A.山歩き/2.山紀行/・・越後湯沢・大峰
越後湯沢・大峰



ー谷川連峰の展望、ブナの美林、渓谷なかなかいいコースであったー

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大峰から清津川トレッキングコースを歩く(04-10-16歩く)
大峰は越後湯沢の裏山の「雲の上の花公園・アルプの里」のピークである。アルプの里には約1000種もの花が咲く高山植物園があり、 毎年、春から夏にかけて写真家秋山正太郎記念フラワーコンテストが開催されている。それには間に合わなかったがブナ林があると 聞いて、少しは色づき始めたのではないかと思いでかけてみた。ついでにアルプの里から清津川沿いのトレッキングコースまで足を のばし、八木沢からタクシーで越後湯沢に戻ってきた。

いつものように4時頃自宅を出発して、東名、環八、関越練馬ICを経て越後湯沢ICを目指す。赤城ICあたりに来ると上越の山々の頂が 白くなっている。一瞬、朝日が当たったせいかと思ったが、初冠雪であった。赤城高原SAで休憩のため 車の外に出ると、今年の夏の暑さですっかり忘れかけていた冷気に急に襲われ、おもわずブルっと震えてしまった。
SAで朝食を済まし、関越トンネルに向かう。 久しぶりに見る冠雪の谷川岳がだんだん大きくなってくる。いつまでも見ていたい気持ちであるが、やがて近景にすりかわりトンネルに入る。関越トンネルは「トンネルを抜けると雪国だった」 のイメージがあり、通るたびにときめきを感じる。 今回は初冠雪もあったし雪国のどんよりした寒々しい風景だろうか、それとも紅葉の山々が迎えてくれるだろうか、と想う。 しかし、トンネルを抜けた土樽は、色づいた木は少しはあるものの、ほとんどまだ青々とし、空には青空があり、トンネルの手前と変らぬ風景であった。
越後湯沢ICを降りてアルプの里ロープウエイ駅に向かう。5,6分でロープウエイの駐車場に着く。駐車場にはお客の車らしいものは一台もなく閑散としている。 この分だと始発の乗客は我々だけかと思ったが、始発時間になって近くのホテルに泊まっていたお客であろうか団体さんが乗ってきて、ロープウエイの乗車率もまあまあである。5分くらい乗ると 山頂駅に着く。
団体さんはシャトルバスに乗って高山植物園の方に向かうようだが、我々は山に来た以上ピークを踏まないと落着かない人種、左のピーク大峰へ 車道を登って行く。大峰には車道を道なりに行く巻き道と途中からスキー場の滑降コースを直登するショートカットコースの二つがある。 今回はロープウエイで登ったし、全体的にみるともう下るだけであるので、急な後者を選んで一汗流すことにする。
高度を稼ぐにしたがって、新雪を頂いた朝日岳から巻機山に至る峰々がせり上がって来る。また、三方山に囲まれ唯一の開放された六日町方面を見るとだ んだんと雲が切れながら青空がこちらに向かってくる。時々、あえぎあえぎ登っては足を止めては景色に見とれ、写真を写す。 ロープウエイ駅から約45分くらい登ると先ほどの車道が回りこんできている山頂に着く。少し先に展望台が建っていたので、登ってみることにする。
目の前には雪を頂いた谷川連山の峰々が横たわり、眼下には越後湯沢の町並みが眺望されるすばらしい展望である。 後ろを見ると山頂付近のハゼやウルシ、ブナなどが色づき始めている。ここから栄太郎峠へ緩やかに林道を下ってゆく。林道の両脇の色付き始めた ブナの林立が美しい。足元には野菊、ハハコグサ、リンドウなどの花も咲き、和ませてくれる。そして、時々ススキの群生が現われ、秋の風情を漂わせている。 また、今まで見れなかった西側の苗場山の手前のスキー場や、これから下る八木沢あたりの集落も眼下に見えたりする。
約45分ほど歩くと栄太郎峠入口の標識があり、林道と平行した山道に入る。ここには熊出没注意の看板があってドキっとさせられる。 改めて鈴の鳴るのを確認して歩き出す。少し行くと熊のこともすっかり忘れるほどすばらしいブナの若木の林立する森に下っていく。 標識はないがこの下るところが栄太郎峠とのことである。
このブナの若木の林立する森は麗人の森と呼ばれている。今までブナ林を見ているがこのように太さもそろいに そろって少し幹を曲げて林立しているのは見たことがない。若いために苔も少なくその木肌は白く艶かしく、葉っぱは芽吹いたばかりの 若葉のように淡く黄緑に黄葉し、その林立する姿は本当に美しい。写真を写し写しし、ため息をつきながら惜しみながら下った。
この森を過ぎると沢沿いの道となり、 サワグルミなど広葉樹の木が見られるようになる。峠から約40分ほど下ると下の略図のブナ姫であろうかたて皺のある太いブナの木 が現われ、それが合図かのように今度はブナ林を下ってゆくようになる。このブナ林は麗人の森と違って年輪を感じさせる幹に苔を付けたブナである。 見事な大木が混じるこのブナの道が清津川まで続き、大きなトチの木が出てくると、清津川遊歩道八木沢〜鹿飛橋間の鹿飛橋寄りの地点に合流する。 そのまま左折して八木沢の方に行ってもよいが、まだ12:00で時間があるので、鹿飛橋よりさらにさらに下流にあるという景勝地・清津峡の兆しが見ら れるかもしれないと思い、右折して鹿飛橋まで行ってみることにする。
ここからは清津川沿いの道を行く。木の間から清津川の清流のコバルトブルーが垣間見え、下流に行くにしたがって川の両岸は岩壁が切り立ち、 渓谷の様相となり、流れは岩に砕け白く泡立ち激流となって流れている。 川沿いの道が崩壊し、一山越えるように迂回してゆくとやがて鹿飛橋に到着する。遊歩道はここまでで、これより本格的な山道、立ち入りは危険とある。 橋から眼下に見える渓谷は紅葉にはまだ早かったが見事である。
ここで昼食をとりながら休んだ後、もと来た道を引き返し八木沢へ向かう。30分弱歩くと先ほど栄太郎峠から下ってきた道との合流点 に着く。そこを川沿いにまっすぐ行く。もうすばらしい渓谷もブナ林も見たし、八木沢まで1時間30分ほどのアルバイトをひたすらこなすだけと思い、 黙々と歩き出す。
ところが、まだ見どころが残っていたのである。栄太郎峠登り口の合流点から10分ほど歩いて行くと 、突然、ブナの森が現われたのである。高い高いブナの木々が天井を覆い、いつまでもいつまでも 包み込まれていたいような安らぎを感じるドーム状の空間である。その後も、規模は少し小さくなるが、 そのような感じのブナの森が清津川の清流やコバルトブルーと交錯しながら現われる。本当に清津川の自然の懐の深さには感心する。
やがてブナに混じってトチの木の大木が目立つようになって、色づき始めたツタウルシなどが出てくると、道は清津川から離れ、 このコースではじめての杉林の道になる。杉林の中の滑りやすい木道を何箇所か通過すると、ひょこりと熊の絵の看板が出てきて、八木沢バス停との分岐点に到着する。
バス停へは山道を真っ直ぐ行く。畑と民家の間を通り抜け、大きな通りにで、それを左折するとまもなく国道17号線が見えてくる。 そして国道に出て左折するとすぐ休憩所のあるバス停となる。生憎、着いた時間帯はバスのない時間であったので、携帯電話でタクシーを呼び、アルプの 里の駐車場へと戻った。驚いたことに、今朝、あれほど閑散としていた駐車場は満車に近い状態であった。結構人気があるようである。なお、タクシーの料金は小型で2300円 ほどであった。

