A.山歩き/2.山紀行/・・坂戸山


坂 戸 山



山頂付近より八海山を望む


坂戸山と飯綱山古墳かたくり群生地('10-04-30歩く)
今年の4月こそ坂戸山に登ろう、と思っていたが、4月は異常気象でなかなかタイミングが合わずとうとうGWに入ってしまった。 いつもGWは混むので敬遠していたが、この度は休日の間の30日を選んで行ってみた。高速代1000円、圏央道・関越もスイスイで、しかも桜も満開で ラッキーであった。また、ついでに六日町駅の裏山の飯綱山古墳かたくり群生地にも寄ってみた。

下に添付の「六日町カタクリ保存会」のHPの「かたくりマップ」を参考に歩いた。 六日町ICで降りて、国道17号線にでて、坂戸城跡の案内にしたがって行くと、迷うことなく、坂戸城跡の駐車場に着いた。身支度して、城坂コースを行くことにして、真っ直ぐ林道を進む。 山の上に行くとカタクリが見られるのかなと思っていたら大間違い。歩いたとたん、右側の杉林にはショウジョウバカマが群生し、左の家臣屋敷跡にはカタクリとキクザキイチゲが昨日の雨でう つむいて広がっている。また、桜も満開である。町に近いところにこんな豊かな自然があるとは、本当に驚きであった。
一本杉までは緩やかな傾斜のカタクリの咲く原野になっていて、 桜の下にはカタクリ、イカリソウ、キクザキイチゲが咲き、みずみずしいシダや木々の若芽が逆光に光り美しい。ショートカットの道も あるが、林道に沿って大きくUターンを繰り返して周りの草花を楽しみながら歩いて行く。一般の観光客でも一本杉までなら楽に歩けて十分楽しめるコースである。
一本杉から城坂コースが始まる。結構な傾斜 である。一本杉の標高は250mで坂戸山は633.7mである。これを沢沿いにジグザクと550mの桃の木平まで一気に登り、残りをツーステップ状に 山頂まで登って行く。山道の周りにはカタクリが咲き、一箇所であるが イワウチワの群生しているところもある。所々沢筋には雪渓も残って、木々も芽吹き始め薄っすらと色づいている。高度を上げ振り返ると眼下に魚野川が光り、 周りに町並みが広がり、町並みの向うには屏風のように残雪の魚沼スカイラインの山が連なっているのが見渡せられる。
かたくりの多い桃の木平で一息ついて、次に杉林を経て上がってゆくと、裏側には残雪の八海山、眼下には斑模様の残雪の尾根が見えてくる。そして、少し登ると山頂であった。 坂戸山はカタクリだけでない。眺望もすばらしい。東側の一部は低い尾根で金城山 までつながっているが、魚沼盆地の中に独立峰のように立っているようである。東の方を見ると出島のような大城が見える。 タムシバの点在する尾根を一旦下って少し登り返すと大城で、真正面に残雪の金城山が大きくみえる絶景ポイントであった。
下りは薬師尾根を行く。 ミネザクラであろうか、冬枯れの風景に彩りを添えている。そして左向こうに金城山を友ずれに下る。下りは階段である。段差が大きいところも あり、登りは疲れそうな気がする。やがてタムシバ、マンサク、イワウチワ、イワナシが現れ、愛でながらこんなに登ったのかと思うほど延々下る。 やっと階段が終わり下に桜が見えてきて、案内板の立つところとなる。
桜は関東で見ている。最初に出会ったうつむいたカタクリやキクザキイチゲがどうなったか気になり、ここは右に一本杉へのトラバース道を行く。 最初は少し登るが、すぐ緩やかな下りのトラバース道となる。右斜面には片栗が咲き、花びらが丁度良く跳ね返り美しい。また、新緑のまぶしい沢筋には雪渓が残り、雪解け水が小滝となってきらきらと光ながら流れている。 一本杉に至り、ここからのんびりと桜並木の林道を道草しながら下る。今朝ほどうつむき加減のカタクリやキクザキイチゲは花びらを開き、今朝より群生地のピンクと白が鮮やかになり、桜とともに華やかである。

飯綱山古墳かたくり群生地
マビオンの市街地の地図を見ると、県道74号線と124号線の交わっている辺りに飯綱考古博物館が載っている。その辺であろうとけんとうをつけて行く。そうすると不思議なことに飯綱考古博物館という看板はあるが建物がない。 通りがかりの人にかたくりの群生地を聞いたところ、目の前の丘がそうで、車で上がれるとのことであった。
一車線の狭い農道を上がってゆくと畑の広がる丘陵地帯となり、上のほうがブナの混じるミズナラ林になっていて、その林床にカタクリが広々と群生していた。丁度良い開き具合でまさに見ごろであった。古墳の周りが簡易遊歩道となっており、 カタクリを写しながら一周した。地元の人が一人上がって きただけの静かなところで坂戸山とまた違った風情のある良い所であった。


( マップ・ガイド )
・略図 六日町カタクリ保存会
・昭文社 山と高原地図 「越後三山・平ケ岳、巻機山」
・マピオン飯綱考古博物館付近地図

( 特記事項 )
・飯綱山古墳かたくりの群生地は上のマビオン地図の左端の「余川」という文字の辺りです。カタクリ群生地
 へは、農道が狭くて、上には駐車スペースもなく、車で上がるところでないです。飯綱考古博物館看板前に
 駐車スペースがあります。そこから歩いても 大した距離でないです。

(コースタイム)
自宅3:40==相模湖IC5:00==(圏央道・関越)==赤城高原SA6:20〜46==六日町IC7:30==坂戸城跡(P)7:40〜7:51--一本杉8:30--桃の木平9:29〜34--坂戸山 山頂9:56〜10:04--大城10:20〜22--坂戸山山頂10:34〜10:52--案内板(一本杉分岐)11:40--一本杉12:02--(道草15分)--坂戸城跡(P)12:55〜13:05==飯綱山古墳かたくり群生地13:25〜37


家臣屋敷跡付近にて





ショウジョウバカマ、家臣屋敷跡付近にて




林道にて





キクザキイチゲ、林道にて





イカリソウ、林道にて




城坂コースにて





イワウチワの群生、城坂コースにて




城坂コースにて振り返る





城坂コースにて




残雪の金城山、薬師尾根コースにて





マンサク、薬師尾根コースにて




薬師尾根コースにて





タムシバ、薬師尾根コースにて




案内板から一本杉の間にて





飯綱山古墳かたくりの群生地にて








Canon EOS kissX / SIGMA DC 18-125mm OS HSM にて撮影