A.山歩き/2.山紀行/・・八子ケ峰


プール平から八子ケ峰
(蓼科大滝を経て)


南アルプスの山並み ヒュッテ アルビレオ付近から


プール平から蓼科大滝を経て八子ケ峰へ('10-09-10歩く)
以前、写真仲間から、蓼科の「おおたき」は原生林の苔もきれいでいいところだ、と聞いた。おおたき?横谷渓谷の王滝に違いないと思い、昨年、 姫木平を歩いたついでに王滝によってみた。原生林?、ない。他に「おおたき」があるだろうかとNETで調べ、親湯近くの大滝であることを知った。
ようやく、孫相手で暇がなかった一ヶ月余の山歩きのブランクから開放されて、気になっていた涼しそうな大滝に行って見ることにした。大滝だけではもった いないので、八子ケ峰にも登ってみた。親湯から信濃路自然歩道を登って東峰まで行き、すずらん峠から信玄棒道を下ってくる周回コースを歩いた。

山に登るのに何回となく通っているプール平、初めてプール平に車を停める。 今はシーズンオフ、大きな無料駐車場は閑散としている。身支度して、郵便局の角を右に曲がり、道標 「八子ケ峰・大滝」にしたがって 別荘地を道なりに行くと、見えぬ渓谷の瀬音を聞きながら雑木林を下ってゆくようになる。やがて下に記す遊歩道マップの立つ分岐に至る。
左後ろへの道を見送ってまっすぐ行くと、 道にはツリフネソウとか野菊が咲き、左に渓流に降りる道もある。行って見ると渓流に橋が架かっており、橋の上から渓流を写す。元に戻り先に進むと、 サワラであろうか古木の原生林が現れ、苔むし、富士山の青木ケ原のような感じである。
写真を写しながら行くと、やがて大滝・親湯分岐となる。 左に少し行くと東屋の立つ大滝で、台風の影響か水量が多く、豪快な滝である。朝日の木洩れ日が差し込み、光芒も見られ美しい。
元に戻り、親湯へと原生林を行く。木洩れ日がシダや苔に差込み美しい。左下に渓谷が見えなくなると、コナラなどの自然林の道に変わり急登する。 やがて親湯への車道に出る。大滝原生林、こんなまじかなところに、こんな良いところであるとは、驚きであった。新緑や紅葉の頃などはすばらしいと思う。

