A.山歩き/2.山紀行/・・八ヶ岳・西岳
八ヶ岳・西岳




ー長い長い樹林帯を経て、山頂付近で開放されて眺める編笠山は格別であるー

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富士見高原ゴルフ場から西岳を往復する(04-09-04歩く)
八ヶ岳で登っていない山は権現岳と西岳である。今年の夏は猛暑でどうなるかと思ったが、さすがに9月になり涼しくなったので 懸案の西岳に登ってみることにした。
いつものように自宅を4時ごろ出発して車を置かせてもらった富士見高原ゴルフ場に着いたのは6:50分頃である。今日の天気予報は 曇りで13時ころ一時小雨とある。雨具の準備をして出発する。ゴルフ練習場のクラブハウスの左側から入ってゆく。
良く手入れされた カラマツ林の山道である。道端には、名も分からないキノコが生え、ノコンギク、ハギが咲いている。 さらに行くと予想もしなかったサラシナショウマが咲いていおり、それにアサギマダラまでとまっている。初めて登る山は 思わぬ光景との出会があり、わくわくしながら歩く気持ちはたまらない。一度歩いた山も四季折々違った顔を見せてくれ、それなりに ときめきと感動を与えてくれるが初めての山にはかなわない。途中から林道に合わさり、緩やかに登山口から40分ほど歩くとベンチの ある不動清水に着く。
ここから一転して赤松の茂る斜面の急登となり、その変わりようにおどかされるが、やがてカラマツ林の適当な傾斜の登りとなる。 不動清水から10分ほど登ると林道を横切ってまたカラマツ林の道を登って行く。さらに30分登ると また林道を横断する。そこより同じような薄暗いカラマツの植林の道を延々と一時間弱登ると、ようやく原生林の大木も現われ、 深山の趣のするところとなり、そして林道中央コースを横断する。この付近からは南アルプスも望まれ、しかも樹林帯 も明るく好ましく、今まで見晴らしの効かない単調な登りでうんざりしていたので、ホッとするところである。明るい樹林帯の草地にはアキノキリンソ が多い。
しかし、それも束の間、すぐシラビソの密集する薄暗い石のごろごろした道を急登して行く。登るにしたがって周りは幾分改善され苔 むす樹林帯となる。おおよそ林道から45分くらい登ると大きなダケカンバの木が出てきて、明るく開けてくる。 そして右手に樹間からわずかながら編笠山が見えてきて、大分登ってきたことを実感する。 これより高山の雰囲気のする苔むすツガの道を登ると、やがて、明るいこじんまりした広場に出る。そこには西岳0.6km、30分とある道 標が立っている(この30分は消えかかっていて50分とも読める)。 これで、気を良くして30分も登るとパッと開ける。頂上かと思ったら残念ながらガレ場であった。しかし、右手には編笠山 がどっしりと大きく、下からガスが上がってきては見え隠れし、いい景色である。
気を取り直してガレ場を登るとまた樹林帯に入る。それを抜けると開けてきて、今度こそ山頂かと思ったがまたガレ場であった。 ガレ場の潅木はすでに色付き始め、もう2000m級の標高では秋であった。ここから見える編笠山はさらに競りあがってきて もう西岳山頂に近いことを感じさせる。ガレ場を登り切り、シラタマノキやコケモモの実が見受けられる樹林帯をわずかに登ると、 目の前に空が開け、道標のシルエットが見えてきて山頂にやっとたどり着いた。
山頂の東南方向の正面には権現、青年小屋、編笠山 の連なりが大きく横たわり、時々ガスに見え隠れし、幻想的な風景をみせてくれる。また目を足元に移すと、残り花のマツムシソウが健気に咲き、オンダテが黄色 く色づき、アキアカネが飛びかい、もうすっかり山は秋色である。のんびりと一足早い秋を味わいながら昼食とし、至福の時 をすごす。
帰りは元来た道をひたすら下る。不動清水に着いたら、予報どおり雨が落ちてきた。幸いもう平坦ないい道である。 あまり汚れることもなく無事駐車場につき、西岳の山行を終えた。一足早い秋色と編笠山の眺望が収穫であった。

  • (コースタイム)
    自宅3:50==相模湖IC==双葉SA6:00〜6:21==小淵沢IC==富士見高原ゴルフ場(P)6:53〜7:00 --不動清水7:45〜50--第一林道8:05--第二林道8:35--林道中央コース9:25〜30--西岳30分道標10:35--第一のガレ場11:06 〜10--第二のガレ場11:18--西岳11:25〜12:05--林道中央コース13:18〜25--不動清水14:08-- 富士見高原ゴルフ場(P)14:40
    ----- 合計: 休みや写真撮影も入れて7時間40分 ------
  • (地図)
    ・昭文社 山と高原地図 「八ヶ岳-蓼科・美ヶ原・霧が峰-」2003年度版