A.山歩き/2.山紀行/・・桟敷山


桟敷・小桟敷山


小桟敷山のヤナギラン


桟敷山と小桟敷山を歩く('06-08-03歩く)
隣り合ったこの二つの山は、以前、鹿沢温泉から角間山に登った時見えたので 、頭の隅にあったが、大したことがないだろうと、無視してきた。 ところが、雑誌「新ハイキング」06-8月号に桟敷山と小桟敷山にヤナギランが咲くという記事が載っていた。これは登ってみる価値ありそうだと 、急遽、時期を逃してはならぬと、行ってみた。
最近は関越に入るのに、圏央道のあきる野ICから乗っていた。今回は環八のトンネル工事が終わったようなので、久しぶりに環八から 練馬ICに入る。小諸ICで降りて地蔵峠に向い、それから鹿沢温泉の方に下り、民宿「わたらせ」のところを右上に林道を上がって行く。 すぐ左に上下二箇所ほど駐車場らしきものがある。上のほうに桟敷山登山口の小さいプレートを見つけ、上の方に駐車する。大宮ナンバー の車が一台駐車しているだけである。
〜 桟敷山 〜
身支度しながら周りを見渡すと、アザミ、 ヒヨドリバナ、ヤナギラン、シシウドなどの花が見え、期待通り花の多そうな山だと思う。駐車場の脇の登り口に道標が立ち、そこにはサジキ山入口とあり、その上に小さじき山のプレート も取り付けられている。小桟敷山は新ハイの記事でも昭文社の地図でも林道をさらに上がったところから登るようになっている。これはどういうことか と気になる。上の方で小桟敷山に登る道ができたのであろうか、それならうまいが、と思う。
階段を上がると左側の斜面には 白樺が林立し、その手前にはそう多くはないがヤナギランやヒヨドリバナの群生が見られる。すぐ、降りてきた単独行の男性と会う。大宮ナンバーの 持ち主のようである。これでこの山に登るのは我々だけになってしまったようである。山道にはヒヨドリバナが多く、花から飛びたったアサギマダラが 空に舞い、美しい模様を透かして見せてくれる。15分も登ると道標が立ち、右奥に小さじき山への道(下記マップA)が分岐している。駐車場に戻らなくても 小桟敷山にいけることが判明、桟敷山に登ってから、ここから小桟敷山に行くことにする。
ここら辺から樹林帯に入り、コナラ、ミズナラなどの自然林の斜面を大きく稲妻形に登って行く。ところどころ、林床の明るいところにはシモツケが咲いているが、 ほとんど見るべきものがなく、黙々と登って行く。7/15尾瀬沼以来の山歩きで、それに暑さも加わってバテバテである。休み休み登っていくと カラマツ林に変わってくる。やがて勾配が緩み、左側が開けた草付きの斜面になる。ヤナギランを期待して行く。今年は花つきがよくないらしく、ところどころにパラパラと咲いている。そして少し行くと展望台分岐となる。この辺のヤナギランは先ほどより咲いているが 群生というには程遠い。展望台は帰りに寄るとして桟敷山へと向う。
明るく広々とした笹の原にカラマツの大木が点在する なかなか好ましい山道である。笹の上にヤナギランの葉っぱが結構見られるが残念ながら花はほとんどない。カラマツ林を左に折り返しながら 登って行くと左側が笹の原となり、またヤナギランの群生地になっている。ここも花はチラホラで花つきが悪い。そして少し登ると右側が開け、 その先で山道は終わり桟敷山の道標が立っている。
山頂付近をよく見ると木蔭に祠と中央大学のWV部員の丹沢蛭ケ岳遭難碑がある。 故人がこの山が気に入っていたので仲間がここにわざわざ立てたのであろうか。山頂は木に覆われ、樹木越しに角間山、鍋蓋山、村上山が見渡せる程度であるが、 なんとなく心落着くところであった。
小休止した後、展望台に向う。展望台分岐の先は広々とした草原で、ヒヨドリバナ、クガイソウ、アザミ、アヤメなどのお花畑に なっている。すぐ樹林帯に入り、少し下ると大きな岩の展望台にでた。眼下の、右に湯ノ丸、正面に地蔵峠、左に篭の塔などが見渡せられる。岩の周りには花は終わってしまっているが イワカガミが多い。
〜 小桟敷山 〜
展望台分岐から30分位下ると登る時見つけた小桟敷山分岐(下記マップA)に至る。ここよりカラマツ・白樺の疎林の平坦な山道となり、ヒヨドリバナの群生にアザミ、シシウド、フウロウ、 マルバタケブキ、クガイソウ、タムラソウなどが 混じるお花畑が続く。時々木蔭のヒヨドリバナの上をアサギマダラがゆらゆらと舞っている。道草しながら25分も行くと、林道から上がってきている 小桟敷山への道と合流(下記マップC)する。右に林道の方に少し行って見ると左下にガードレールが見える。林道はすぐ傍を通っているようだ。 帰りはこの道を林道に降りるとして、引き返して小桟敷山の方に緩やかに登って行く。しばらくヒヨドリバナ、ヨツバヒヨドリ、 アザミ、クガイソウのお花畑を緩やかに登って行く。
やがて樹林帯に入り、大きく稲妻形に自然林の山道を登っていく。林床には時々シモツケ、シモツケソウの花が咲いている程度で 見るべきものはない。ただただ黙々と上って行く。カラマツが増えてくると勾配も緩み、山頂の気配がしてくる。そして、突然、樹間からピンクの ヤナギランが見えてきて、ヤナギランで覆われた草原の広場の山頂に達する。ようやく出会えたヤナギランの群落、ヤナギランの向こうには丸い西篭ノ塔がブルーに横たわり、 山頂の風情を優しく演出してくれている。
誰もいない静かな山頂、ヤナギランの写真を思う存分写す。そしてヤナギランを眺めながら昼食とし、至福の時を過ごす。もう今日は これで大満足と、足取り軽く、もう一度ヤナギランを振り返り下る。約、30分ほどで桟敷山分岐に着く。分岐周りは花花花・・、誘惑に負けて また写真を写す。そして左下に林道を見ながら下ると、予想だにしなかった風景が現われる。林道の下の谷間の斜面が一面、ヒヨドリバナ、 シシウド、月見草、ヒメジオン(?)、アザミ、タムラソウ、ヤナギランなどの花で覆われている。これが駐車場付近まで続いている。 連れと2人占めの風景、なんと贅沢なことだろうと思いながら写真を写し写しし、林道を下り、山歩きを無事終えた。

