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中ノ倉山





中ノ倉山(2011-07-14歩く)
今年は例年になく早く梅雨が明けた。夏富士でも見ながら山歩きをしょうと思う。富士山を取り囲む山、とぎれとぎれであるが大分歩いた。その中で 一箇所だけ空白地帯がある。それは本栖湖の西側の山並みである。ここは本栖湖の方から見ると大した山でないが、 身延町の方から30号線を上がってくる時は壁のように立ちはだかり圧倒される。 中ノ倉トンネルの所から尾根に上がり、中ノ倉山、仏峠、湖畔と周回するコースを設定して歩くことにする。

連日快晴なので今日も快晴に間違いないと思い、ピンポイントの天気予報も調べずに出かける。御殿場では霧雨が降り、 先行きどうなるかと思ったが、籠坂トンネルを抜けると晴れていた。しかし富士山は雲に覆われて見えない。本栖湖に着く頃にはすっきりとした富士山が見れことを期待しながら行く。
中ノ倉トンネルの手前から左に入り、公衆トイレ付近に車を置く。どこが登り口か気になっていたが、公衆トイレの横に中ノ倉 峠、展望台の手製の道標が立っている。これでひと安心と、富士山方向を見るが、相変わらず曇が垂れ込めている。富士山はあきらめることにして、 初めてのコースなので、もしかしたら何かいい風景との出会があるかもしれないと期待して登ることにする。
コナラなどの自然林の森の斜面を右にトラバース しながら、右の急な尾根に向かって登ってゆく。尾根に到達すると、戻るように何度か大きく稲妻を描きながら尾根に沿って登ってゆく。まだ、日差しがよく照っていないので、 エゾハルゼミは合唱にならないで、途切れた鳴き声を森に響かせている。意外にあっさりと主尾根の輪郭が上に見えてきて、左側が一箇所開けて 眼下に本栖湖が見える。その上には富士山が見えるはずであるが、見えるのは竜ケ岳への稜線が見えるだけである。
やがて尾根に乗り、少し行くと、展望台というプレートが下がる所にいたる。左に少し下ると、大きく開け、直下には あのロータリイが見え、目を上に向けていくと本栖湖のブルーの湖面、竜ヶ岳と白い雲。相変わらず富士山は見えない。白い雲に雄大な富士山を想い重ねて 風景を楽しむ。ここまでは千円札の富士山ということもあり、よく歩かれているようである。
この先道標はないが、踏み跡は 明瞭で、全く迷うことはない。岩の多い雑木林のような所を通過すると、林相もブナが混じったりする高木の尾根道を行く。 そして緩やかに登るとアセビの大木のあるピークに達し、それから急降下する。鞍部に達すると林床に日が差込み、ホタルブクロが咲いたり木苺がなっていたりし、 周囲は小規模ながらブナ林となり大木も見られる。
鞍部から高い尾根の左を巻きながら少し登ると緩やかな尾根道に乗り、モミの木の大木が見られたりする。 やがて尾根が広くなり、林床は明るくなり、レンゲショウマでも咲きそうな雰囲気である。よく探して見たがなく、テンニンソウの群生があるだけであった。 大岩のごろごろする庭園のようなところを過ぎるとピークが見えてきて、山頂かと思い張り切って登るが、ピークらしきところに 標識もなく、意外に中ノ倉山まで歩き甲斐があることを感じる。緩やかに下って丸いたおやかなピークに向かって登り返してゆくと、 ようやく中ノ倉山に達する。
三角点と木にくくりつけられている手製のプレートでそれと分かる山頂である。木々に囲まれた山頂で展望は一つも効かない。 小休止の後、仏峠へと出発する。少し行くと、尾根は突然急降下の分岐点となる。真っ直ぐと左方向に尾根が分岐している。ここはテープにしたがって左に急降下する。 傾斜が緩むと小笹の道を行く。やがて、右後ろに分岐している所に至り、直ぐ先に鶴と富士山の書かれた白いプレートが掲げられていて 真っ直ぐと左斜め下に下る分岐となる。ここが仏峠であるが標識はない。ここは左斜め下方向の道をキャンプ場へと下る。
この下りの斜面はこの時期でも落ち葉のふかふかする道の豊潤の森である。ホウの木、ミズナラ、ブナなどの高木の中に巨木が混じり、包みこまれるようでいい雰囲気である。時々斜光が入 り込んできて緑がじつに美しい。規模は小さいが鶴峠から三頭山への豊潤の森の道に似ている。やがて左下の樹間に湖面のブルーが見えてきて、キャンプ場に着き、周回道路に降り立つ。 この車道を左にトンネルの方に戻るわけであるが、コンクリートの照り返しが暑く、長い忍耐の帰り道であった。時々、現れるブルーの湖面や湖畔の野草、オカトラノオ、月見草、ヒルガオ、 カワラナデシコなどを写したりして気を紛らわしながら戻った。


(地図・ガイド)
・昭文社 山と高原地図「富士山」(2004年度版)--最近の昭文社の地図には赤点線で載っているようです。
・1/25000地形図仏峠付近--仏峠の北の1247.3mのピークが中ノ倉山です。

(特記事項)
・展望台以外は展望は何も効かない。しかし、自然林が豊かで、新緑や紅葉の頃はよさそうである。この時期で
 も、樹木が高いため風通しがよく、涼しかった。

(コースタイム)
・中ノ倉トンネル手前ロータリイ付近(P)8;14--展望台8;42〜45--中ノ倉山10;04〜15--仏峠分岐10;33--キャンプ場11;08 --本栖寺前湖畔11;36〜55--中ノ倉トンネル手前ロータリイ付近(P)12;33




富士山が見えなかった展望台から





中ノ倉山尾根道





ホウの木の大木、仏峠からの下りにて





ブルーの湖水


< Canon EOS kissX / EF-S18〜135mm IS にて撮影