A.山歩き/2.山紀行/・・房総・嵯峨山


房総・嵯峨山




スイセンの群生地からスイセンピーク(左上)を望む


嵯峨山(2010-12-29歩く)
年末になって、今年も恒例の正月の花の調達ついでに、房総のスイセンの山、嵯峨山に登った。 昼までに下山したので、そこから比較的近い大山不動尊(高蔵山)と大山千枚田にも寄ってみた。
アクアラインを通って鋸南保田ICへ向かう。空いていいると思ったら予想以上に混雑している。 どうも帰省ラッシュと重なったらしい。先だって、房州アルプスに登ったが、今度の嵯峨山はそれより西よりの山で、鋸南保田ICから近い。ICで降りて、鴨川の方に向かい、 登山口へ入る目印の「小保田」バス停を見逃さないようにゆっくりと走ってゆく。 もう、道端のスイセンは見ごろである。スイセンの花盛りは一月から二月といわれているが、まだ、つぼみもあり、枯れた花殻の無い、今頃のほうが綺麗なように思う。
「小保田」バス停の脇の道へ左折して入る。駐車スペースのある登山口の下貫沢へは二つ目の橋を渡ってすぐ左折し、川沿いの道を上ってゆく。1車線の狭い道である。待避スペースはところどころにあるが、対向車の来ないことを願いながら行く。途中二箇所ほど二又に分かれるが、そこはいずれも左にゆく。二つ目の分岐を左に上がると、 間もなく、右に簡易トイレのある車7,8台置けそうな広場が見えてくる。そこに車を置く。
周りの段々畑の斜面は一面スイセンが咲き、スイセンの香りが漂っている。 そこで弁当でも広げて過ごすのもいいと思うが、前方に見えるスイセンピークらしい山もよんでいる。スイセン群生地を行くと、沢沿いの竹やぶの道に 入ってゆく。そして、朽ちかけた丸太橋を渡り、右斜面に登る。右前方が開け、棚田の跡地であろうか、スイセンが広がっている。
すばらしい眺めであるが、棚田の境に トタン板が置かれているのは興ざめである。段々に広がるスイセンをみながら上ってゆく。木立の下のスイセンの群生、 朝日に輝くススキと競演しているスイセン、と風景が変わってゆく。更に上がると、右下に棚田の畦に咲くスイセンがみられる。道は照葉樹の森の登りと変わり、棚田の上部へ右に回りこんでゆく。 右下の樹間からスイセンを眺めながら上ってゆくが、まもなくにスイセンとも別れ、本格的に嵯峨山から派生している尾根へと登って行く。
やがて峠のような丁字分岐に至る(添付mapA点)。ここは帰り釜ノ台から登って来て合流する地点でもある。 手製の道標があり、スイセンピーク15分、嵯峨山はそれから15分、という意味のことが書かれている。 ここからスイセンピークへ本コース最もきつい登りが始まる。といってもトラロープが張られ、距離も短かく、少し我慢して登ると勾配も緩んで来る。
そして照葉樹の大木の多い尾根道 となり、日のあたる所にはスイセンが咲いていたりして驚かされる。少し行くと道は岩の痩せ尾根に変わる。気を付けてひと登りすると、前方が開け、下斜面にスイセンの群生するスイセンピークに達する。 標高が高いので咲いているスイセンはちらほらである。ここは1/中旬あたりがいいのかもしれない。
ここからはアップダウンを繰り返しながら、照葉樹の森を行く。最後に少し急登すると三角点と標識のある山頂に達する。山頂は樹に覆われ見晴らしはきかないが、その先、僅かに行くと祠があり北側が開けている。 ここから、釜ノ台へ下る。途中左側が開け三浦半島の方面が望まれる。5分も下ると尾根に別れをつげ、右に杉林を下ってゆく。林相がアオキとコナラに変わってくると、やがて広い山道に降り立ち、右に緩やかに下ってゆく。大木が立ち、樹林の奥には 遅いもみじも見られ、日差しに輝いて美しい。
更に少し行くと左にお墓が現れ、スイセンの咲く段々畑に飛び出す。 ここが釜ノ台集落のようである。道は右に曲がって、民家の庭先に出て、それから左に下りて、又右に下ってゆく。そして、丁字路のなり、車道に突き当たる(添付mapB点)。 ここら辺は広々とした谷の源流のような窪地で、少し荒れてて判然としないが、みかん畑や梅林だったであろうか。黄色いみかんの下や梅の木の下一面に、スイセンの花が日差しを受けて輝いている。のどかな里山風景である。ここで休憩を兼ねて写真撮影タイムとする。
休憩の後、丁字路を左に行く。4分ほど歩くと、Y字分岐(添付mapC点)となり、左角に手製の道標が立っている。右には大きな屋敷があるが建物は廃屋のようである。小保田方面の案内にしたがって左の林道を上がってゆく。100mも上がって行くと右側にまた大きな屋敷があるが、ここも誰も住んでいないようであった。 添付の地形図では、この林道入口(C)から峠への登山口(D)までは登山道になっているが、実際は立派な1.5車線位の林道である。
この林道を左に廻りこみながら行くと、右が広い谷の開けた所に出る。谷の斜面にはところどころにスイセンが咲いている。 左には山を背にした日当たりのよい大きな立派な民家があった。しかし、ここも誰も住んでいないようである。過疎化の進んだ集落の外れの民家を後にして、右に回りこんでゆくと、左下の谷にヘヤーピンカープで降りてゆく。 正面の山の斜面途中から林道に垂直に降りている高いコンクリートの壁が林道に沿って続き、あの峠に登り返す道などありえないように見える。そう思いながら下り回り込むと、風景が変わり、丸太の土止め階段が左斜面上に伸びて杉の植林帯に消えていた。登り口には手製の道標も立ち、小保田とあった(添付mapD点)。
杉の植林帯の道を上に見えるV字シルエットの中心に向かって登ってゆく。10分ほど登ると、見覚えのあるスイセンピークの登り口の峠に着いた。 後は同じ道を下るだけ。日が差してきて登るときと風景が変わり、綺麗なところを見つけては写真を写し写し下る。そしてまだ昼には早かったが、登山口付近のスイセンの咲く草地で待望の弁当を広げ、スイセン山歩きの余韻を楽しんだ。


( マップ・ガイド )
・山と渓谷社 「千葉県の山」
1/25000地形図 Map

(12/19のコースタイム)
下貫沢(P)7;33--峠(添付mapA点)8;20--スイセンピーク8;41〜46--嵯峨山9;03〜06--最初の民家9;27-- 丁字路(添付mapB点、写真撮影)9;31〜10;00--Y字分岐(添付mapC点)10;04--集落外れの民家10;08--峠登り口(添付mapD点)10;23-- 峠(添付mapA点)10;34--下貫沢(P)11;08



ススキの原のスイセン





尾根道の巨木とスイセン





スイセンピーク





釜ノ台集落のスイセン





釜ノ台から峠への登り口





大山千枚田



EOS kissX / EF-s10-22 にて撮影