A.山歩き/2.山紀行/・・菜畑山
菜畑山




ー富士山の眺望を期待して登ったが、生憎の曇り、しかし意外にもブナの美林があったー


菜畑山〜水喰の頭(03-09-15歩く)
道志側から山に1度も登っていない。何故なのか。丹沢は表から登れるし、わざわざ裏側から 登る必要がない。道志の山は丹沢の隣り、丹沢と比較すると少し見劣りするし、どうも 魅力を感じなかった。
関東近郊の日帰り登山で登れる山もだいぶ踏破し、近場で全然手のついていないのは道志の山のみ になってきたので少し気になってきた。ふと、花の山歩きという本をめくっていたところリュウノウギクの 咲く山として菜畑山があった。それに、かなり上まで林道が通じ車で手軽に登られそうである。
時間は自由になる身なので、日曜祭日はジッとしていることにしている。しかし、この三連休は 余りにも天気が良い、時間は遅くなったがリュウノウギクを見に菜畑山へ登ってみようと 出かけてみた。


登山口まで
厚木と相模湖を結ぶ412号線を津久井町の青山交差点を左折して道志道413号線に入る。 両側が山に囲まれた渓谷の村の林道入口は、林道が公道と平行していきなり斜めに上がってい たりするので意外に見つけずらい。また、この413号線は山中湖と橋本のバイパス道として結構交通量も 多く追いたてられモタモタしていられないので、林道口さがしは一苦労である。
昭文社の山と高原地図「高尾・陣場」で見ると、林道の終点はアンテナ塔のあたりであろうと想像 できるが入口が定かでない。和出村バス停と曙橋バス停の二ケ所から登山道は上がっている。道志温泉あたりから 右手をみて行くが林道入口らしきものは見えない。こういう時は地元の人に聞くのに限る、と思って 家の前を掃除しているおばさんに、車を路肩に寄せて聞いてみた。この先、左側の自動車整備工場の 前から右にそういう林道があるとのことであった。
しばらく行っても自動車整備工場らしき建物はない。町工場みたいな建物があったので、その脇の 広場に車を止めてまた聞こうと思って降りたところ、橋のたもとに「菜畑山登山口」なる小さな道標が 立っているのが見えた。そして川沿いに道が伸びていっている。 また、よ〜く見るとその町工場の脇は山中湖方向車線の「曙橋バス停」であった。 これに間違いないと、川沿の舗装された道に入って行く。
林道は薄暗い杉林の道である。 臭いのきつい養豚場の脇を上がって行くと、結構な勾配になり、ドンドン高度を稼いで行く。 退避場はあるものの林道は1車線分しかなく、対向車が降りてこないことを祈りながら吹かして登って行く。 一回で曲り切れないようなヘアーピンカーブが2ヶ所ほどあったりして、スイッチバックして登って行くと アンテナ塔の立つ林道終点広場となった。広場は約4,5台の駐車スペースであるが、車は一台も駐車して いない。広場の端にはノコンギクが群生し、木漏れ日を受けて白く輝いている。 薄暗い林道を走ってきたせいか、ことのほかまばゆい。



菜畑山へ
アンテナ塔の脇からいきなりの薄暗い杉林の急登となる。10分くらい登るとコナラ、赤松の混じる雑木林に変わり、 アキノキリンソウなどが咲き、いくぶん気分が明るくなる。さらに5分も登ると道は直登道から大きな稲妻道 を行く。一回の逆くの字の稲妻道を登りきると、今度は明るい直登道となる。 もう時期は過ぎているがトモエシオガマ、タムラソウが山道脇に咲いている。 すぐ上に道標が見えてきて山頂広場に到達する。広場には山梨百名山の標識が立ち、東屋もある。 南側は切開かれて見晴しはいいが待望の富士山は残念ながら雲の中である。
あっさりと30分くらいで頂上に着いてしまった。このまま戻るのももったいない。 道標を見ると「今倉山80分」とある。行けるところまで行ってみることにする。



水喰の頭
菜畑山の広場から西へ雑木林の中を下って行く。なかなか自然林の美しいところである。 2,3分も下ると平坦になり、思いがけず若いブナ林の尾根道になる。ブナの幹の白い模様が懐かしい。 だんだんブナの大木も現れてくる。上を見上げると、そろそろ黄葉と思うが、まだは早く新緑時のように 日差しに輝いて緑が目にまぶしい。20分ほどブナ林が続き、やがて開け林縁の道を行くようになる。
明るくはなるが藪がうるさい。しばらく行くとサラシナショウマやヤマトリカブトの花が目立つように なる。本にあったリュウノウギクはご挨拶程度に少し咲いているだけである。 やがて藪は笹に変わり、小ピークを登りきると標石と手製の標識のある水喰の頭についた。林の中で 見晴しはなにもきかない。
これから今倉山まで何分くらいかかるのかはじめて地図を出して調べてみた。 アレレ、驚いたことにもう80分とある。菜畑山の道標の80分は何だったんだろうか、と思う。 今日は遅く出てきたので既に13時である。地図が本当だとしたらここから今倉山を往復すると休憩も入 れて3時間弱かかる。そうすると16時近い、今日はこれまでと決心して戻ることにした。
帰りはブナの写真を写しながらのんびりと菜畑山へ登り返した。菜畑山に着いたが富士山は相変わらず雲の中であった。 そこから20分ほどでアンテナ塔の車の置いた広場に戻った。
林道の下りは1度通って勝手が分かっているのと、 車から見下す道の見通しがきいて上りのときより余裕ができて、周りの景色も見られるようになる。
上りでは気がつかなったが、リュウノウギクの菜畑山にふさわしく(?)林道の明るく開けたところには リュウノウギクが結構咲いている。また、下るにしたがってピンクのツリフネソウが満開を過ぎているが多く なり、ツリフネソウの花道を延々と下るようになる。珍しくキツリフネと混じって咲いているところもあった。






















(コースタイム)
自宅9:20−青山交差点10:38−曙橋バス停11:17−林道終点(P)11:30〜43−菜畑山12:10〜20− 水喰の頭13:00〜05−菜畑山14:05〜10−林道終点(P)14:30

(地図)
・昭文社 山と高原地図 「高尾・陣場」