その後、高峰温泉、車坂峠、佐久、 清里の清泉寮、長坂IC、相模湖ICと通って戻ってきた。車坂峠付近ではまだニッコウキスゲが結構咲いていた。ウイークディであったが夏休み、 小仏トンネルから相模湖IC付近まで渋滞し、その渋滞が相模湖IC出口から一般道にも及び、渋滞と付き合ってようやく家に着いたのは20時30分 ころであった。


(地図)
* 昭文社 山と高原地図 「浅間山・軽井沢」
*桟敷山マップ
このマップのA点とC点は私の歩いた感じで追記したもので正確でないです。しかし、道標があり踏み跡もしっかりしているので迷うことはありません。

(コースタイム)
自宅3:55==東名厚木〜用賀==関越練馬IC5;12==上里SA5:58〜6:25==小諸IC7:30==桟敷山登山口(P)8:02〜8:12--展望台分岐(マップB)9:16--桟敷山9:26〜40--展望台分岐9:48--展望台9:54〜56 --展望台分岐10:02--小桟敷山分岐(マップA)10:35--桟敷・小桟敷山分岐三叉路(マップC)11:00--小桟敷山11:38〜12:02--桟敷・小桟敷山分岐三叉路 12:36--林道小桟敷山登山口12:44--桟敷山登山口(P)13:01〜15==車坂峠・佐久・清里==中央高速長坂IC==相模湖IC==自宅20:30頃着




花の桟敷・小桟敷山を行く



アサギマダラ




桟敷山登山口付近にて




樹林帯のシモツケツ




展望台分岐付近にて




小桟敷山分岐(A)付近にて




小桟敷山山頂のヤナギラン




小桟敷山山頂のヤナギラン




桟敷山分岐(C)付近にて




林道谷間のお花畑




[オリンパス E-20 にて撮影]