A.山歩き/2.山紀行/・・大平山


ヒオウギ咲く高指山と大平山


山中湖寸描


ヒオウギ咲く高指山と大平山 ('07-08-04)
腰痛(坐骨神経痛)が治りかけてのリハビリ山行の8/1の箱根三国山に続く第二弾である。今回は近場の山中湖周りの山とした。 低山の夏の花を見たいと思い調べてみた。そうしたところ 高指山で八月にはヒオウギの観察会があるという、それなら登ってみればどこかで出会えるだろうと行ってみることにする。 昨年の1/9に歩いた時に下山に利用した富士岬平から高指山往復を計画する。それだけでは物足りないと思って、山を再開した 20年余前に歩いたことのある大平山を山中湖湖畔に車を置いて周回してみることとした。
高指山
平野から道志道を約2kmほど行くと、右手に静香荘グランドの看板がある。 そこに右手に入る道があるので入って行き、突き当たったら左へ別荘地の道を行く。後は、上へ、上へとUターン しながら最高地点まで行く。
昨年通ったとき富士山がよく見え、富士山撮影のいいスポットと思っていた。世の中考えること同じである。 車が3台ほど駐車し、三脚を立てている。傘雲がかかるのを待っているとのことである。この日は台風が日本海を北上した日であった。 富士山のかさ雲は日本海に低気圧が発生した時できると言われている。しかし、残念ながらかさ雲がかかるような雰囲気でない。
車を路肩に置いて、送電線鉄塔260番巡視路を示す黄色い標識の立つ二十段位の石段を上って行く。上りきるとカヤトの中の道を行く。 少し行くと上に見える富士岬平のピークに向って真っ直ぐに登る。ヒオウギがないものかと探しながら行く。右手一箇所に2本ほどつぼみをつけた ヒオウギがあった。幸先いいなぁ〜、と思ってゆくがピークまで後は何もなかった。上がるにしたがって夏の蒼い富士山が薄っすらと見える。 これを背景にヒオウギを写したいものだと思いながら15分ほど登ると富士岬平につく。
富士岬平から右に下る。左側のブナなどの混じる自然林 を写しながら下るとやがて鞍部につき、さらに自然林の山道を登り返すと見覚えのある高指山に着く。ヒオウギ咲く山頂の草地の向こうに浮かぶ富士山の絶景 を期待したが、ヒオウギは見あたらない。一瞬がっかりしたが、気を取り直して探してみた。ありました、少し花には早かったが下の写真のように咲いていた。 富士山をバックに写真を写し、大満足でもと来た道を戻り、ヒオウギ咲く高指山のフォトハイキングを終えた。
大平山
2003年8月初旬に忍野の高座山に登った。夏の花が花盛りであった。そんなことを期待して大平山を選んだ。周回の拠点を山中湖湖畔の長池駐車場とした。 車を置いて東の方へ湖畔のサイクリング道路を行く。湖北の大平山入口はサイクリング道路と周回道路との段差が大きくなり離れだしたあたりであった。 昭文社の山と高原地図「富士山」には案内板があると書いてある。大きな案内板と思っていたところ、「大平山ハイキングコース」と保養所や別荘名 と一緒に書かれた案内板で、よく気をつけないと見落としそうなものであった。
登山口も無事見つかり、しばらく別荘地の舗装道を行く。やがて 「大平山ハイキングコース」の道標が立つ山道が左の雑木林に入って行っている。ジメジメした薄暗い林の道である。熊出没注意の看板がある。 山中湖では熊は出ないと思ったので鈴を持ってこなかった。連れと大声で話しながらゆく。そのうち杉の植林地に変わり、そしてサワグルミの高い木とともに 自然林となるが、直ぐまた杉の植林地の急登となる。そして思いがけず林道に出る。真っ直ぐ突っ切て行く急登の道もあって近道とあるが、右に林道を行く。
林道には車が通った跡がある。山頂について分かったことだがパラグライダーの車の轍であった。5分も行くと林から抜けてヘヤピンカーブを描きながら林道は 上って行く。林道の両側の草地にはシシウド、ホタルブクロ、カワラナデシコ、ヒヨドリバナ、チドリサシなどが咲いている。やがて 前面が開けてきて、平尾山から大平山に至る稜線が見えてくる。林道の湿った赤い土に真夏の太陽が照りつけ、サウナ風呂のような熱気が時々襲いかかって来て 息切れしそうになる。しかし、時々思い出したように吹き抜ける爽やかな風に救われる。
やがて林道は大平山山頂の右斜面を稲妻型に登って行く。 大平山の右肩はパラグライダーの発着地点になっていいるようで、車が二台と人が2,3人見える。上がるにしたがって眼下にはシシウドの 群生する草原の彼方に山中湖が望まれるが、残念ながら富士山は霞んで見えない。くぼ地の道では息切れのするような熱気が襲い、 展望の良い道では風が吹き抜ける。これを繰り返しようやく大平山山頂に到着する。もう山頂は秋の気配、萩が咲いている。
山頂でゆっくりと休んだ後にマウント富士ホテルの方へ稜線沿いに下る。20年余前歩いたのはマウント富士ホテルから大平山山頂往復である。 あの時は大平山の斜面は草原が広がりギボウシなどの花が斜面一杯に咲いていた。木々が大きくなったのか、潅木のトンネルや潅木に囲まれた山道で全く見通しがきかない。 チラッと見える斜面も草原という感じでない。予想外の展開にただただ黙々と下る。たまにタマアジサイ、草原のお花畑の名残のカワラナデシコ、ユウスゲ、チダケサシが 山道脇に見られる。もう長池山まで来ると熊が出没する森林帯、やがて別荘が見えてくるとまもなく舗装道路に出る。
もう昼であるが、照り返しのきつい舗装道路では昼食を取る気にもならない。車まで戻ってどこかで冷たいざる蕎麦でも食べることにする。マウント富士ホテルの入口 付近を過ぎると森の中の道となり、山中湖から吹あげてくる風が心地よい。湖畔の大出山入口について左に長池駐車場までサイクリングロードを戻る。近いと思ったら1.3km もあり、20分ほどの道を退屈しのぎに写真を写しながら行く。長池駐車場は二箇所あり、我々が車を置いたところは平野寄りのものであった。暑かった、暑かった、 蕎麦屋さんではお冷を4杯もお代わりした。
夏の大平山、期待して登ってみたがいまいちであった。大平山に登るなら平野--(石割山)--平尾山--大平山--湖北--平野がいいような気がする。


(地図)と
・ 昭文社 山と高原地図 「富士山」

(コースタイム)
別荘地(P)8:05--富士岬平8:19--高指山8:36〜58--別荘地(P)9:31
長池(P)9:56--湖北・大平山ハイキングコース入口10:07--登山道入口10:16--林道10:39 --大平山山頂11:18〜32--長池山12:15--舗装道路12:31--湖畔大出山入口13:00--長池(P)13:21





高指山からの富士山





ヒオウギ





大平山へのホタルブクロ咲く林道





大平山のパラグライダー発着地点付近から望む





[Canon EOS kiss DN/SIGMA 17-70mm DC ]