A.山歩き/2.山紀行/・・奥沼津アルプス


奥沼津アルプス



小鷲頭山山頂にて

日守山〜大平山〜鷲頭山〜小鷲頭山〜志下峠〜御前帰('08-12-29 歩く)
伊豆の山に行くとき良く通る伊豆中央道。その入口が函南町の日守山と江間トンネル。以前、この日守山から沼津アルプスを 歩いたという記事を読んだことがある。一度歩いてみたいものだと思っていたが、マイカー登山としては不便そうなのでためらっていた。 ところが、あるクラブの友人が日守山公園に車を置いて周回したことを知り、友人の記録を参考にして歩いてみた。

比較的近場なので遅く出てもよかったが、入院したり、法事があったりで久しぶりの山歩きのせいか早く目が覚めて、5時過ぎには 出発した。そのおかげで、丁度日守山公園の駐車場に着いたところ、富士山に朝日が当たりピンクに染りだした。眼下に広がる函南や沼津の町並、 蛇行して光る狩野川、その向こうに浮かぶピンクの富士山などを眺めながら日守山へ登ってゆく。日守山は桜が多く、見晴らしも良く、桜の咲く頃は なかなか良さそうなところである。山頂広場は擬木の柵で囲まれている。南端の柵の切れ目の隙間から、奥沼津アルプスの山道が始まる。 そこには、手製の字が消えかけたプレートがあるので、それが目印である。
杉や照葉常緑樹の雑木の斜面を急降下してゆく。地図にない ルートなので道は先々どうだろうかと思うが、滑り易そうなところにはトラロープがあり結構整備されている。このぶんなら心配いらないなぁと思いながら 10分も下ると石切り場のような鞍部に着く。その後、少し登って尾根に出て、小さなアップダウンを二回ほど繰り返した後大きく登り返すと左側が開ける。しばらく爽快な気分で尾根を行く。
ここら辺から雑木林も太い照葉常緑樹が多くなり、雰囲気は良くなる。さらに尾根を進み地形図の219m のあたりに来ると大平山が手前のピーク越しに見えてくる。そして緩やかに下り登り返すと、大岩があり、初めて道標の立つ分岐に達する。 ここは地形図の新城へ伸びている郡・市界線のある尾根の基点200mピークである。
ここから大平山手前の鞍部までが奥沼津アルプスのクライマックスである。 進路を左斜めに変え、やや痩せた岩の多い尾根を5分も登ると、木の幹にペンキで「山口へ下る」という分岐がある。ここは地形図の 山口に伸びている尾根の基点である。
さらに行くと大岩に突き当たり、見晴らしのいいところとなる。 山道は大岩を巻いて右下へアルミの梯子で一旦下に降り、大岩を左に見上げながらトラロープの道をトラバースし、そして尾根に戻る。 少し行くとまた大岩が道をふさぎ、大岩の右を巻いてトラロープでまた尾根に戻る。この辺は樹木もウバメカシであろうか、美林である。 岩石も特徴的で、堆積岩というのであろうか、こぶしくらいの石がゴツゴツと飛び出た大岩がいたるところにある。
大岩とウバメガシの間を縫うように登って行くと、開けた大岩の上に出る。目の前には大平山が迫って見える。少し下ると分岐となり、 右下の山道脇の木の幹に「山口前バス停方面」の手製の標識が打ちつけけられている。ここからすっきりした富士山が見える。大岩をアルミ梯子で鞍部に 下るといよいよ大平山への急登となる。
今までアップダウンを繰り返してきた身には結構きつい。15分ほどすると勾配が緩やかになる。 山頂かと思ったところ、さらに先に急登が待っていた。杉の縞枯れのような斜面を右に富士山を見ながら上って行く。途中、冬イチゴがたわわになっている。 小休止を兼ねてつまんで食べてみる。甘ずっぱい味は疲れをとってくれるようで美味しい。やっと着いた大平山、「おおべらやま」と読むらしい。カラフルな立派な道標が立ち、ベンチも ある。これまでのコースとは違ってよく整備されている。沼津の方から来て、ここまでが沼津アルプスらしい。
急勾配のところにトラロープが張られた山道を下ってゆく。やがて、ウバメカシの林を抜け、富士山の展望箇所を過ぎると 多比口峠に達した。カラフルな親切な道標が立っていて、良く整備されている。ここから多比峠まで少し痩せた岩の多い尾根を小さなアップダウンを三回くらい 繰り返しながらゆく。ここはウバメカシの純林が延々と続きすばらしい。途中、岩尾根から富士山が見えてくると間もなく多比峠に着く。
尾根を直登するのかと思ったところ右斜面をトラバース気味に登り、途中からジグザクと尾根の上部に上って行く標高差100m位の登りである。 トラロープ道が長々と続く。あえぎあえぎ登ると標高が高くなり、振り返ると先ほど登った大平山が手に取るように眼下に見えてくる。 やがて勾配が緩み鷲頭山に着いた。山頂には大きな桜の古木があり、 桜の頃は良さそうである。ここで昼食を取りながら休憩する。
この後は下るだけである。のんびりと下ると、棚みたいなところの 小鷲頭山に着く。海と富士山の展望がすばらしい、本コース一番の展望である。この後はトラロープのある急降下が続く。 本コース一番の急斜面である。下りでよかったと思いながら15分ほど慎重に下ると、尾根をはずれ右の中将岩へと導びかれる。 ここら辺からはもう急勾配はなく、緩やかに巻いていくと尾根の取り付き点に戻り、そこが志下峠であった。
今日はここまでとして石のゴロゴロした沢筋の薄暗い道を御前帰へと下る。途中、「中将さん**m」という石柱が100mごとに立っている。 20分も歩くと中将さんのいわれの書かれた看板の立つ御前帰に着く。のどかな集落である。梅の咲く春は良さそうである。 大平中学校の前の東西に走る道を真っ直ぐ行き、突き当って右に行くと日守山が見えてくる。そして車道を避けて狩野川土手道に上がって行く。 狩野川の向こうには傘雲の富士山がくっきりと浮かんでいる。今日は一日中富士山を友ずれに歩けたいい山歩きであった。

( マップ )
・1/25000地形図「韮山」
  日守山から大平山までは尾根上の二点鎖線の郡・市界線が山道と考えていいようです。

(コースタイム)
自宅5:17==日守山公園(P)7:10〜17--日守山頂7:40〜45--鞍部7:56--開けた尾根8:25--新城分岐8:53--梯子9:11--大平山手前の鞍部9:44-- 大平山10:15〜30--多比口峠10:40--多比峠11:25--鷲頭山11:50〜12:10--小鷲頭山12:19--中将岩12:36--志下峠12:43--御前帰の公民館13:07--日守山公園(P)14:11



219m手前付近の照葉常緑樹の大木




アルミ梯子のある大岩からの展望




アルミ梯子付近のトラバース道




大平山手前鞍部大岩からの富士山




大平山〜鷲頭山のウバメガシの純林1




大平山〜鷲頭山のウバメガシの純林2




鷲頭山山頂の桜の古木




帰り、狩野川土手より


LUMIX DMC-LX3 にて撮影

( END )