A.山歩き/2.山紀行/・・奥武蔵・仙元山

奥武蔵・仙元山


見晴らしの丘公園展望台からの仙元山


奥武蔵・仙元山(2012-04-18歩く)
里の桜は散り、新緑が美しくなった。この時期の山歩きは、山に登ってゆく桜を追いかけて行くのが楽しみである。高尾山の一丁平はどうだろうかと 調べたところ、まだのようで、桜前線はおおよそ標高300m位まで上がっているようだった。そこで、低い山の多い奥武蔵の山の地図を調べ、 カタクリやニリンソウも咲くという小川町の仙元山を発見、行ってみた。また、ついでに東秩父村、大内沢地内の花桃の郷と虎山の千本桜にも 足を延ばしてみた。

小川町は武蔵の小京都といわれて、周りは仙元山など秩父の山々に囲まれ、街の中央を槻川が 流れている。その槻川の傍の道の駅「おがわまち」に車を置く。周りの桜はだいぶ散っているが、仙元山の杉や檜以外の広葉樹の山肌はシロやピンク、 萌木色の塊が点在し、まさに山笑うである。
橋を渡ると正面に西光寺の山門と本堂の高い瓦屋根が見え、その上に山桜が咲き誇っている。 お寺の裏の仙元山の雑木林の斜面がカタクリの群生地となっている。カタクリはどうかなと思いチョと覗いてみたが、もう過ぎていた。 上の方の山桜を期待して、お寺を出て、東側のお墓の脇の道から山に登ってゆく。
最初は檜の植林の道であったが、上がるにしたがって 自然林となり、山桜が天を覆うようになる。そして、登り口から20分も登ると中腹の桜満開の「見晴しの丘公園」に着く。展望台から 見える遠くの景色と近くの桜の海は素晴らしい。仙元山は一つ向こうのピークのようで、その斜面の山桜のパッチワーク模様がきれいである(上の写真)。
山桜を堪能した。次に山頂に向かう。道標に従って、左側に回り込みながら林道のような山桜の多い道を行く。 廻りきったところからも眼下に展望が効き、桜の季節の華かな山笑う風景が展開する。ここで広い道は終わり、山道となり、さらに回り込みながら高木の雑木林を進んでゆく。 途中「里下の大モミジ」の老木が立っている。その説明看板の昭和38年の写真が郷愁をかんじさせる。
この後、頂上という道標に従って右折する。 登りきったところが山頂かと思ったら、そうでなく左にさらに尾根沿いに行く。このあたりから、檜の植林地帯が続く。少し行ったところに パラグライダーの発着地があり開けているが、それ以外は展望のきかない檜林の道である。ツーステップの上りを登ると、昔は展望できていたであろう檜林の中の展望台が見えてきて、 一か所だけ切り開かれた展望の窮屈な山頂に着いた。
ここで昼食をとりながら、さてどこへ降りようかと思う。昭文社の山と高原地図では 嵐山町の小倉峠まで破線の道がある。それではあまりにも遠くに行き過ぎて、道の駅まで戻るのが難しい。山頂の道標をよく見たところ尾根の延長方向に「下里、大聖寺」 とある。ということは小倉峠まで行かなくても途中で下里に下る道があるに違いないと確信し青山城址の方に向かうことにする。
ここからも檜の道で展望は効かず、ただただ黙々と進む。頂上から8分ほど進むと、下里・大聖寺、青山城址の分岐となる。せっかくなので青山城址に行ってみる。 檜林の中に廓の跡があるだけで、ここも展望はきかない。早々に退散して下里・大聖寺への分岐に戻る。ここからも相変わらずの檜林が続く。一時、雑木林となるが、また檜林に入り下ってゆく。 そして、ようやく分岐から15分ほど歩いて明るい林道に降り立ってホッとする。
少し行くと民家が現れ、花桃やニリンソウ、菜の花の咲く春爛漫ののどかな里山風景となる。のんびりと里山を眺めながら行くと、 槻川の橋にかかる。橋の下の清流は春の陽に光り、川岸の萌木色の斜面には山桜が輝く。これから道の駅までどう行くか、 地図を広げる。そうすると蛇行している川沿いに近道の土手道がある。左折して川沿いに行く。タンポポや菜の花が咲き、川の向こうには 先ほど登った山桜の点在する仙元山が見える。
しばらく写真を写しながら行くと、車道の橋のたもとに至る。ここは左に橋を渡ってゆく。 車道といっても、あまり車の通らない1.5車線、民家の庭の花や周囲の萌木色の山を眺めながら行く。やがて蛇行して戻ってきた槻川の橋に至る。ここにも 近道がないかと民家の人に聞いてみる、やはり川沿いに道があるとのこと。戻って川沿いを歩きだして山側の対岸を見ると、カタクリとニリンソウの群生地、の 看板が見える。西光寺の裏山の遊歩道がここまで来ているようだ。急遽、橋を渡って遊歩道に入る。カタクリは過ぎていてもコンクリート道を歩くよりは良いと思って進む。 ところが、思いがけず、杉やコナラ、クヌギなどの木立の下に白い清楚なニリンソウの群生が続く、最後のおまけにしては素晴らしい。山の下りはあまりよくなかったが、下ってからはそれを取り返すような いい風景に出会えた今回の山歩きであった。

東秩父村、花桃の郷・虎山の千本桜
大内沢地内の花桃は、昨年、大内沢の上の山、登谷山、皇鈴山、愛宕山の縦走を計画したとき知った。都合で中止になって気になっていたところ、 今回、仙元山に向かう途中、散歩の人から、今、東秩父の花桃がきれいだと聞いた。それで山を降りたら車で様子を見に行くことにした。
虎山の千本桜は花桃の郷に行く途中、右手斜面にひな壇状に桜並木が見えた。何という所だろうと思っていた。 花桃の郷の写真を写して廻っていたところ、ここにもどうぞと「虎山の千本桜」のチラシを配っていた。 そこで、帰り寄ってみた。


(地図・ガイド)
・地形図 仙元山map
花桃の郷のマップ

(特記事項)
・花桃の郷の第一駐車場に車を置き、周囲をぐると廻りました。約1時間です。
・虎山の千本桜は元石切り場で山の復元のために桜を植えているとのことです。虎山の山頂
 付近まで1.6kmほどです。 その間ずっと桜並木が続きます。往復約1時間でした。

(コースタイム)
道の駅10;00--西光寺10;05〜13--見晴しの丘10;37〜55--仙元山11;29〜43--青山城址分岐11;50〜12;02(青山城址往復)-- 林道12;17--カタクリ・ニリンソウ群生地入口13;10--西光寺13;31〜40--道の駅13;45



見晴らしの丘公園展望台から赤城山方向を望む





見晴らしの丘公園展望台下の桜





下里の大モミジ





ニリンソウの群生地





花桃の郷・展望台と駐車場





花桃の郷





虎山の千本桜


Canon EOS 60D / TAMRON 18〜270mm VC にて撮影