A.山歩き/2.山紀行/・・玉原
玉原高原付近の山 (2)
-- 鹿俣山 --




ーブナ林にホウノキとトチノキの混じる豊かな広葉樹の森を歩く、トチの花がきれいでしたー

鹿俣山(05-06-18歩く)
梅雨の晴れ間をみて玉原高原から尼ガ禿山に登ったのは03-07-10である。あの時の幻想的な霧に煙る ブナ林が忘れられなくて、今年も梅雨の晴れ間をみて隣の鹿俣山に登ってみた。
相変らずセンターハウス傍の林道のゲート には熊出没注意がある。土曜日ということもあって登山者も結構おり、三々五々、鈴を鳴らして湿原の方に下りて ゆく。その後に付いて行く形なので幾分安心した気分である。
最初に玉原湿原 に向かう。途中の木道の周りには水芭蕉の青々した大きな葉っぱがあるが花はすでに終わっている。花らしいのはノウルシのような 花だけである。あまり期待はできないと思いながら湿原に出てみると、予想通りノウルシらしいものとぱらぱらと散らばっている ワタスゲだけである。菖蒲も少しつぼみが大きくなり先端が紫色になっているものの咲いているものはない。コバイケイソウも今ひとつである。 今は端境期のようである。
湿原の真ん中をから右に折れ曲がり、湿原の右の縁を行くと森に入り、やがてブナ平方面(水源ルート)の道標にしたがって右の 樹林帯に入ってゆく。ブナの大木が見られる沢沿いの道を緩やかに登って行く。だんだん登るにしたがってブナの木が増え、ブナ平に 近づいたことを思わせる。それにサワグルミ、ホウノキ、トチノキの大木も見られ、広葉樹の豊かな森の新緑のグリーンに包み込まれながら登って行く。 写真を写したり、道草しながら45分も登ると稜線に到達する。
ここからはブナ林の中のプロムナードコースである。際立った巨木はないが、ブナの大木の林立はすばらしい。最初は曇っていたが 稜線に上がると日差しもさしてきてエゾハルゼミの合唱がさらに大きくなり、熊よけの鈴の音もかき消されるほどである。 森林浴をしながら30分弱歩くと、ブナ地蔵に到着する。ブナ地蔵はブナを切った切り株がお地蔵さんが並んでいるような形になったものである。 そこは探鳥路との分岐にもなっている。それを右に見送ってまっすぐ行く。樹林帯は一時途切れるが、再度樹林帯の緩やかな登りの道となる。 ブナの大木も所々で見られるが、ホウノキやトチノキの大木が多い。そしてトチノキの大木は丁度笠形の房の花を一杯つけ、深山の雰囲気 を漂わせている。
ブナ地蔵から40分ほど歩くと、ひょっこりスキー場のゲレンデに出る。道はゲレンデ沿い登っていく。段々きつくなり、リフトの 通っているあたりまで登ると一旦平坦になり、ラベンダーパーク方面分岐の道標の立つところに至る。そこから山頂まで20分 とある。ゲレンデを突っ切り、樹林帯の急登となり、開けたところで右を見ると眼下に玉原湖、正面に尼ガ禿山が見渡せられる。山道には紅色ドウタンツツジ などが見られるようになる。傾斜がゆるむと右にリフト発着所が見え、少し平坦な潅木帯をゆく。そして再度紅色ドウタンツツジ の咲く道を急登する。やがてスキーパーク駐車場方面分岐の道標の立つところになり、そこから5分ほどで鹿俣山山頂に到着する。
生憎靄って視界は利かない。もう昼も近い、昼飯にしょうかと思ったら、20名程の中高年の団体さん登ってきた。 狭い山頂である。団体さんにゆづって下ることにする。 わずかに元来た道を戻ってスキーパーク駐車場方面分岐の道標のところを左に急降下する。10分ほど下ると緩やかになったと思ったら小ピークに登って行く。 そこはシャクナゲの群生地で、おびただしいしおれた花殻が落ちており、花の頃は壮観であったろうと想像される。 ブナの混じる樹林帯をさらに20分ほど下るとスキー場のゲレンデに飛び出す。少し下ったリフト発着所の傍のブナの木の下で昼食とする。
山道はそこから結構見栄えのするブナの樹林帯に入り、下ってゆく。20分も下ると、森林キャンプ場方向の道標があり、右に 緩やかに下ってゆくと、やがてキャンプ場になる。玉原湿原方向の標識に従って、舗装道路を横断し、さらにスキー場のゲレンデを 二回ほど横断し、また樹林帯の中の道を下って行く。やがて銅金沢に突き当たり、左に清冽な流れ沿いを下ってゆく。途中、クリンソウなどもわずかであるが 咲いている。そして堰堤にでて、再度樹林帯に入り、少し行くと道路が見えてきて、野鳥案内板の立つ今朝ほど通った舗装道路に出る。 そこを左に緩やかに4分ほど登って行くと、センターハウスの駐車場である。

(コースタイム)
自宅4:20==あきる野IC5:37==上里SA6:30〜7:05==沼田IC7:50==センターハウス(P)8:18〜30−湿原入口8:38− ブナ平への道標(水源コース入口)8:56−稜線分岐(ブナ平)9:42−探鳥路方面分岐(ブナ地蔵)10:07−スキー場ゲレンデ10:44− ラベンダーパーク方面分岐道標11:02−スキーパーク駐車場方面分岐道標11:26−鹿俣山山頂11:33〜11:40− スキーパーク駐車場方面分岐道標11:43−スキー場ゲレンデ(昼食)12:17〜48−森林キャンプ場・玉原湿原方向分岐道標 13:07−野鳥案内板13:52−センターハウス(P)13:56


(地図)
・昭文社 山と高原地図 「谷川岳-苗場山・武尊山」
沼田市HPで紹介のハイキングマップ