A.山歩き/2.山紀行/・・森吉山


森 吉 山



山人平から森吉山


森吉山('10-06-25歩く)
地元の人間は意外に地元の名所を知らないし、知っていても行ってないものである。私もごたぶんにもれず我が古里の花の百名山森吉山に登ったことがなかった。実家に用事があって帰郷し、今年は6月からゴンドラが動いていると聞いて登ってみることにした。 実家から1.5時間ほど走って、8:00頃、ゴンドラ駅駐車場に着いた。駐車している車は3台ほどで、随分空いているなと思ったら、ゴンドラの始発は9:00とのことであった。実際は、並んでいるうちに準備ができたとのことで、一番で、8:37発に乗せてくれた。

一山越えて谷に下ってブナ林の樹海をさらに登り返すゴンドラ、20分弱ほどで山頂駅に着く。山頂駅に降りると、残念ながら期待していたブナ林帯は通り過ぎてしまっていて、林床が笹のシラビソなどの疎林地帯であった。 ゴゼンタチバナ、マイズルソウが咲く山道を5分も上がると、時々、右側が開けるようになり、眼下にブナ林の斜面、右上にこれから登る森吉山が見えたりする。 さすが、花の百名山、シラネアオイ、ハクサンチドリ、オオバキスミレ、タニウツギなどが見られるようになり、また、ニッコウキスゲもチラホラと咲いている。約30分ほど写真を写しながら緩やかに登ると、森吉神社 分岐に至る。
ここは右へ森吉山方面に進むが、すぐ、小さな湿原となり、また、左に森吉神社への道がある。これも見送り右に緩やかに下る。やがて小さな池塘(ちとう)が現れ、ミズバショウとイワイチョウが咲いていた。 ミズバショウというと比較的標高の低いところと思っていたので、森吉山のこのように高いところで見られ驚ろいた。 この後、緩やかに下ると、正面左にこれから登る森吉山が避難小屋あたりのなだらかなピークの奥に大きく横たわっているのが見える。下ったところにも池塘があり、イワイチョウが咲き、周りの木々が池に写りこんでいた。
ここからイワカガミの多い、 道を登って行く。5分ほど登ると避難小屋に着く。この少し先から森吉山への本格的な登りが始まる。イワカガミ、イワイチョウ、オオバキスミレ、ウラジロヨウラク、アカモノ、ハクサンチドリが咲き、チングルマも現れるが、既に殆ど散って、あの花柱の羽毛もまだ伸びていない。 やがて勾配が緩むと稚児平となり、待望のチングルマの花の群生が見られた。ここを過ぎるとすぐ先が山頂であった。
花の百名山であるので人気があるようで他のコースから登ってきた人が大勢いてにぎわっていた。 山頂は360度見晴らしが良いが、生憎遠くがもやっていて山々の同定はできなかった。この先の山人平が花が多いと聞いていたので、山人平まで行くことにしてすぐ出発する。
眼下に箱庭のような疎林の木立ちと草原の山人平を眺めながら、二箇所ほど雪渓を横断して下ってゆく。急降下なのでみるみる山人平が近づくが、帰りの急登が 思いやられる。20分弱下ると、最初にヒナザクラの群生にミズバショウの点在する湿原が現れ、次に湿原の中央の流れに沿ってミズバショウが列を成しているミニ尾瀬のようなところとなる。そこから木道が火山礫の原のようにところを 真っ直ぐと伸びている。両側にはイワカガミとチングルマの塊が色々の形をした島のように点在している。振り返って見ると、お花畑の向こうに雪渓の残った森吉山が仰ぎ見られ、ガスがゆったりと流れてゆく。
ここが一番森吉山で花の多いところのようだ。花を愛でながら少し行くと山道は二股となり、山人平も終わりのようなので、今回はここまでとし、分岐にあるベンチで小休止する。この後、同じ山道を引き返し、森吉山頂まで行って昼食とした。 もう、下りだけ、来る時と光線や方角でまた見え方が違った風景を、のんびりと楽しみながら下った。ゴンドラ山頂駅近くになると、ニッコウキスゲが、朝より花数を増やし、ブルーの山を背景に爽やかに咲いていた。


( マップ・ガイド )
・昭文社 山と高原地図 「岩手山・八幡平・秋田駒」

(コースタイム)
ゴンドラ駅8:37==ゴンドラ山頂駅8:54--森吉神社分岐9:24--避難小屋9:45--稚児平10:20〜25--森吉山山頂10;32〜37--山人平最初の湿原10:55--山人平二股11;09〜14-- 森吉山山頂12;01〜16--ゴンドラ山頂駅13;24

(特記事項)
阿仁スキー場ゴンドラの運行期間は年によって違いますので、阿仁スキー場(0186-75-3311)に問い合わせるといいです。ゴンドラ料金は大人往復1800円です。



山道脇に咲くシラネアオイ





咲き始めたニッコウキスゲ





森吉神社分岐先で出合ったミズバショウ






稚児平付近でのオオバキスミレ





森吉山山頂





眼下に山人平を望む





山人平最初の湿原にて ヒナザクラ





山人平二番目の湿原のミズバショウ




山人平


Canon EOS kissX / SIGMA DC 18-125mm OS HSM にて撮影