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巨樹を求めて 日原林道を歩く



ガニ沢の大カツラ


巨樹を求めて日原林道を歩く(2012-07-09歩く)
下に記載のガイドブック「バリエーションハイキング」に、日原川上流の巨樹探訪コースが紹介されている。 丁度、入梅時、霧に煙る巨木は絵になりそうだ、と行ってみることにした。今回は電車とバスで行った。バスの終点である日原鍾乳洞バス停から日原林道に進む。期待に反して霧はでそうにない。しかし、眼下の日原川のエメラルド の渓流が美しく、巨木そっちのけで渓流撮影に夢中になってしまった。バス利用山行は終バス逃すとえらいことになるので、余裕をもって引き上げなければならない。 結局、渓流写しと渓谷の偵察に時間を費やし、巨木はたったの一本しか写せなかった。しかし、巨木のあるところは大体掴んだので次回の楽しみにしたい。

日原鍾乳洞バス停の先の橋を渡って日原林道、すなわち、雲取山の方へ左に行く。霧が出ることを期待したが日がさしてきて、幾分がっかりしながら歩いていたところ、左下の渓谷にエメラルドの淵を発見。渓谷は期待していなかったので その美しさに吸い込まれ、林道から写真を写す。これに味をしめ、左の渓谷を覗きながら行く。よさそうなところあるが、木々で遮られている。 渓流釣りの人の踏み跡であろうか、下に下る道もあるが、今からそんなに道草していられないと思う。
さらに行くと、ブルーの流れが見え、それに降りる石段まで整備されている。これは降りてみる価値がありそうだと降りてみたところ、 日差しを受けた木々の緑とブルーの流れの競演が目の前に展開していた。日差しの加減が良かったのだろうと思うが、結構美しい流れで、いろいろなバリエーションが撮れ、今日はここだけでも来た甲斐があったと思ったほどであった。そこは日原林道が 右岸(上流から見て右側)にわたる伊勢橋の50m位手前であった。
橋を渡って今度は日原川の右岸を行く。何ケ所か流れの綺麗なところがあり、渓流釣りの人が利用する踏み跡もあるが、林道から写しながらゆく。やがて、右に橋が見えてくる。それは氷川鉱山の私道で、ゲートがあって車は進入禁止であるが、橋の 上から流れを撮影した。 また、日原林道に戻り、しばらく右の渓谷の外に左の岩壁も観察しながら行く。幾何学模様が美しいシダやイワウチワの葉っぱが多い。それとヤマアジサイが今花盛りである。 やがて、右の渓流を2,3ケ所写しながら行くと「ガニ沢のカツラ」の標識の立つところに至る。
ここは八丁橋から100m位手前の電柱天祖支46のところである。下を見ると、川岸に立つ巨木が見える。道もはっきりしている。 今回は巨樹の撮影が目的なので、ザックを林道に置いて降りて行って、じっくり写真を写す。この後、また、渓流写しに切り替える。先の孫惣谷林道入口の橋、八丁橋の上からの景色もなかなかである。 更に、日原林道の八丁橋先を1時間くらい歩いて調べてみた。ゲートのあたり1ケ所、水が岩を穿った溝の激流があったが、だんだん谷が深くなり、撮影に適したところはなかった。しかし、広葉樹が多く紅葉の頃はよさそうである。
次は孫惣谷林道の奥の巨樹である。ガイドによると、オリツキ窪というところにあるようだ。林道をくねくねと上がり高度を上げてゆく。 孫惣谷ははるか下で、渓流は写せない。この奥に氷川鉱山の石灰石の採掘場があり、時々車が行き来する。途中、頑丈な木の階段が斜面に掛けられている。それは巨樹コースとして知られている 金袋山に通ずる水源林巡視路であるようだが、道標はない。
やがて谷と林道が近くなると送水管設備が見えてきて、さらに行くとオリツキ窪の手前の傾斜のきついへヤピンカーブとなる。 ここで時計を見ると、終バス16;20まで2時間半しか残っていない。もう、今回は巨樹ヘの入口の確認だけにとどめることにする。 ヘヤピンカーブのところから下の沢に降りてゆくとカツラの巨樹があるとガイドにあるので、下を覗いてみたが巨樹は見えない。しかし、木の階段が沢にかけられているなど、道はあり、あれをたどると行けそうだと想像する。
次にこの先のオリツキ窪の巨樹に向かう。ヘヤピンカーブを上がりきった所に鉱山事務所があり、人が見えたので挨拶すると、めったに人は通らないのであろう、どこへ行くのかと尋ねられた。 オリツキ窪の巨樹を写しに、といったところ、下の沢にはカツラがあるが上のオリツキ窪にはないという。ガイドに地図もあるし間違いないが、いつも近くに居る人でも 知らないとは、それほど目に付きにくい所にあるのだろうと思う。
2,3分行くと瀬音が森に響き渡り、白い激流が左下の谷に落ち込んでいる。林道の橋の右側斜面には、幾つもの岩のコブや溝を、乗り越え滑り落ちている滝が現れる。 その滝はどこから始まっているのか上の森の中に消えてわからない。この滝の右側の上に巨樹があるという、しかし、橋からは植林の檜が見えるだけで、巨樹は見えない。もう時間である。楽しみを後に残して下ることにする。


(地図・ガイド)
・「バリエーションハイキング」松浦隆康著、新ハイキング社
・山と高原地図「奥多摩」

(特記事項)
・八丁橋の近くに駐車スペースがあります。日原林道は奥で工事中で八丁橋で車の通行止め
 になっています。
・孫惣谷林道入口は八丁橋手前30m位のところの日原川に掛かる橋です。ここも一般車通行
 止めとなっています。

(コースタイム)
日原鍾乳洞バス停---(45分)---日原林道八丁橋---(上り70分、下り50分)---孫惣谷林道オリツキ窪



エメラルドの淵





伊勢橋近くの渓流1





伊勢橋近くの渓流2





ヤマアジサイ





八丁橋下の渓流





オリツキ窪の滝





林道に立っていたガニ沢のカツラの標識


Canon EOS 60D / EFS-10〜22mm / EFS-18〜135mm IS にて撮影