A.山歩き/2.山紀行/・・富士山お中道home


富士山お中道




御庭山荘付近にて(帰り)


奥庭入口から大沢崩(2012-10-02歩く)
待ちに待った紅葉の便りが大雪山や立山から聞けるようになり、 早速、今年初の紅葉を見に、近場の富士山のお中道に行ってみることにした。昨年は撮影会で奥庭に行っているので、今回はお中道を通って大沢崩まで 行くことにした。五合目駐車場から歩いてもいいが、観光客が多そうなので、奥庭入口駐車場に車をおいて、御庭山荘を経て大沢崩に行くコースとした。

紅葉には早いのか、駐車場はガラガラで、駐車しているのはきのこ採りの車くらいである。 道標はないが道路向かいの御中道自然探勝路の看板の立っているところがお中道への道である。火山灰の砂礫道を緩やかに登ってゆき足元を見ると、コケモモは真っ赤な実を付け、オンダテや苔に混じる小さな葉っぱも紅葉し、小さな秋真っ盛りである。また、黄葉しているダケカンバも見られ、先々どういう光景が 見られるか期待しながら、シラビソやカラマツの古木の林のトンネル道を登ってゆく。道は世界遺産登録のためであろうか整備され、石畳みの道となっている。

樹林のトンネル道を抜けると火山灰の砂礫の原となり、風雪にな耐えて地を這うような姿のカラマツの古木、太い曲がりくねった枯れ木、オンダテ、コケモモ、苔、ダケカンバ 等が見られ、まるで天然の庭である。また、淡いグリーンの苔、黄葉のオンダテ、赤いツツジの葉っぱ、真っ赤なコケモモ等々には朝露が付き、朝の透き通った斜光に煌めいている。

自然の美しい造形の庭を観賞しながら石畳の道を緩やかに登ってゆくと、屋根が見えてきて御庭山荘に至る。 その西側は小高い丘になっていて、見晴らしがいい。登ってみると眼下に、カラマツの緑の海にダケカンバの黄葉が点在する雄大な風景が展開している。富士山は雲に隠れているが、垂れ込める雲が 黄葉風景をドラマテックにしている。

砂礫道をトラバース気味に西の方に少し行くと、「おおさわくずれ」という低い手製の矢印プレートが あり、そこから本格的な山道が始まる。しばらくはほとんどが下生えが苔で覆われているシラビソやカラマツの樹林帯である。

薄暗い樹林帯の道が延々と続く。途中、風の通り道らしい倒木地帯、小さな沢等が現れて、明るくなり一息つく。次の開けたところを期待しながら進むと 、ガスで覆われた黄葉のオンダテの点在する砂礫の広い斜面に飛びだす。大きな岩に、滑沢、大沢まで25分とある。

再度、薄暗い樹林帯に入るがガスが流れてきて、幻想的な風景となり気が紛れる。そして、すぐに、また、オンダテの点在する砂礫の広い斜面に飛びだす。 ここには仏石流しという標識がある。見晴らしはよさそうであるが、生憎ガスで覆われ、帰りの楽しみとする。 またまた、シラビソなどの樹林帯に入ってゆく。先が思いやられたが、すぐに明るい黄葉したダケカンバの林となり、チョとした沢の鎖場に至る。 沢の周りは広葉樹が多く、黄葉や紅葉も見られ、大分歩いたので、秋色が濃くなってきたのかなと思う。

また、ダケカンバやシラビソの霧に煙る山道を行く。やがてY字分岐となる。ここには「おおさわくずれ」方向プレートが立ち、それに従って右側の道に入る。 登るのかと思ったら、ここからどんどん下ってゆく。帰りは大変だなぁ〜と思いながら10分強下ると、大きな沢が現れ、ステールの階段で一旦沢に降り、登り返してカラマツの大木の多い 樹林帯に入ってゆく。

その後、沢の源流のような処を巻きながら横断してゆくと屋根が見えてきて大沢休泊所に着く。小休止した後、ザックを置いて、大沢 崩を見に行く。あいにくガスが多くて、全貌はみれなかったが、その一端を写真に収めて、大沢休泊所に戻り、昼食とした。

帰りは、Y分岐の「おおさわくずれ」方向プレートまでは登りできつい。しかし、仏岩流し、滑沢、御庭山荘などの展望箇所ではいずれもガス切れて、富士山が見られラッキーであった。カラマツの黄葉にはまだまだ早かったが、ダケカンバやオンダテなど黄葉していて、この時期ならではの風景を楽しめた いいハイキングであった。


(地図・ガイド)
・山と高原地図「富士山」

(コースタイム)
奥庭入口駐車場8;40---御庭山荘9;13〜22---滑沢10;23---仏石流し10;29---スチール梯子10;59---大沢休泊所11;15〜21 ---大沢崩11;25〜32---大沢休泊所11;40〜12;02---滑沢13;05〜12---御庭山荘14;01〜10---奥庭入口駐車場14;36



御庭付近の自然の庭1





御庭付近の自然の庭2





御庭付近から下界を望む





五合目への御中道石畳み道、 御庭山荘展望台にて



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富士山斜面の黄葉、御庭山荘展望台にて(帰り)





滑沢から富士山を望む(帰り)





仏石流しから富士山を望む(帰り)





ガスに煙る樹林


Canon EOS 60D / TAMRON 18〜270mm VC にて撮影