A.山歩き/2.山紀行/・・丹沢長尾尾根・ヨモギ平

新緑の長尾尾根からヨモギ平




ー長尾尾根のトウゴクミツバツツジー

長尾尾根〜新大日〜三の塔〜ヨモギ平(06-05-24歩く)
五月下旬、丁度丹沢のブナ林はシロヤシオやトウゴクミツバツツジの咲くころである。今年冬に歩いた近場の長尾尾根 にもシロヤシオやトウゴクミツバツツジが咲いているかも知れないと様子を見に行ってみた。
今回は札掛から新大日往復で計画する。この時期そろそろ山ヒルの時期。他のHPで知ったヒル対策、女性用のソックス を靴下とズボンの上から履き、出発する。高く林立した杉の美林の道をジグザグと登って行く。ヒルがいないか下を見てゆく。 そうしたところ5,6分歩いところで1cm位のヒルを見つける。警戒警報発令である。 足回りを点検しながら歩く。時々、靴に這い上がってくる。そのたびに棒切れやステッキで払う。 丹沢ホームからの道が合流するところまでが多く、気を抜けない。
ここより、トラバース道の日の当たる道となったせいか、 注意して点検するが、靴に這い上がってこない。しかし、いつどこにいるか分からない、時々点検しながら、あまり休まずどんどん登るこ とにする。その後、皆無とは言えず、じめじめしたところでは付いたりしたので、点検を怠りなく行いながら登る。約、2時間弱、 テーブルのあるピーク1004mまで登ってようやく安心する。
ここより少し登ると待望のブナ林である。 今まで、長尾尾根の冬枯れの風景ばかり見ていたが、新緑が実に美しい。感性の趣くままに写真を写す。 どう写っているかは家に帰ってからの楽しみである。写真を写しながら大きなブナの広場を二箇所過ぎると四角い赤い標識 が立ち、傍に新大日1.6kmの道標がある。この辺から尾根は比較的狭くなり、トウゴクミツバツツジがブナやコナラ、ミズナラの新緑のカー テンの中にところどころで見られるようになる。数は必ずしも多くないがすばらしい。ブナの大木の樹間にポッとピンクに浮かんで いる風景などは一日中見ていたいという衝動にかられる。
写真を写し写し進んでいくと、シロヤシオの落花が目に付く。 申し訳程度の小さい木で長尾尾根にシロヤシオが咲きますとは言える状態でないが、近づいてみる花は清楚で品があり 何度見ても見飽きない。やがて境沢分岐付近にくるとトウゴクミツバツツジが多くなり、花も盛りである。
最後の新大日の急登となる。シロヤシオ期待で登るがしばらく見当たらない。ようやく山頂直下20m位の北側にシロヤシオの 大木2本が満開の花をつけていた。この後、元来た道を戻るつもりであったが、ヒルのことがあり、気が進まない。で、三の塔 から派生しているヨモギ平の尾根を経て札掛けまで戻ることにする。これは正解だった、ヒルは全然いなかった。
書策小屋から三の塔間の表尾根を歩くのはおおよそ40年振りくらいである。そのころはがむしゃらに歩くことしか眼中になかった。 結構トウゴクミツバツツジも咲いている。時々であるが、ブナの大木も立っている。行者岳に至るやせ尾根や岩場も変化があり面白い。 いい山だと思いながらしばらく行くと、烏尾山に着く。12時も過ぎたのでここで三の塔を見あげながら昼食とする。三の塔への斜面、 まじまじと眺めるがガレていて一見登れそうない。どこがルートだろうと思案するが皆目見当付かない。不思議な山である。
そんな心配をよそに、山道はどんどん下り鞍部に達し、それからガレ場をうまい具合に登って行く。そして、ヨモギ平へ下る 道の目印お地蔵さんの所に登りついた。ここを左へ笹の中の踏み跡に入ってゆく。この道を反対側から歩いたのは昨年の4/15である。 その当時からするとよく踏まれて赤テープも付いていて全く心配がいらない。それに新緑、見違えるような美しさである。 ヨモギ平の美しさは想像し期待していたが、その途中の尾根もまたすばらしい。まるで園地である。地面には青々とした下草が芝生のように 生え、なだらかな丸みを帯びた尾根、それに大木が適当な間隔で林立し、明るく伸びやかな森の風情である。
40分弱下ると 鞍部に達し、ヨモギ平の序曲みたいな大木の疎林の明るく美しい狭い尾根を上がってゆく。そして10分も登ると明るく広々とした ケヤキの疎林の丘のヨモギ平に着く。ここのベンチに座って、三の塔、長尾尾根、ケヤキの新緑を小鳥のさえずりを聞きながら眺め る。本当に至福の時間である。ここから札掛へBOSCOオートキャンプ場に下り県道を通って戻ることも考えたが、もうだいぶ歩いて 疲れてきたので、時間のかからない、尾根を真っ直ぐゆくルートを下ることにする。
しばらくヨモギ平の余韻の残る風景であるが、 やがて高く林立した杉林の尾根道をどんどん下る。そして、1時間ほど下って藤熊川とタライ小屋沢の合流点に降り立つ。今年 の3/15に歩いた時は水量が多く徒渉点を見つけるのに手間取ったが、今回は比較的水量が少なく、降り立った地点で川に点在する 石を伝い渡りして対岸に渡り、無事山歩きを終えた。

(コースタイム)
札掛(P)6:54−丹沢ホーム分岐7:15−キュウハ沢分岐7:42−網戸(下)8:24−網戸(上)8:35− テーブル8:40〜50−自然林の始まり8:54−赤い標識(新大日1.6km)9:32−境沢分岐10:14−新大日10:45〜57 −書策小屋11:10−行者岳11:45−烏尾山12:15〜31−三の塔お地蔵さん13:02−ヨモギ平13:50〜14:00−札掛(P)15:17 


(地図)
・昭文社 山と高原地図 「丹沢」
・1/25000 地形図 「大山」


長尾尾根のブナ林




長尾尾根で見つけたキノコ




長尾尾根のシロヤシオ




長尾尾根のシロヤシオ




長尾尾根のトウゴクミツバツツジ




ヨモギ平への尾根道




ヨモギ平




ヨモギ平


< Canon EOS Kiss DN / SIGMA 17〜70mm DC MACRO にて撮影 >