A.山歩き/2.山紀行/・・日光・社山


日光・社山
( しゃざん 1826.6m )


社山への稜線より(帰り写す)

歌ケ浜(P)〜阿世潟峠入口〜阿世潟峠〜社山 (往復コース '09-06-04 歩く)
間もなく梅雨入りの時期。駆け込みの山歩きを計画する。この時期、奥日光までヤマツツジが上がっているので、日光の山に行くことにする。日光の地図を見ると、山頂付近にシャクナゲとある社山を発見。 もしかしたらシャクナゲも見れるかもしれないと思い登ってみることにした。それに、アプローチの中禅寺湖畔が「樹林層が美しい」とあるのも魅力的であると思った。

お天気がいまいちで、東京、神奈川は昼頃から雨である。日光は夕方から雨である。山はもう少し早まるかもしれないと思い、朝食抜きで出来るだけ早く出発する。 大谷PAで持参のおにぎりを食べて、中禅寺湖畔歌ケ浜駐車場に向う。朝の中禅寺湖、雲が垂れ込め、空や出島が湖面に写り込んで、静かなたたずまいを見せている。
身支度して湖畔沿いの林道を行く。良くテレビでみる伊太利亜大使館別荘記念公園の前を通る。帰り寄ることにして先に行くと、湖畔のシルエット状の樹形がきれいなところとなる。 良く見るとブナのようである。光があればもっときれいだろうが、こればかりは自然に逆らえない。その時その時の出会いの瞬間を楽しむことにして先に進む。
樹が途絶えて湖が開けると、あの紅葉で有名な八丁出島が湖面に写りこんでいる。湖は静まり返ってどこまでも穏やかである。山側を見ると、シロヤシオが少し痛んでいるが咲いている。 山では丁度いいかもしけれないと思う。肝心のヤマツツジは、駐車場の向かいの立木観音では結構咲いていたので湖畔の林道では思いっきり楽しめると思ったが、意外にも、全くと言うくらいヤマツツジは見当たらない。
約40分で民宿の先の半月峠分岐に着く。ここから地図では「樹林層が美しい」とある。ブナ、カエデ、モミ(栂かもしれない)などの高木の林立する林道を行く。 林道はまるで森のどこまでも続く廊下のようである。森の廊下の湖畔側には木々の緑のシルエットの窓が連なり、林床に柔らかい光を導き入れている。しばらく次はどんなシルエットが出現するだろうと、 楽しみながら行くと、阿世潟峠入口に着く。
ここから左にダケカンバの多い森を緩やかに登って行く。右側の涸沢に真っ赤に燃えているヤマツツジが一本立っている。やっとであったヤマツツジである。山道は傾斜がきつくなると、 左に小笹とミズナラなどの自然林の中をトラバースしながら峠へと上って行く。右に折り返すと、二本の満開のヤマツツジが見えてきて、鞍部の阿世潟峠に達した。

ようやくヤマツツジにありついて、小笹の尾根道を右に緩やかに上って行くと、左側がガレとなり、ここでもヤマツツジが結構咲いている。ここから樹林帯の急登が始まり、山道は小刻みにジクザクと登って行く。 高度が上がるにつれ、ガスって気温も結構低くなり、今まで歩いてきて汗ばんだ下着が冷えてくる。やがて、ピークの左を巻くように登って行くとピークを越えた先に出る。下を見ると左手がガレた痩せ尾根がガスの中に浮かんでいる。 ここで風を避けて、岩の陰で小休止する。
痩せ尾根には残り花のミツバツツと、シロヤシオが咲いている。少し行くと山道はピークへ真っ直ぐ行くのと左を巻くのに分かれている。ここはガスって展望も効かないので、左の巻き道を行く。ここのピークは 地形図の1567mのようである。巻き終えると、また急登が続く。30分も急登すると、ダケカンバの若木の多い尾根道となり、右斜面に満開のシロヤシオが見えてくる。勾配が緩むと「社山矢印プレート」が取り付けられたダケカンバが現れる。
ここから山道近くに満開のシロヤシオとダケカンバが点在する好ましい尾根道となる。ガスに煙る幻想的なシロヤシオやダケカンバの若木の新緑が実に美しい。本コースはなかなか休ませてくれない。また、登りが続く。シロヤシオを愛でながら そろそろ疲れた身体に気合を入れて上って行くと、初めてのシャクナゲが現れた。色が薄く、先だって伊豆で見たシャクナゲと印象が大分違う。 ここで、小休止して最後の登りに備える。
緩やかに登って行くと、結構シャクナゲは見受けられるが、一旦枯れてその脇から新しい枝が出てきているシャクナゲが多い。 花は何も付いていない。左の小笹の斜面には、立ち枯れの木の根株が墓標のように立ち、その周りにみずみずしいダケカンバの若木が点在している。 あの、足尾銅山の公害の影響で立ち枯れ、それが再生してきている過程なのであろうか。大石のゴロゴロした左がガレの尾根を通過すると やがて社山に到着した。シャクナゲの木は多いが花は慰め程度にしか咲いていない。今年は伊豆や奥秩父は当たり年であるが、ここは不作の年であろうか。
帰りは、1567m手前当たりから、ガスが切れてきて、中禅寺湖と男体山が見えるようになった。ガスって幻想的な風景もいいが、遠くまで見える風景もいい。行き帰り、両方の風景を楽しめたいい山歩きであった。 帰り阿世潟峠付近でこれから登る4人のパーテイと会ったきりの静かな山であった。首都高速に入るころ雨になったが、 早出のおかげで、18時過ぎの明るいうちに無事自宅に戻れた。

( マップ・ガイド )
・昭文社 山と高原地図 「日光」

(コースタイム)
自宅3:40==(東名・首都高速・東北道)==大谷PA6:00〜10==歌ケ浜駐車場(P)7:00〜22--半月峠分岐8:02--阿世潟峠入口8:33〜39-- 阿世潟峠9:02〜05--社山矢印プレート10:12--最初のシャクナゲ10:22〜26--社山10:42〜11:01--阿世潟峠12:15--阿世潟峠入口12:33--阿世潟付近の浜12:41〜49--半月峠分岐13:11--歌ケ浜駐車場(P)13:50



歌ケ浜駐車場にて




伊太利亜大使館別荘記念公園先の湖畔




最初のガレ場付近のヤマツツジ




ダケカンバの林立




シロヤシオ咲く尾根道




満開のシロヤシオ




墓標のような根株とダケカンバ







LUMIX DMC-LX3 にて撮影

( END )