A.山歩き/2.山紀行/・・竜ケ岳


竜ケ岳


竜ケ岳でやっと見えた富士山


竜ケ岳から本楢の森('06-09-22歩く)
竜ケ岳にははじめから登る予定ではなかった。富士山を追っかけているうちに 登ってしまった。 去る台風一過の9/20、さわやかな秋空であったので、昼頃、山中湖の上の鉄砲木の頭(明神山) に富士山とススキを写すべく登った。しかし、気流の関係であろうか、雲がかかって富士山は見えなかった。
それで、雪辱戦のつもりで、その翌々日の9/22、早朝なら大丈夫だろうと精進湖で写すことで未明に自宅を出発した。精進湖について 湖の北岸から富士山方向を見るが、富士山は雲の中、カメラマンもいない。それでは本楢湖へ行ってみようと、北岸のレークサイドオートキャンプ場の方に行く。 相変らず雲が垂れ込めて、富士山は見えない。カメラマンはいるが、三脚立てて車の中で待機中である。一応湖畔に降りて、富士山の 出るのを待つ。しかし、朝日が雲から顔を出し湖面をわずかに赤く染めるが、富士山は顔をださない。そうだ、向かいに見える正月のダイヤモンド 富士で有名な竜ヶ岳なら、富士山が雲海の上に見えるかも知れないと、急遽、竜ヶ岳に登ってみることにする。

本楢湖南岸の本楢湖オートキャンプ場に向う。キャンプ場入口に大きな竜ヶ岳登山者用駐車場があり、そこに車を置いて出発する。 竜ヶ岳登山道入口と書かれた矢印の看板が要所要所に立っている。それに従ってキヤンプ場の中の道をたどっていく。 15分弱歩くと登山口入口となり、折り返すように左上に登って行く。そこから大部分が退屈な杉の植林地であるジグザク道を登って行く。30分強登るとベンチのある 小ピークに達する。
ここら辺から自然林となり雰囲気もよくなる。ヤマボウシ、ドウタンツツジと思われる葉っぱが少し色づいている並 木道のような山道を一旦緩やかに下ってゆく。鞍部らしきところから5,6分登り返すと左側が開けた笹の原の斜面にでる。 富士山方向はガスって何も見えないが下に貯水池であろうか水面が光って見える。
晴れたら富士山が見えて気持ちがいいだろうなと思いながら、しばらく緩やかに登って行くと、 前面に東屋のあるピークが見えてくる。そして樹林帯をひと登りすると東屋と石仏のある展望台に達する。ここまで、1時間17分かかった。ダイヤモンド 富士を写すならここで十分なような気がする。
この東屋で一息つく。富士山方向はガスって何も見えない。眼下にはやはり池のようなものが3ケ所ほど光って点在している。先を見ると 竜ヶ岳の山頂の大きなピークの斜面が前面に立ちふさがり、ガスが時々流れてきては見え隠れする。
このピークの斜面がこのコースでは一番きつい。しかし、道は実にうまくZ字形に付けられている。 斜めの登りと平坦なトラバース道の組み合わせである。斜めに登って疲れた分を平坦なトラバース道で回復できるのである。 疎林の笹の原の斜面にZ字形山道が延々と45分も続く。そして、傾斜が緩むと思いがけず本楢湖への道が分岐し、 道標が立っている。どういう道か分からないが帰りはここを下って本楢湖湖畔車道に出ることにする (持参した昭文社「富士山」2001年度版には記載されていない)
分岐を見送ってガスに煙る笹の原の道を真っ直ぐ行く。そろそろ山頂かと思うが、なかなか山頂の道標が現われない。 そうこうしているうちに樹の茂る小ピークとなり、ブナなどの大木の立つ樹林帯を登る。そうすると、天は我を見捨てず、とでも 言おうか、驚いたことに日が差してきたのである。そして、樹林の道をくぐりぬけると、グランドのように大きく丸く笹が刈り払われた竜ケ岳山頂に到着した。
誰もいない静かな山頂である。ベンチに座って富士山方向を期待をもって眺める。入道雲が富士山を覆っている。 入道雲が移動して顔をみせてくれないかと、ジッとかたずを呑んで見守る。時々、すぐ下の方からガスが沸きあがってきて、 入道雲も何もかもベールで包み込む。そのガスが抜けた後、どう富士山が変化しているかジッと見つめる。また、ガスが流れてくる。また、抜ける。 そんな繰り返しを15分ほどして、やっと富士山頂直下の斜面が現われ、さらに7,8分して、とうとう富士山は上の写真のような姿になった。
今朝は3時ころ朝食をとった。 富士山を見れて、急に空腹を感じてきた。まだまだ、昼には早かったが、富士山を眺めながら、コンビニで調達したおにぎりを食べ、 至福の時を過ごす。

山頂より道標の立つ本楢湖分岐に戻って、本楢湖へ左に笹を掻き分けて下る。地図にないし、どういう道か少し不安で あったがよく整備されている。笹の原を緩やかに北東の方に下ると、やがて樹林帯に入り、ジグザグと下ってゆく。ブナやミズナラの巨木に近い大木が 好ましい間隔で立っている。東北の山のブナ林のように林立しているわけでないが、明るく、包み込まれるような森で、その森林の風景がすばらしい。
こんなところにこういう美しい森があるとは思わなかったので、得した気分になり感激しながら下る。そしてすぐ終わるのかと思ったところ、 途中から太さのそろったコナラの美林の林立に変わる。さらに湖畔近くなると、また、ミズナラ、ブナ、カツラの大木などが現われる。写真を写しながら であるが、このような雰囲気のよい樹林帯が1時間半くらい延々と続き、その広大な森には驚かされる。本楢湖湖畔車道に降り立つと、そこには「やまなしの森林100選 竜ヶ岳の広葉樹林」「本楢の森」 という案内板が立っていた。


(地図)
* 昭文社 山と高原地図 「富士山--御坂・愛鷹」2006年度版
 2006年度版には、竜ヶ岳山頂付近から本楢湖湖畔の「本楢の森」入口に下る山道は載っている。
この山道は湖の近くでT字路の山道に突きあたる。下には建物や道路が見え、それに向って下るのに、 ここは左に行く。10mも行くと、左に竜ヶ岳の道標が立ち、右に下る階段があるので、それを下る。そうすると林道に降り立つ。そこには「やまなしの森林100選 竜ヶ岳の広葉樹林」の 案内板が立っている。そしてすぐ左が湖畔の車道で、「本楢の森」の案内板が立っている。ここから右へ15分も行くと、今朝ほど 車を置いた本楢湖オートキャンプ場に着く。


(コースタイム)
自宅3:30==東名厚木IC==御殿場IC4:30==富士吉田IC5:07==精進湖5:25〜35==本楢湖・レークサイドオートキャンプ場付近5:45〜6:25== 本楢湖オートキャンプ場(P)6:45〜50--竜ヶ岳登山道入口7:03-- 小ピークベンチ7:40--石仏8:07〜16--本楢湖分岐8:57-- 竜ヶ岳9:08〜50--本楢湖分岐9:58--本楢湖湖畔車道11:28--本楢湖オートキャンプ場(P)11:43






小ピークの広場





並木道のような山道





石仏





帰り下った本楢湖分岐





ガスがたちこめる毛無山、雨ケ岳方面




帰る頃の竜ヶ岳からの富士山




下りコースの樹林1





下りコースの樹林2





下りコースの樹林3





下りコースの樹林4




下りコースの樹林5



















[CANON EOS Kiss DN /SIGMA 17-70mm DC MACRO にて撮影]