:23==厚木IC7:50==御殿場IC==山中湖湖畔平野駐車場(P)9:05〜10−パノラマ台分岐9:25−切通峠10:06− 平野分岐10:26−東海自然歩道平野分岐10:40〜45−高指山10:58〜11:05−バラシマ峠11:13−富士岬平11:22〜37−別荘地上11:51−国道413号線12:19 −石割の湯12:36−山中湖湖畔平野駐車場(P)13:00

(地図)
・昭文社 山と高原地図 「富士・富士五湖 2001年度版」
・昭文社 山と高原地図 「丹沢2003年度版」
「丹沢2003年度版」地図において、バラシマ峠の北側の次のピークが富士岬平です。
そこから左に小道の黒破線が別荘地に 伸びていますが、その道を下山しました。


●(特記事項)
雪は結構あったが、新雪であったのですべることなく、アイゼンを持っていったが使用しなかった。富士岬平は富士山撮影のスポット としてよい。大和別荘地の上まで車で上がると富士岬平までは30分くらいで登れる。
帰ってきてから思ったが、平野の 交差点からタクシーに乗って山伏峠まで行って、富士山を真正面に見ながら縦走し、切通峠から戻ってくるのがよさそうである。


高指山からの富士山



富士岬平から別荘地・山中湖を望む



富士岬平からの下山道(右下)

Canon EOS Kiss DN / TAMRON 28〜300mm XR Di にて撮影