A.山歩き/2.山紀行/・・早戸大滝


丹沢・早戸大滝



早戸大滝

早戸大滝('08-11-17 歩く)
毎年、宮ケ瀬湖の上流の早戸川の秋を写しに行っている。今年も行くことにする。今回は前日に雨が降っているので、 葉っぱが濡れているうちにと思って、日の出前に自宅を出発した。 丁度宮ケ瀬湖の北岸の林道を走っていたところ、朝日が山の稜線から顔を出し、朝靄が対岸を漂っている。光と靄の幻想的なドラマである。 これはラッキーと、早速、開けたところからしばらく撮影を楽しむ。
この後、早戸川林道の撮影ポイントを探しながら車を走らせた。 最初にいい景色を見てしまったせいか、どうも紅葉がいまいちパッとしない。 そうこうしているうちに、とうとう林道終点の魚止橋まで来てしまった。このまま、帰るのももったいない。いつかは写して見たいと思っていた早戸大滝まで 歩いて行ってみることにする。
早戸大滝は昭文社の地図では点線になっていて一般向きでないということになっている。 以前、インターネットで丸太橋が流されていたという記事も見た。その時は引き返せばいいと気楽な気持で行く。

魚止橋からヘヤピンカープの林道を緩やかに上って行く。途中、魚止橋が左下に見え、近くの木に白いテープが巻かれている。よく見ると 魚止橋ヘのショートカットの道であった。帰りはここを下ることとする。さらに落ち葉の道を進むと「林道早戸川線」という看板と古い早戸大滝の案内板のある林道終点(厳密には終点はもっと先)となる。そこを右上へ登ってゆく。 少し行くと左側に沢が近づいくる。対岸に渡り、少し沢沿いに登って行くと手製の「オオタキ→」というプレートが下がっていて、それにしたがって左の尾根に取り付く。
尾根を10分弱急登すると平坦になり、そして右に緩やかに下ってゆくと間もなく造林小屋が見えて来る。こんなところにどうやって 建築材を持ち込んで建てただろうと不思議に思う。その横を通って 左に回りこむと早戸川をはるか下に見ながらのトラバース道になる。3箇所ほど桟道を渡る。やがてチョとしたトラロープの付いた岩場を 巻いて行く。そこからさらにトラロープの付いた急坂を下ると早戸川の河原に降り立つ。
そこにはNo1丸太橋があった。昨日雨が降ったし、古いぬるぬるした板や丸太は滑るので要注意と思ってきたが、 最近補修したようで、所々新しい板が打つ付けられていて滑らないので安心して渡る。右岸に渡り早戸川沿いの山道を行くと、今度は 岩壁をトラロープにつかまりながら横ばいするところとなる。ここも最近補修されたのだろうか、岩に打ち付けられたアイボルトにしっかりとトラロープが張られている。 安心して腕力頼りで通過する。
No1丸太橋から20分も行くと、No2丸太橋が現れる。ここも補修されていて安心して今度は左岸に渡る。 ここから、河原などしばらく行くと、左大滝、右雷滝の手製のプーレートが下がっているところに至る。ここが雷平である。 ここで早戸川は二股に分かれ、大滝へは左俣の方へ行かねばならない。左の河原に降りるとまた丸太橋が見える。これをわたって中州に行き、さらに早戸川沿いに行くと、また 丸太橋となり、山道は右岸へと変わる。
ここからは河原を行くことになるが、道は判然としない。周囲や先にあるテープを探しながら 進んでゆく。それに河原を行くと流れ近づいてきて行く手を阻み、対岸に徒渉しなければならないところが何箇所も出てくる。浅瀬や石がうまく 配列されているといいが、そううまくはいかない。アチコチ、渡り易いようなところを探しながら渡るが、石がうまい具合に配列されていても 黒くぬるぬるした苔の付いた石は滑るので要注意で、また別を探すというぐあいである。そんなことに注意しながら行くと、雷平から30分とあったが、倍の1時間ほど掛かった。
右岸を行き、左に山が迫ってきて小滝のある流れの下を渡ると、テープは大分上の思わぬ右斜面の木に飛んでいる。そこに上がり、右に緩やかに回りこむと、手製のプレートがあり、左大滝とある。 左に枝沢があり、その上流に早戸大滝があるらしい。本流を渡り、枝沢目指して行くが、荒れていて、木の根や枝につかまりながら登るとようやく枝沢が見えてくる。さらに登ると待望の早戸大滝が見える。 手前に小滝が二つほどあり、その奥が早戸大滝の本滝であった。しかし、途中と滝つぼは岩に隠れて見えないのが残念であった。
しばらく写真を写して楽しむ。確かここから本間の頭から丹沢山に至る尾根に登るルートがあったと思って探してみると、左に木の根が露出したトラロープの下がっている道が あった。事前に調べると良かったが、急な方針変更で来た早戸大滝、実はそのトラロープを上がると滝つぼに降りるルートのあることが家に帰ってきてから分かった。 残念であるが仕方ない。またの機会にしたいと思う。
戻りは一度通った道、ほとんど気楽にいけるが、徒渉場所の河原は同じような風景で定かでないところもあり、また、探す羽目になる。 さらに、登りのとき石を下の方に跳んで渡ったところは帰りは上に跳んで移らねばならない。これは無理と、一箇所、靴と靴下を脱いで裸足で渡った。もう、山は冬、切れるように水は冷たく、 忘れられない思い出になった。
行きは気の休まる暇もなかったので、ほとんど周りの紅葉に目を向けなかったが、帰りは余裕もできて、 周りの紅葉を見ながら下る。柔らかい光の加減であろうか、山肌には優しい淡い色合いの紅葉が続く。まるで、登りの緊張をほぐし癒してくれるかのようであった。

( マップ )
・昭文社 山と高原地図「丹沢」

( 特記事項 )
ここは丸太橋が流されているとも限らないし、また水量が多いと他でも徒渉を強いられるので、渡渉用のブーツを持っていくか、裸足で徒渉する覚悟が必要と思った。

(コースタイム)
魚止橋(P)8:06--林道終点8:33 --造林小屋8:57--丸太橋(No1)9:23--雷平9:57--早戸大滝10:52〜11:05--雷平12:07--丸太橋(No1)12:40--造林小屋13:03--林道終点13:23 --魚留橋13:44



1.幻想の宮が瀬湖




2.朧月と朧黄葉、宮が瀬湖北岸林道にて




3.魚止橋下の小滝




4.魚止橋付近の紅葉(帰り写す)




5.早戸川林道終点付近の紅葉(帰り写す)




6.落ち葉の桟道




7.No1丸太橋(帰り写す)




8.No2丸太橋(帰り写す)




9.雷平の手製プレート




10.早戸大滝下部の小滝


EOS KissDN・EF-S55-250mm IS ( 写真No.1と2 ) / LUMIX DMC-LX3 にて撮影

( END )