A.山歩き/2.山紀行/・・那須・中ノ大倉山


那須平成の森から中ノ大倉山


中ノ大倉山からの茶臼岳


那須平成の森から中ノ大倉山(2012-06-05歩く)
那須御用邸用地として管理されていた森が2011-05に那須平成の森として一般に開放された。どういう森であろうかと気になり、中ノ大倉山のゴヨウツツジすなわち シロヤシオがそろそろ見ごろであるというので合わせて歩いてみた。
平成の森は一般開放ゾーンのふれあいの森とガイドゾーンの学びの森がある。 今回は平成の森の駐車場に車を置いて、ふれあいの森、駒止の滝、北温泉、中ノ大倉山の順に登り、シロヤシオの遊歩道を周回して元来た道を下山した。

那須高原SAのスマートICで降り、どうぶつ王国の標識を目印に行く。どうぶつ王国を過ぎるとT字路に突き当り、平成の森の案内に従って左折し、少し行って平成の森の駐車場に到着する。広い駐車場は駐車係員の車一台だけで静まり、 周囲の燃えるようなヤマツツジが高原の雰囲気を漂わせていた。 適当に森に入って駒止の滝の方に行けるのかと思ったら、森への入口がない。変だなと思って、駐車場の係員に聞いたところ、 管理棟すなわちフィールドセンターを通らないと森に入れないとのこと。そして、開門は9;00ということであった。開門まで20分ほどあったので、周囲のヤマツツジや新緑の写真を写しながら時間つぶしを行い、 開門と同時にフィールドセンターで散策マップをもらって、駒止の滝方面へ山道のウッドチップの道を行く。
コナラやミズナラの林の道で 所々にヤマツツジが咲いている程度で特別変わった森でない。上に登るに従い、ヤマツツジも見かけなくなる。やがて林道のような広い道に出て、左に上ってゆくと ゲートがある。ふれあいの森の駒止の滝側の出入口のようで、帰りは17;00でこのゲートが閉るので要注意である。この林道をまっすぐ行っても駒止の滝観瀑台に行くが、右の林に入って 駒止の丘に登ってゆく。ヤマツツジが咲き誇り、那須岳や朝日岳も眺望され、素晴らしい眺めである。
少し下ると駒止の滝の駐車場である。 右側が観瀑台の木製ステージとなっている。新緑の遙か下の谷で駒止の滝がたゆまなく瀑音をとどろかせている。その上にこれから登る中ノ大倉山の尾根が大きく迫っている。 観瀑台の脇から北温泉への簡易舗装の道が下っている。中ノ大倉山の登山口は谷底の北温泉である。帰りの登り返しがつらいだろうな、と思いながら急降下する。駒止の滝がより近くから 見えるのかと期待したが見えない。やがて山に囲まれた秘湯のような雰囲気ある北温泉に着く。温泉が流れているのであろうか、白濁ブルーの沢をスチールの仮橋で渡って斜面に取り付く。
ジグザクと登ってゆく。下にはシロヤシオの 落花がパラパラとあるが、上を見ても花は見えない。しかし、サルスベリのような木肌のヤシオツツジの木が結構多く、もう少し前は見事な花園ではなかったかと想像する。きつい山道、 ヤマツツジや終わりかけたミツバツツジが所々に咲き、癒してくれる。やがて、広葉樹の自然林から黒木の林に変わると傾斜が緩み、左に直角に曲がって明るい広葉樹の森へと緩やかに登ってゆく。 昭文社の地図によるとマイズルソウの記載があり、期待するがまだ早いようで、新緑以外に見るべく物はない。
傾斜が少しきつくなって登りきると、最初のシロヤシオが現れる。 シロヤシオは空の色と同化して、あまり目立たないので、黒木の葉っぱや木の幹がバックになるように自分のポジションを変えて、観察したり写真を写したしなきゃならないので結構疲れる。やがて笹が多くなると林道にでる。 そして、林道を横断して登ってゆくと本格的なシロヤシオの点在する山道となる。時々、開けて、シロヤシオの向こうに茶臼岳が眺望される。ブルーの山肌と白の残雪、薄黄緑の葉っぱに混じるシロヤシオの白、そして微妙な色合いの新緑等々、高山の 春模様が素晴らしい。また、ブナの大木に寄り添うシロヤシオも見受けられるようになる。
今までほとんど人と出会わなかったのに、思いがけなく大勢の人が向かってくるのが見える。軽装の人もいる。ゴンドラで上がって きた人たちで、丁度、周回遊歩道の分岐点に来たようだ。ここはまっすぐ、尾根の巻き道を行き、北方向の中ノ大倉山を目指す。ますますシロヤシオが多くなると同時に人も多くなる。先ほどと同様に時々開けて茶臼岳や朝日岳が望まれる。 そして、写真を写しながらしばらく行くとちょとした急登となり、これを登りきると、北温泉、清水平、ゴンドラ駅方面の分岐点に到達した。そこは標識があり中ノ大倉山の山頂でもあった。 ちょうど昼、シロヤシオとブナの木の傍で昼食とする。
昼食の後、ゴンドラ駅方面に進む。僅か行くと、シロヤシオの古木の疎林の広場となっていて、シロヤシオを観賞するには最も適した美しいところであった。 ゴンドラで上がってきたカメラマンが三脚をたてていたりしている。この後は右に一旦下り、そこから、ダケカンバやブナの大木が立ち、林床には瑞々しいヤブレガサやマイズルソウが広がる気持ちの良い広々とした尾根道を行く。
西側の尾根の巻き道は長いと感じたが、こちらはあっという間にゴンドラ駅に着く。そこから、周回遊歩道と北温泉の分岐に向かってシロヤシオの林の中を下る。途中、珍しくミツバツツジとの競演があった。この中ノ大倉山のシロヤシオの唯一の欠点は ミツバツツジやヤマツツジとの色彩いの競演がないことである。しかし、これだけの規模、贅沢は言えない。
午後になってガスってきて、開けたところからも山が見えなくなった。そのため光の廻りこみがよく、シロヤシオの花は 見えやすくなり、また、北温泉分岐から違った光線でのシロヤシを写しながら下る。平成の森では林道のようなごろごろ石の道を真っ直ぐ下ったが、特別な景色はなかった。 フィールドセンターに着いて、近くの園路を少し歩いてみた。バリアフリーになっていて、ヤマツツジ咲くカーブした遊歩道が美しかった。


(地図・ガイド)
・昭文社山と高原地図「那須・塩原」
ゴヨウツツジ群生地マップ---マウントジーンズ那須HPより
那須平成の森マップ---那須平成の森のHPより

(特記事項)
・平成の森駐車場は無料です。
・平成の森の開放時間
 4月〜11月⇒9;00〜17;00 無休 12月〜3月⇒9;30〜16;30 水曜日休館

(コースタイム)
平成の森フィールドセンター(P)9;00--駒止の滝側ゲート9;25--駒止の滝9;38〜45--北温泉9;53〜10;03--尾根到達地点(道標あり)10;31〜36-- 林道10;52--遊歩道北温泉分岐11;28--中ノ大倉山12;00〜10--ゴンドラ駅12;30--遊歩道北温泉分岐12;43--林道13;13--北温泉13;45--観瀑台13;58-- 平成の森フィールドセンター(P)14;22



那須平成の森 園路





平成の森のヤマツツジ





駒止の滝





北温泉ブルーの渓流





林道先のシロヤシオ





遊歩道合流点手前のシロヤシオ





シロヤシオの古木


Canon EOS 60D / TAMRON 18〜270mm VC にて撮影