(エピローグ)
この後、この日の宿の長野県の栄村のトマトの国に向かった。国道17号線を石打の方に行き、石打駅の手前で353号線に左折して入る。 途中、清津峡の看板も出てくる。先ほど歩いた清津川はここまで流れ来て353号線と平行して流れている。見物するのは次の紅葉の時の楽しみに とっておくとして津南に向かう。しばらく行くと117号線にぶつかり、それを左折すると津南であった。翌日、秋山郷から雑魚川 林道を通ってカヤの平の八剣山に登る予定である。明日のために秋山郷への交差点を確認して真っ直ぐ行く。この交差点から 約10kmほど行くと、さかえクラブ・トマトの国の看板が出てくる。右折して山のほうに上がってゆくと小高いところにポッンと トマトの国があった。翌日は朝食におにぎりを作ってもらって5:45ころ出発した。下の写真は翌朝宿を出て117号線に出る途中写したものである。



  • (コースタイム)
    自宅3:50==練馬IC5:15==赤城高原SA6:30〜7:03==越後湯沢IC7:44==アルプの里ロープウエイ(P)7:50〜8:40==アルプの里山頂駅8:50 --大峰山頂9:35〜45--栄太郎峠入口10:33--清津川鹿飛橋分岐(栄太郎登り口)12:00--鹿飛橋12:30〜50--清津川鹿飛橋分岐(栄太郎登り口)13:17 --八木沢バス停14:50
    ----- 合計: 休みや写真撮影も入れて6時間 ------
  • (地図)
    ・1/25000 地形図 越後湯沢


    この略図は下記のHPからコピーしたものです
  • (アルプの里ホームページ)
       雲の上の花公園・アルプの里 (ロープウエイ、バス時刻表など載っています)