高原山(ミツモチ山・剣が峰)
アカヤシオの咲くヤシオコースを歩く


日差しに輝くアカヤシオ
(Canon EOS kiss DN / TAMRON28〜300mm XR Di)



大間々台(P)〜ミツモチ山〜八海山神社〜剣が峰〜八海山神社〜大間々台(P)
('06-05-09歩く)

今年は久しぶりにアカヤシオを見に日光市栗山ダムの傍の月山に登ってみょうと思っていた。ところが一週間ほど前に偶然行った 友人からまだ咲いていないとの連絡があった。行く日も差し迫って念のために観光協会に電話で尋ねてみた。そうしたところ今年は不作で花は少ないとのこと 。急遽、予定変更して、矢板市の高原山のミツモチ山に登ることにした。
東北道矢板ICを降りて、4号線に通じる高架橋の左側の道を下って、直ぐ突き当たったところを左折して 矢板市役所の方に向う。天気予報は朝のうち曇りで日中は晴れであった。佐野、宇都宮あたりでは小雨であったが、ようやく上がった。しかし、今にでも雨が落ち てきそうな雲行きである。 道なりに行くと、間違いやすい県民の森方面の標識がでてくるが、それを見送ってしばらく行くと八方ヶ原方面の標識がでてくる。これを左折して八方ヶ原へと 上がってゆく。
下のほうではヤマツツジが満開である。上がるにしたがってガスが濃くなり、雑木林の芽吹きの緑の中にチラホラと ミツバツツジが見かけるようになる。幻想的で美しく、誘惑に負けて車をとめて写真を写す。さらに上がってゆくと山桜やアカヤシオ、オオカメノキの白い花が 霧の中に浮かんでいる。やがて右手に八方が原の大きな看板が出てくる。この10m位手前の左に入る道が大間々台方面である。実は素通りして、どんどん下り、 どうもおかしいと思って戻ってきて確認して大間々台へと向った。
上がるにしたがって木立ちの芽吹きの緑が冬枯れにかわり、ガスも切れてきた。やがて雑木林を抜けて広々とした潅木の原にでた。なんの木だろうとよく見るとつつじ のようである、しかし種類まで分からない。丁度、赤城山の白樺牧場付近の雰囲気に似ている。 ツツジが原を過ぎると道は終点となって右手にトイレもある広い駐車場に着く。そこには、今にも雨が降りそうなお天気からは想像も付かないような 大パノラマが展開している。雲海の上の山並みの彼方に那須連山がクッキリと横たわっていたのである。
身支度して見晴らしコースの 矢印に従って広い林道を行くと、直ぐ、左にやしおコースの道標があってコナラ、ミズナラ、ブナ、ダケカンバなどの混じる自然林の道に入っていく。道は 右手に尾根を見ながらトラバース気味に少しアップダウンを繰り返しながら回り込んでいく。自然林の道の脇にはカタクリ、キクザキイチゲなどが咲き、 モノトーンのさびしい冬枯れの風景に彩りを添えている。
やしおコースというからには直ぐアカヤシオが見られるのかな、と期待していたが、現われず、ブナの大木やカタクリなどを写しながらしばらくいく。 40分ほど歩くと樹林の間から谷を挟んだ正面にこんもりした山が見え、その山肌がところどころピンクに染まっているのが見えてくる。待望のアカヤシオである。 道は正面のピークに向かって右の斜面を急登し、そして周りこみながらゆく。アカヤシオが日差しを受けて頭上や左手の樹林の中でピンクに光っている。 その透明感あるピンクの大きな花びらは蝶が舞っているように見え、冬枯れのモノトーンの世界にイルミネーションを点灯したように輝いている。 道は先ほどのピークの右の肩の辺りにたどり着き、そこには大丸という道標がたっていた。ここが最もアカヤシオの多いところである。
また、大木の多い樹林の道を行く。10分も行くと青空コースとの連絡路となるが見送って真っ直ぐ行く。道端にはカタクリが多い。 また左に回りこむように行くと、樹間に点在するアカヤシオが多くなる。道はほとんど平坦となり、もうミツモチ山も近いと思うがなかなか着かない。 アカヤシオをめでながら連絡路分岐から15分ほど行くとやっと見晴台のある台地のはずれミツモチ山に達した。南の方を見ると海原のように雲海が広がり、 西側には満開のアカヤシオ越しに高原山の主峰釈迦ケ岳が望まれる。
ここより青空コースを経て剣が峰に登ることにする。 しかし、道標は青空コースの連絡路に戻るのしかない。展望台の南側下に林道が右から来ている。それが青空コースのようである。林道に下り、念のために 近くに休んでいた登山者に聞いてみる。間違いない。青空コースは砂利の林道である。兎に角暑い、道が広いのでさえぎるものが無いのと、砂利の照り返しのせいか、 30度は越えていたように思う。ところどころにブナの大木が立ち、つぼみの多いアカヤシオも数は少ないが彩りを添えている。