親湯の前の渓流の上流側の橋を渡って、左斜め上に登り、次に右斜めに折り返し進むと、道標の立つ分岐となる。真っ直ぐが竜源橋蓼科山方面、左上が信濃路自然遊歩道とある。 帰りはこの真っ直ぐの道を戻ってくる予定で、ここは左上に登る。
すぐ左から左千夫歌碑からの道が合わせ車道に出る。正面に立つ八子ケ峰方面の道標にしたがって、車道を右に進む。 すぐ、竜源橋方面への山道が右に分かれている(これが地図の道のようだ)。これを見送って車道を道なりに登って行く。そうすると信濃路自然遊歩道の道標が立ち、白樺湖・八子ケ峰方面の道が右の唐松林へと入って行っている。 ここから、いよいよ山登りと思っていたら、信濃路自然遊歩道道標から10分程登ると、思いがけず別荘の立つ車道の舗装の終点に躍り出る。
ここは八子ケ峰の案内板にしたがって右の山道に入り、ジグザクと尾根へと上に登って行く。 ようやく山と高原地図「八ケ岳」の信濃路自然遊歩道の尾根道に乗ったようである。コナラやミズナラの自然林の道を登って行く。先ほどの車道から30分ほど登ると、勾配も緩み、尾根がはっきりしてくる。やがて岩の多い狭い尾根道となり、初めて 右側が一箇所開け、八ケ岳の山並みが展望される。そして、また尾根が広くなり、急登すると林間の大岩に到着する。この辺より樹林の天井が開けてきて、草原の痕跡のある 道を行く。そして唐松林を登ると1810mの東急トレイルの分岐に到る。
森を抜けると正面に蓼科山、右に八ケ岳の山並みを見ながら行く。草原の花はどうだろうと、探していくが、ヤマラッキョウが少しと、もう終わりかけたアキノキリンソウ が少し見かける程度である。ススキもなんとなく元気がない。今年は猛暑のせいか、花も不作であったろうか。折角来たのですずらん峠への道を見送って、ヒュッテ アルビレオを経て八子ケ峰東峰に向う。左を見ると、ススキの原の向こうに 南アルプスの山並みが青く連なり、秋の雰囲気を漂わせている。東峰まで行っても弁当を広げるような見晴らしの良いところはない。 一旦、ヒュッテまで戻り、昼食とする。まわりを見ると、ドライフラワーの花々の中にタムラソウが僅かに残り、アゲハチョウなどが最後の密を求めて舞っている。 そろそろ里に下るだろうアキアカネもドライフラワーの上を戯れ遊んでいる。
すずらん峠へ下る道は大分荒れていて、 新しい道ができていた。192号線が見えだすと勾配も緩み、真っ直ぐと右への道の分岐となる。そこに案内版が立つが全く要領得ない。右に行くのが信玄棒道のように見えるが、 それを示す道標がないので、少し右に行って踏み跡を辿って女神茶屋に降りてみた。そうしたところ、茶屋の広場の南西に信玄棒道の標識が立っていた。先ほどの上の道も信玄棒道のようなことを記しているが 案内していないので、この道を下ってゆく。
石のゴロゴロした少しジメジメしたような薄暗い自然林の道を下る。7分ほど下ると小さな沢にかかる木板の橋を渡る。この辺りから、平坦な道となり、コナラなどの自然林が美しくなる。今までの道が考えられないほどの美林の道である。新緑、紅葉の時はすばらしいと思う。道は林道のように広くなり、ルンルン気分で下る。
やがて、稲妻型に折返しながら下ると、竜源橋からの林道と合わさり、道標にしたがって右に行く。ここからはカラマツ林となる。間伐されていて明るくなかなかいい雰囲気のカラマツ林である。 林床に野菊やトリカブトなど咲いていても良さそうであるが、余り見られないのが玉に傷である。
20分ほどのんびりと下ると、さらに広い林道に出る。ここは右にゆき すぐ蓼科湖方面へ左の林道に入ってゆく。しばらく行くと、カラマツ林から自然林へと変わり、道も山道のように狭くなる。 もうそろそろ今朝ほどの分岐に着くはず、こんんなに長いはずがない、などと思いながら行くと、見覚えのある竜源橋・信濃路自然遊歩道分岐に着いた。 親湯の橋で渓流を写した後、舗装道路を行く。蓼科大滝遊歩道を右下に見送り、そのまま舗装道路を行くとビーナスラインの親湯入口であった。右に少し行くとプール平で、久しぶりの山歩きを無事終えた。


( マップ・ガイド )
・昭文社 山と高原地図 「八ケ岳 2008年度版」
大滝遊歩道マップ

(特記事項)
・親湯上の山道は地図より増えていて、交錯していますが、行く先々の地名を頭に入れて道標を確認してゆくと
 間違いないです。
・このコースは八子ケ峰の花の多い梅雨明から8月中旬が良いと思う。コースの殆どは森で、しかも滝があり
 8月でも涼しいと思う。

(コースタイム)
自宅4:50==相模湖IC==小淵沢IC==プール平駐車場(P)8:13〜22--原生林始まり8:40--大滝8:50〜58 --車道9:08--親湯裏の橋9:19--竜源橋・信濃路自然遊歩道分岐9:30--車道9:32--信濃路自然遊歩道入口9:37--車道舗装終点9:49-- 八ケ岳展望点10:30--東急トレイル分岐11:03--すずらん峠分岐11:24--東峰11:43〜51--ヒュッテアルビレオ11:59〜12:16--女神茶屋(棒道入口)12:45--竜源橋林道との合流点13:15--林道合流点13:38 --竜源橋・信濃路自然遊歩道分岐13:58--親湯14:11--プール平駐車場(P)14:23



渓流の道のツリフネソウ




滝ノ湯川渓流




サワラの古木





大滝






林床のシダ





展望台から八ケ岳





コナシなどが少し紅葉していた





コナラの美林




カラマツ林の美林




親湯の前の渓流


Canon EOS kissX / SIGMA DC 18-125mm OS HSM にて撮影