A.山歩き/2.山紀行/・・流石山


那須 流石山


流石山のお花畑を行く


旧会津中街道の大峠から流石山へ登る('06-07-14歩く)
梅雨の中休みは貴重なので、梅雨時くらい天気予報が気になることはない。 もしも中休みだったらどこへ行こうかと探しているうちに、「那須・塩原」の昭文社の地図を 見ていて、ふと、お花畑マークのついているところを見つける。流石山。聞いたことがない。よ〜く見ると、会津側からだと、だいぶ上まで車で 上がれそうだ。早速インターネットで調べてみる。そうするとニッコウキスゲが7/中旬頃咲くという。これに決めた、と早速行くことにする。
天気は 極めて微妙である。梅雨前線が台風で東北地方まで押上げられている。新潟、福島あたり大雨とある。しかし、流石山は栃木県との境、雨が降らないことを願って、 いつもの通り、自宅を4時にに発つ。今回は会津側からの登山であり、ずいぶん回り道をして行く。
那須塩原ICで降りて、塩原温泉を 抜けて、日光街道121号線に突き当たり、会津若松の方に北上する。そして、会津田島駅前を行き、少し行くと旧道とパイパスと思うが Y字にわかれているところを右手の旧道側に入ってゆく。道なりに行き、大きな川を渡ると直ぐT字路に突き当たる(地図上にはそう見えにくいが)。 これを、右折して踏み切りを渡る。そうすると駅前にでる。
そこは道なりに行かないで、右に入る。そうして300m位行くと、Y字分岐となる。 ここを左に入り、観音沼森林公園方面へどこまでも道なりに行く。ずっと舗装である。観音沼森林公園を過ぎると自然林の林道を行く。 そのうち、右手に雨量観測塔がたっているところに至る。さらに舗装道路を行くと、舗装が途切れ、ダート道となる。 悪いところもあるが車が通った跡があるので安心して行く。そうすると広い駐車場に達する。大体15台くらいは駐車可能のようである。 今にも泣き出しそうな空模様、山へ登る人はいないのかと思ったら6台ほど駐車していた。

