A.山歩き/2.山紀行/・・男体山


日光・男体山


男体山山頂付近にて


志津乗越より男体山('06-08-25歩く)
男体山、奥日光を歩くたびにその形のよい姿に惚れ惚れして気になっていた山である。 中禅寺湖畔の二荒山神社から登るとすると結構きつそうだし、登るなら裏の志津乗越からと考えていたがなかなかきっかけがなかった。 たまたま、インターネットで調べていて、八月の末頃裏側の登山道には花が結構咲くというのを知って、ようやく決断して行くことにした。

登山口の志津乗越には光徳牧場へ行く 道の途中から裏男体林道へ入る。最初ダートで、ずっとダートかと驚かさせるがすぐ舗装となる。しかし、簡易舗装というものらしく、 ダート道のその上にアスファルトを敷いたようで、中央が出っ張っていて、腹を擦りそうなところもある。ゆっくりとしかも片輪を山に乗せるように 走る。行きは大丈夫だったので帰りは少し油断したせいか、一度擦ってしまった。要注意である。
林道入口から20分ほど走ると舗装が 途切れ、さらに少しダート道を行くと駐車スペースの広場となる。この広場は大真名子山への登山口となっている。男体山の登山口はここから林道を2,30m 位先にいった右側である。 さらに50mくらい先にゲートがあり車は行き止まりとなっている。登山口とゲート間の路肩にも駐車スペースがある。我々は広場は満車に ちかゝったので登山口のチョと先の路肩に車を置いた。

カラマツやシラビソの道を入って、5分ほど行くと、志津小屋と鳥居と石仏などのある二荒山神社 志津宮に至る。ツガだろうか大木が立つ明るい笹原になっていて、大真名子山が迫って見える。すぐ薄暗い樹林帯に入ってゆく。長年歩かれた道のようで 深く掘れたシラビソの山道である。20分弱行くと突然明るくなって堰堤のある涸沢の岸に躍り出る。少し沢沿いのガレ場を登るとまた薄暗いシラビソの深く 掘れた幾分勾配のきつくなった山道を登る。
それから10分も登ると三合目の道標が現われる。次は四合目と見晴らしも何もきかない薄暗い道を黙々と登る。 15分強登ると順調に四合目の道標が現われる。次の五合目に着いたら休もう、と頑張って登る。しかし、四合目から30分以上登っても五合目の標識は現われない。 もう、大概に疲れてきた。時々小休止しながら登る。
高度が上がるに従って、太いダケカンバやツガであろうか黒木が現われ、時々ガスが流れてきて幻想的な風景になる。 合目の道標は現われないが、四合目から50分ほどして、ひょこりと勾配の緩んだ明るいところに飛びだす。久しぶりに空を見たような気がする。 傍の立ち木には青いテープが三本巻かれている。そして花の終わったシャクナゲが多く、ようやく高山の雰囲気である。ここで一息つく。

ここからトラバース気味に明るい黒木の道を行くと、すぐ左側がスパッと切れた赤茶けたガレ場となり、ガスが舞い上がってくる。 そしてアキアカネがガスの上昇気流に乗るようにたくさん舞っている。上を見あげるとガスに巻かれたピークが見える。そのピーク目指して 黒木の道を5分も登って行くと、今度は右側が枯木の立つガレ場の斜面に躍りでる。前面向こうに男体山の火口壁の稜線らしいものが見える。 だいぶ男体山の火口に近いところまで登ってきたようである。
ガレ場を20mもトラバースするとまだ樹林帯に入り、左上に登って行く。そして一旦登りきったところの目の前が 谷のような窪地になっていて、思いがけず一帯が黄色いキオンの花で覆われている。やはり男体山は花の山なんだと思う。写真を写しながら一息つく。 これより、最後の急登が続く。ダケカンバの大木の道を急登し、さらに火山灰の赤土のロープの道を急登する。20分も登るとガスの間から大真名子山から女峰山へ の山並みが見渡せるところに至る。これで終わりかと思ったら、さらに赤土の道の急登が続き、ようやく男体山の火口壁の稜線に到達する。そこには薄れた九合目の字の道標が立っていた。
道は火口の縁のに沿って男体山山頂に向かって緩やかに登って行く。花が咲いていないか探しながら行くが、終わりかけたマルバタブキの花があるだけでほとんどない。ようやく左側が ガレたところに出て、キオンの群生を見つける。それからまもなく、剣の立つ山頂が見えてきて、三角点のある山頂に達した。
さすが百名山だけあって、人気があるようで、山頂付近には10名くらいはいただろうか三々五々休んでいる。山頂の先に建物が見える。奥社のようなので行ってみると、傍に 二荒山大神の像が立っている。周囲を見渡すがガスって中禅寺湖も白根山も何も見えない。展望がないと、このような独立峰のような山は魅力が半減してしまう。 これも出会いの運命と受け止め、昼も近いので奥社の傍で昼食とする。
昼食の後、元来た道を下る。いくらか余裕が出てきたので、あんなに見当たらなかった花も、ウメバチソウ、 アザミの類、十文字草に似た花などを見つけては写真を写し写し下る。天気は一方に改善されず、見晴らしはよくない。そのうち三本青テープのところに到着し、そこから薄暗い樹林帯に 突入し黙々と下る。堰堤のある開けたところにでて、久しぶりに明るいところに出て気分が晴れたことと、もうすぐ登山口と思い、ホッとする。それからは勾配も緩み快適に下り、 20分ほど歩いて林道の登山口にでて無事山歩きを終えた。

戦場ヶ原の車道から先ほど登った山頂のガスった男体山が見える。 富士山に似て、山頂には火口があり、麓から見ると美しい。この山は登る山でなく眺める山のようだ、と思いながら行く。車窓から黄色い花の群落が時々見受けられる。 外来種のオオハンゴンソウである。中禅寺湖畔道路沿いで、群落の最も綺麗なところは、奇しくも、二荒山神社へ登る参道沿いの斜面であった。これも何かの縁とそこに上って オオハンゴンソウの黄色の絨毯の写真を写す。そして帰路についた。


(地図)
* 昭文社 山と高原地図 「日光 奥鬼怒・奥日光」

(コースタイム)
自宅4:03==東名・首都高速==東北道浦和IC5:30==佐野SA6:03〜30==日光宇都宮道路清滝IC==裏男体林道入口7:53==志津乗越(P)8:15〜 30--堰堤ガレ場8:53--四合目9:22--三本青テープ10:09〜14--キオン群生地10:30〜35--9合目11:13 --男体山山頂11:31〜12:05--堰堤ガレ場14:02〜08--志津乗越(P)14:30






二荒山神社志津宮付近から大真名子山





二荒山神社志津宮石仏





左が切れたガレ場





火口壁稜線が見えてきた枯木の立つガレ場





キオンの群生地




だいぶ登ってきた、大真名子山〜女峰山あたりが見える




火口壁の稜線が見える





山頂の二荒山大神





下山時の堰堤付近の風景





二荒山神社中宮境内のオオハンゴンソウ




[CANON EOS Kiss DN /SIGMA 17-70mm DC MACRO にて撮影]