A.山歩き/2.山紀行/・・竜ケ岳


端足峠から竜ケ岳


竜ケ岳山頂付近からの富士山


端足峠〜竜ケ岳 ('06-10-8歩く)
竜ケ岳に9/22に引き続き登ってしまった。9/22に登った時、本楢の森がすばらしかったので、本楢の森のほかの部分 がどうなっているか気になり、観察をかねて登ってみた。それに前回は富士山がクッキリ見えなかったのでその再山行でもあった。

本楢湖畔周回車道の青少年スポーツセンター西の端付近に本楢の森の案内板が立っている。そこには車を置くスペースがあるので、今回はそこに車を置いて周回する ことにする。しかし、行ってみたところ、本楢の森の案内板20m位手前にあるゲートが閉まり交通止めになっていた。 前回行った時はゲートは開いていたのにどういう訳だろう。前々日大雨が降ったので土砂崩や落石のためだろうか。しかし、何も知らせの看板がない。
ゲート手前の右手には、車を4,5台置けるスペースがあったので、車を置き身支度して出発する。本楢の森の案内板から左に 林道が入り込んでいる。10mも林道を行くと「やまなしの森林100選 竜ヶ岳の広葉樹林」の看板が立ち、右手斜面を階段が登っている。 この階段を登ると山道に突き当たり、左「竜ヶ岳」の道標が立っている。前回の9/22は左側の山道を下ってきた。 今回は初めての道、反対の右の方へ進む。
山道は一度稲妻型に 登るがやがて湖畔周回車道に沿ってほとんど平坦に進む。ブナやミズナラ、カエデ、などの大木の茂る豊かな森をゆく。山道はしっかり整備されていて、落ち葉がクッシ ョンになって足に優しい。山道は北側斜面で、朝ということもあり、ほとんど日が差すことなく、さびしい感じであるが、時々木々の間から見えるブルーの湖面 が彩りを添え、変化を与えてくれる。しばらく行き、さらに廻りこんでゆくと、日差しが樹冠を照らし、早々に紅葉しだした葉っぱが暗闇の森に輝きを放っている。
約1時間ほど歩くとツガなどの黒木の大木が目立ちだし、やがて杉の植林帯に入ると、本楢湖畔周回車道から上がってきた山道と合わさる。ここには道標があり、 今、歩いてきた方向を指して本楢湖畔歩道とあり、これから進む方向には端足峠1時間10分・竜ヶ岳2時間とある。 さらに10分ほど行くともう一本の本楢湖畔周回車道から上がってきた山道と合わさる。

ここからいよいよ登りである。ブナなどの大木の茂る少し石まじりの山道を 稲妻型に登って行く。日差しは本楢湖畔歩道より多く差すようになり、木々の葉っぱが新緑のように逆光に輝いている。 まばらになっている木々の間からは眼下に本楢湖がブルーに見える。30分ほど登るとフラット道になり、尾根に登りつく。 尾根を進むと、前方に横たわる雨ケ岳から竜ヶ岳にかけての尾根の左右に鞍部らしきところが見える。 どちらが端足峠なのかと思う。どうも右に向っているようである。竜ヶ岳は左なので、そうであるならば一度アップダウンがあるのかと少しビビる。やがて尾根は登りとなり、 尾根の軸を中心にくねくねと登って行く。左の鞍部からは強烈な朝日が顔を出し、葉っぱを透過して目に入り、まぶしい。
左手の木立ちの間からは竜ヶ岳が手に取るように近く見える。左右の峠らしいシルエットも極めて近い。しかし、山道は 長々とくねくねと続き、なかなか峠には近づかせてくれない。やっと、尾根に取り付いてから25分ほど登って、山道は予想に反して尾根の左の斜面に伸びている。 これでアップダウンは避けられたと思いながら、ブナの大木の茂る大きな谷の斜面をトラバース気味に進んでゆく。ブナの木々の間から見える向かいの尾根は高い。最後に稲妻型にジグザク と高度調整して端足峠に達する。

登る前にはクッキリ見えた富士山、どうなっているか気がかりである。切り払われた木立ちの 間から待望の富士山が目に飛び込んでくる。少し山頂付近に雲があるがクッキリと見えホッとする。少し 休んだ後、左へ竜ヶ岳の方へ向う。広く刈り払われた気持ちのよいリンドウの花も咲く潅木の道である。右側は開けたところもあり、眼下に朝霧高原が広がり、 以前傍を歩いた四角い貯水池が光って見え、その向こうに大きく裾野を広げた富士山が横たわっている。富士山の風景、何回見ても飽きることなく、心が穏やかに澄んでくる風景である。
やがて、開けて前面にピークが見えてくる。そこには天にでも向って登るような階段の道がトレースされている。 あれを登りきると竜ヶ岳である、と言い聞かせて一段一段上って行く。段々急になる。下を見ると恐いくらいである。約15分で階段は終わる。
もう山頂かと思ったら、ブナの混じる樹林帯の道となる。これが15分ほど続き、その後大きく開け笹の原の丘のようなところを緩やかに登って行く。 9/22反対側の石仏の方から登った。その時、山頂付近は笹の原であった。そういうことからもう山頂は近いと思いながらひと丘越える。しかし、その向こうにも丘がある。 これを三回くらい繰り返したであろうか、ようやく笹の丘の上に人影が見えてきて、山頂となった。
今回は360度の視界である。富士山反対方向の南アルプスの山並みもクッキリと見渡せるし、駿河湾も見えている。9/22と同じベンチに座って富士山を眺めながら 休憩する。富士山の裾野が綺麗な線を描いて長く長く伸び駿河湾までいって海に消えている。この日は北アルプスが大荒れで遭難事故があり、富士山は初冠雪の日であった。 山頂は強風が吹き荒れているようで、山頂で発生した雲は、時々山頂からちぎれ、左に浮きながら流れてゆく。  十分休んで富士山も堪能したのでそろそろ下ることにする。
下山は9/22に下った本楢湖分岐から本楢の森入口に下るコースとする。前回はガスっていた。今回はピーカンである。前回あれほど すばらしいと思った本楢の森も、二回目のせいか、ガスっていないせいか、いまいち雰囲気がない。写真もほとんど写さず黙々と下る。 どうしてだろう、と、また思う。最初に本楢湖畔歩道と端足峠への尾根で豊かな森に十分浸ったせいかもしれないと思ったりする。 ということから、端足峠経由で周回して歩く場合は石仏の方を廻ったほうがいいかもしれない、と思った。


(地図)
* 昭文社 山と高原地図 「富士山--御坂・愛鷹」2006年度版

(コースタイム)
自宅4:45==東名厚木IC==御殿場IC==富士吉田IC6:15==青少年スポーツセンター西側本楢湖南岸周回車道ゲート(P)6:40〜47--本楢の森の案内板6:50 --(本楢湖畔歩道)--湖畔周回車道分岐7:57〜8:00--湖畔周回車道分岐8:11--端足峠9:18〜25--階段始り9:35--階段終り9:49-- 竜ヶ岳10:15〜30--本楢湖分岐10:39--本楢湖南岸周回車道ゲート(P)11:45






端足峠付近からの富士山





山頂からの富士山1




山頂からの富士山2





山頂からの富士山3





初冠雪の富士山 精進湖にて





[CANON EOS Kiss DN /SIGMA 17-70mm DC MACRO にて撮影]