途中、雨が降ってきてからレインウエアーを着るのは面倒であるので、あらかじめズボンだけは付けて早速出発する。途中、車が 追い越してゆく。約10分ほど行くと林道終点となり、先ほど追い越した車が駐車し、ご夫婦が支度をしている。終点からも広い石畳のようなフラット道を行く。15分強行くと、新道と旧道の分岐となる。 ここから本格的な山道の登りとなる。新道の方が踏み跡多いので、そちらに行って見る。道は笹の根が露出した傾斜した道で極めて悪い。
10分ほど行くと旧道と合流し、先ほど林道終点で支度をしていたご夫婦が旧道から登ってきて、追い付いてきた。 ご夫婦の話によると、ドウタンツツジの木があって、それを見せるために新道を作ったもので、旧道の方が道がいいとのこと。しかし、それらしき木には気付かなかった。 ブナの大木が現われ、ツルアジサイが花をつけ、深山の趣がする。林床の笹の道をジグザグと上って行くと、やがて、上が明るくなって 大きく開けたお地蔵さんが祭られている大峠に着く。
会津若松から参勤交代のために江戸に向う時、今は廃道となっている会津中街道のこの大峠(約1500m)を殿様が越えたという。左は三本槍岳の斜面が、右は 流石山の斜面が迫る、まさにV字の峠道である。そして、正面右の眼下の谷には、昔は三斗小屋宿があり、今でも常夜塔や石造物が残されているという。 そして三斗小屋宿跡の左上には中高年に人気の秘湯の三斗小屋温泉がある。
足元の峠にはシモツケ、ハクサンフウロウ、ニッコウキスゲが咲き、待望のお花畑がはじまる。 右手の流石山の方を見上げると、ニッコウキスゲの点在する草付きの斜面が遥か上まで続き、霧の彼方に消えている。一歩一歩、写真を写したり、花を愛でたりしながら登って行く。 ニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、コメツツジ、ウサギギク、ウスユキソウ、あざみ、ウラジロヨウラク、カラマツソウ、シモツケなどの花が咲いている。特に多いのはニッコウキスゲ、ウサギギク、ハクサンフウロウ、カラマツソウである。
花を愛でるうちにだいぶ高度が上がってきた。左手を見ると、ニッコウキスゲ咲く斜面から谷を隔てた遥か向こうに沼原池が光り、 後ろを振り返ると、眼下には大峠から登ってくる米粒のような登山者が見え、そして目をあげると山頂がガスに覆われている三本槍岳が競りあがり、山腹をゆったりと ガスが流れてゆく。右手を見ると、ガスが流れ来て、ニッコウキスゲのお花畑が薄いベールで覆われ、幻想の世界に引き込まれる。
約1時間ほど登ると笹の濃い道の急登となり、まもなくフラット道になる。ここのあたりは地図上では大峠山の ようである。ガスが濃くて、2,3m先しか見えない。道は草地の牛の背のような尾根道である。小さいアップダウンを繰り返して進んでゆく。終わりかけたシャクナゲが現われ、ウラジロヨウラクも多くなる。 そして、シモツケに似た色の白いマルバシモツケが現われると、ひょこりと、山頂らしくない、道標が立ち三角点のある流石山山頂に達した。 ガスで4,5m先くらいしか見えない。昼も近いので昼食とする。
昼飯も済み、出発する頃なるとガスが切れて、先の大倉山の方向に流石山より高そうなピークが見える。 先に行って見たい気持ちを振り切り、元きた道を戻る。だいぶガスが切れてきた。牛の背の様な尾根の連なりに道が続きピークで消えて行っている。快適に尾根道をゆくと、大峠山に 達し、ガスもすっかり切れ、遥か下の大峠に向ってニッコウキスゲの咲く斜面を下る。贅沢なもので、登りで見たガスで包まれたお花畑の方が綺麗に見え、あまり写欲をそそらない。
大峠山から40分ほど下ると大峠に着く。小休止した後、林道駐車場の方に下る。今度は旧道を行く。雰囲気のよい樹林帯の道で好ましい。沢に降りると、大きなエンレイソウ、モミジカラマツが 目立ち、石のゴロゴロした沢筋を少し登り返すと、新旧道分岐に達した。後は広い石畳のような山道と林道を黙々と歩いて林道駐車場にたどり着く。

まだ、14:00頃である。このまま帰っても十分20:00頃までは戻れそうで、日帰り登山は可能のようである。しかし、折角、会津まで来たので、次の日尾瀬沼を廻ることで 桧枝岐温泉に向う。田島駅あたりでにわか雨が降りだし、明日の天気がいまいち不安になるが、明朝起きて雨が降っていたら尾瀬行きを止めることで、旅館に 予約の電話を入れる。


(地図)
* 昭文社 山と高原地図 「那須・塩原」

(コースタイム)
自宅4:00==東名・首都高速==東北道浦和IC5:25==上河内SA6:26〜50==那須塩原IC7:10==ようそんこうえん駅前8:30 ==林道駐車場(P)8:55〜9:10--林道終点9:20--新道旧道分岐9:37--新旧交流点9:46--大峠10:00--大峠山11:00--流石山11:33〜55--大峠山12:12 大峠12:50〜55--新旧分岐13:01--旧道を行く--新旧合流13:13--林道終点13:30--林道駐車場(P)13:43〜55=====桧枝岐温泉旅館着16:10






大峠




お花畑




お花畑・手前はウサギギク




沼原池









眼下の大峠と三本槍岳への稜線




流石山山頂近くのウラジロヨウラク


[Canon EOS kiss DN / SIGMA 17-70mm DC MACRO にて撮影]