A.山歩き/2.山紀行/・・大石峠

御坂・大石峠




ーニッコウキスゲやアヤメ、ギボウシの咲く富士山展望の峠ー

大石峠(05-07-02歩く)
入梅時、いつ晴れるかわからない。たまたま、この日は昼は雨が上がるとの予報であった。そして、午後から富士山麓で 植物観察クラブの野草などの撮影会であった。久々の梅雨の中休み、午前中だけでももったいない。 どこへ行こうか思案して、丁度この頃、アヤメとニッコウキスゲの咲く大石峠に登ってみることにした。
昭文社の山と高原地図「富士・富士五湖」にある 河口湖オートキヤンプ場まで車で上がれば大石峠まで往復しても撮影会には十分間に合うはずと予測して、自宅を6:00に出発する。
相模川の橋は富士山展望の場所である。 まさか今日は富士山は見えないだろうと思っていたところ、意外や意外、白い曇り空にシルエットでクッキリと見える。東名の 大井松田付近でも見える。しかし、足柄SAあたりではガスって来ていた。駄目かなと思ったが、富士五湖道路の篭坂トンネルをぬけると、 またもや、富士山バッチリであった。河口湖大橋を渡って左折すると道路に大石公園のハーブ祭りののぼりが立っている。
ラベンダーを前景にした富士山の写真、この機会を逃す手はないと、大石公園に寄ってみる。さすがに梅雨時、カメラマンは少なく、4,5人 程度である。約10分ほどラベンダー畑を廻りながら富士山を写す。
こんな光景に出会えると思わなかったので、もう大満足な気分で 大石プチペンション村の方に向かう。ペンション村の入口の十字路にきたところ、道路誘導係員が立っていて、この先は工事中に付き 進入禁止とのこと。右に臨時駐車場があって、そこに車を置いて歩いてゆくことにする。大体往復1時間のロスである。
何の工事かと思ったら、甲府へ抜ける大石峠の下のトンネル工事(若彦トンネル2615m)であった。H19年の三月十五日まで交通止めとのことである。 甲府に抜ける道は精進湖、三つ峠登山口付近と二箇所もあるのにまだ必要らしい。ダンプの通る埃っぽい舗装道路を緩やかに15分ほど 登ると迂回路と称して歩道がトンネルの入口の上を迂回して林道に降りる。さらに10分弱行くと大石峠入口の道標が立ち、右に分岐した林道を登って行く。 オートキャンプ場というのを目印に登って来たが今はないようで、道標が目印である。
2度ほどヘヤーピンカーブを過ぎると山道が右の植林帯に入ってゆく。何にも展望はきかない。杉の植林帯を我慢して黙々 と登る。時々鶏足ショウマ、オダマキ、フタリシズカの花が咲き、慰めてくれる。大石峠入口から1時間ほど登ると、杉林に一本の黒木の 古木が現われる。まるで神木のようである。上の稜線らしきところが樹間に見えるような気がするが、道はジグザグを繰り返し、 なかなかはかどらない。神木から15分ほど登ると、樹間に富士山が見え、少し開けた道の脇にはニッコウキスゲが咲き、 そろそろ峠も近いのかなと思う。
ところが、それから結構ある。もうそろそろと思うがまた折り返す。20分ほどジグザク を繰り返すと、ようやくキスゲ咲く草原が目の前に出てきて、歓声を上げながら峠に出る。4人ほどの先客がいて、こちらの歓声に驚いたような様子で 笑っている。振り返るとニッコウキスゲの向こうに富士山が雲を左にたなびかせながら横たわっている。すばらしい風景である。 梅雨の時期、このようにクッキリと富士山が見えることは少ないし、それに梅雨の時期に咲くニッコウキスゲもまた お目にかかりにくい。感激ひとしおである。
ガイドでは新道峠方面がアヤメが濃い、とある。しかし、アヤメは盛りを過ぎてチラホラで、ニッコウキスゲが花盛りである。 時間の許す限り、新道峠の方に行ってみることにする。ところどころ開けて峠よりニッコウキスゲが群生しているところもある。 写真を写し写しし、15分ほど登ったところで、バックする。また峠に戻って改めて富士山を眺め直し、惜しみながら大石へと下った。


(コースタイム)
自宅5:55==東名厚木IC・御殿場IC・富士五湖有料道路==大石公園7:50〜8:00==大石プチペンション村入口(P)8:10〜15−大石峠入口 8:42−神木9:45−富士山とキスゲ現る10:00−大石峠10:20〜50−大石プチペンション村入口(P)12:10

(地図)
・昭文社 山と高原地図 「富士・富士五湖」



大石公園のラベンダーと富士山