A.山歩き/2.山紀行/・・南天山


南天山


法印の滝


南天山(2011-10-29歩く)
秩父の中津峡は紅葉の名所である。中津峡の紅葉には早そうだが、紅葉は標高によって異なり、山を登るとどこかで紅葉真っ盛りとなる。 それを期待して、中津峡の奥に、日帰りに手ごろな山の南天山を見つけ、登ってみた。
森林科学館・こまどり荘の先の鎌倉橋に駐車スペースがあり、 車を置く。周りを見渡すと、案の定、紅葉は少し早い。迷わず南天山に登ることにする。鎌倉沢を右下に見ながら木々のトンネル道を行く。 まだ、紅葉には早いが、黄緑の葉っぱを透過してくる日差しは沢全体を明るく照らし、秋の山の華やぎを演出している。
少し行くと、山道は沢に降り、何回となく丸太橋で渡り返しながら登っていく。心地よい瀬音、滑るように流れ下る滑、それと小滝、 白や緑に輝く水面、ステンドグラスのように輝く天井、ワンダフル鎌倉沢である。クライマックスは法印の滝である。落差30m位はありそうだ。 黄葉の樹林の間から扇状に流れ落ちてくる。
ここからやさしい鎖場をへつって滝の上の登るが、さらに小滝や滑が現れ、写真好きの人間にはたまらない風景が続く。おかげで大分道草してしまった。いい写真が取れればいいが、強い日差しでコントラストが強くなり、 写真はあまりよくなかったが、写しているときは至福の時てあった。
やがて、沢が二俣に分かれて、左俣の右岸をゆく。ここからは沢が細くしかも日陰になり、これまでの沢と比べるとあまりぱっとしない。やがて 道は分岐となる。南天山は、右に涸れ沢を渡って、対岸の薄暗いヒノキ林の急斜面の九十九折りの山道を登ってゆく。 もう尾根に乗りそうだと思うとまたスイッチバックし、ただただ黙々と標高差約300mを登ってゆく。
沢から50分弱ほど登ってようやく黄葉のカラマツ林となる。陰鬱な道を延々と登って来たせいか、紅葉のモミジの混じる カラマツ林は一層まばゆく素晴らしく、秋の山歩きの幸せを感じる。カラマツの間に黄葉の山並みが眺望され大分上に来たことを実感する。 このカラマツ林をひと登りすると南天山の肩に到達する。左から涸れ沢の分岐から来た沢ルートの道が合わさっており(家に帰って来てからわかったことであるが)、 道標が立ち、右150m南天山山頂とある。
岩混じりの尾根を一部ロッククライミングのように三点支持で登ってゆくと、360度の大展望が広がっていた。 まだ、雪はなく、白銀の峰々とはいかないが、雲取、浅間、両神山、白泰山と見渡せる絶景の山頂であった。遅い昼食を取り、その後、元来た道を下山した。 あの今朝のワンダフル鎌倉沢は日が陰り、華やかさは影をひそめ、瀬音だけが寒々とした谷に鳴り響いていた。


(地図・ガイド)
・昭文社 山と高原地図「奥秩父 雲取山・両神山」

(特記事項)
・沢コースと組み合わせると周回できるようです。
・鎌倉橋には10台ほどの駐車スペースがあります。ただし、森林科学館からはダートです。
・鎌倉沢は午前中は日がさし綺麗です。

(コースタイム)
自宅5;00==八王子IC==日高狭山IC==(299→140号線)==鎌倉橋(P)9;08〜18--法印の滝10:16〜30--分岐11;20-- カラマツ林12;08--南天山の肩12;26--南天山12;43〜13;00--涸れ沢の分岐13;44--法印の滝14;21〜25--鎌倉橋(P)14;57
☆沢の登りでは写真撮影に道草したのであてになりません。



入口の木々のトンネル





鎌倉沢





鎌倉沢





鎌倉沢





鎌倉沢





カラマツの黄葉





山頂から両神山





鎌倉沢彩々





日の陰った鎌倉沢


Canon EOS 60D / EF-S18〜135mm IS にて撮影