A.山歩き/2.山紀行/・・シオジの森


小金沢シオジの森


シオジの木肌


大峠から小金沢シオジの森(2011-10-14歩く)
インターネットで葛野川ダムの方にシオジの森があることを知っていたが、林道を歩いてまで、と思っていた。 今年に入って新ハイ4月号に 雁ケ腹摺山の山腹を行く道が紹介されていた。紅葉の走りの時期になったので行ってみることにした。今回は写真の撮影場所の同定に買った ATLASのASG-10というGPSを持って行って、その道筋をトレースしてみた。

大峠に車を置いて、林道のゲートをくぐり、20m位先右の 山火事注意の看板のところから入る。山道入口には道標はないが、結構歩かれているようで明瞭な踏み跡である。 入るなりところどころに広葉樹の大木の立つ雰囲気のいいところを行く。雁ケ腹摺山、大樺の頭の尾根から派生してきている尾根や沢をねくねと 回り込みながら行く。ほとんどアップダウンはないが、先だっての台風の影響であろうか沢を渡る道は崩壊したところが多く、上や下に迂回しながらゆく。
左下に谷を見ながらのトラバース道には、サワグルミのような天にも届く高木が多い。シオジとはどういう木であろうと想像しながら行く。ほとんど同じような風景であり、どこがどうだと説明できないが、 その豊かな樹林帯は素晴らしい。あの鶴峠から三頭山への豊潤の森の雰囲気に似て飽きることはない。
この時期、きのこの季節でもある。立ち止まって倒木を見たり、天にも届く木々やステンドグラスのように輝く気の早い紅葉 の写真を写したりの道草で、新ハイでは 長沢橋(B点)から大峠まで1時間20分となっているが、2時間たってもシオジの森入口の道標の立つ分岐(A点)に来ない。いつの間にか行き過ぎたかと、長沢橋と大峠の緯度経度をGPSにインプットしてきているので、初めてGPSを出して調べてみた。 そうすると、まだ先だった。地図表示がなく、目的地までの直線距離と方向矢印しかでない簡単なGBS、役に立つことがあるかなと思っていたが、 こういう時役立つようだ。
サワグルミのような高木が目立つようになると、やっと初めての道標の立つシオジの森の分岐点に着いた(A点)。 シオジの森に近づいてきて、周りはサワグルミのような木だらけ。どうもサワグルミと思っている高木はシオジのように思えてきた。しかし、その区別はつかない。帰って来て図鑑を見て,葉っぱも、木肌も格好も似ている。 花は全く違っていたが、花の時期の過ぎた今は区別がつきにくくて当たり前のようであった。
分岐では山側を廻って長沢橋に行くのと、沢筋を長沢 橋に行くルートがある。水があった方が雰囲気があってよいので沢筋を下る。シオジの高木の林立の中、苔むした石の間を流れが光りながら下っている。 樹齢140年と聞く、長い年月で結構倒木も多い。長い長いシオジの倒木が斜面の遙か上まで伸び消えている。シオジの黄葉にはまだ早いが、黄葉の頃は光が当たると森全体がまばゆいばかりの黄金色に輝くのであろうか。やがて山側の道と合わさり、少し下ると林道の長沢橋にでる(B点)。
そこには案内板もあり、大峠のゲートは閉鎖されているのに駐車場もある。ここで昼食とし、その後、林道を大峠へと戻る。林道は大きくUターンして廻り道してゆく。不思議なことにそのヘヤピンカーブのところにも駐車場がある。 以前はシオジの森まで車で行けたのであろうか。理由はわからないが今は通行止めになっている。考えようによっては今の方がいいのかもしれない。 サルの群れが林道を横断し豊かな広葉樹の森に入ってゆき、沢筋の気の早い木が紅葉しだいている。 大峠に近づくと天気予報通り天気が崩れだし、雁ケ腹摺山の尾根をガスが音もなく覆ってきた。


(地図・ガイド)
・昭文社 山と高原地図「大菩薩嶺」
・地形図 大峠からシオジの森への道 (カシミール3DソフトとATLAS ASG-10で作成)

(特記事項)
・シオジの森も珍しく貴重で素晴らしいが、そこまでの山道周りの豊かな広葉樹の森も木の種類が
 いろいろあってすばらしい。 特に新緑や紅葉の頃よさそうである。

(コースタイム)
大峠(P)8;12--シオジの森入口(A点)10;46〜11;00--遊歩道合流点11;42--長沢橋11;50〜12;05--大峠(P)13;45



10分ほど歩いて





森のステンドグラス





緑のカーテンに消えるシオジの高木





また、シオジ





シオジの立つ環境





交錯する木々





珍しいヤマブシタケ





スポットライト





シオジの倒木であろうか





シオジの林立





林道から見えた山並み





林道の気の早い紅葉


Canon EOS 60D / EF-S18〜135mm IS にて撮影