剣が峰ショートカットコース道標
45分も行くと、左側に手製の剣が峰の方面への道標がある。昭文社の地図だと松葉状の道になっていて松葉の付け根のところまで行き、 折り返すようになっているが、これは1456mピークへのショートカットコースのようである。道は明瞭であるが結構きつい。あえぎあえぎ 15分余登ると正規の道と1456mピークで合流した。ここから左眼下が開け、正面に釈迦ケ岳を望みながらフラット尾根道を行く。 やがて八海山神社への登りにかかると右側も開け、雲海の彼方に那須の山々が望まれる。ガレ場の道になるとまもなく祠の八海山神社に達した。 ここから帰りに下る林間コースが分岐しているが、剣が峰往復することで、小休止した後剣が峰に向う。
残雪のある樹林帯の道を15分弱登ると「矢板市の最高点1590m」とあるところに達した。しかし、剣が峰という名は無い。昭文社の地図ではその先の1540mのピークと の間に「剣が峰」と記載されている。剣が峰はどちらかと迷うところであるが、高いほうだろうと思い、ここで昼も近いので昼食とする。 昼食を取っていると駐車場から大丸まで一緒だった先に行ったはずの宇都宮のご夫婦が登ってきた。ショートカットルートを見落としたとのことである。 これから剣が峰へ行くという。驚いた、標高の低いほうの1540mのピークが剣が峰であったのである。 ここまで来て剣が峰に行かないてはない、昼食後ザックを置いて先の1540mのピークを往復する。 そして、展望の利かない林間コースを黙々と下ってこの山歩きを終えた。
大間々台の駐車場に戻ってきても朝の雲海の大パノラマの展望は変わっていない。車で、八方ヶ原入口(大間々台入口)付近に来ると ガスが濃くなり、雲海の中に突入した。今朝ほどの風景と同じ様に木立ちの中で淡いグリーンの芽吹きやアカヤシオ、山桜が 霧に煙っている。実に幻想的で美しい。また写真を写しながら下る。

●コースタイム
自宅3:55==東名厚木IC==首都高速==浦和IC5:25==上河内SA6:27〜55==矢板IC7:03==大間々台(P)8:00〜10--大丸9:05〜10--青空コースへの連絡道9:19-- ミツモチ山9:37〜45--剣が峰登山口(ショートカットコース)10:29--1456m小ピーク10:47〜55--八海山神社11:20〜25--1590m矢板市最高地点11:38〜12:08--剣が峰 12:21--1590m矢板市最高地点12;38--八海山神社12:48--(林間コース)--大間々台(P)13:40

●地図:
 ・昭文社 山と高原地図 「那須・塩原 2005年版」


車道から写した霧に煙るアカヤシオ























ミツモチ山より釈迦ケ岳を望む







八海山神社付近より那須連山を望む

Canon EOS kiss DN /TAMRON 28-300mm XR Diにて撮影