A.山歩き/2.山紀行/・・御坂山


御坂山・黒岳


御坂山山頂付近のブナの巨木


天下茶屋から御坂山・黒岳往復('06-08-20歩く)
今年もレンゲショウマの咲く時期になった。レンゲショウマは奥多摩の御岳山が有名であるが、比較的 近場では三つ峠周辺の山で咲いている。写真でも写しに行こうかと思うが、連れは山を歩きたいらしい。もしかしたらレンゲショウマに会えて 今まで歩いたことのない山を探してみる。御坂山、三つ峠に近い、まだ登ったことがない。もしかしたらレンゲショウマに会えるかもしれないと、 行って見ることにした。

七時頃に、太宰治の歌碑「富士は 月見草が よく似合ふ」のある天下茶屋に到着する。薄っすらと富士山が見える。 先だっての毛無山では、もっと先でいい富士山が写せるだろうと、先のばししたところガスって写せず失敗した。 今回は早速、雲の上に薄っすらと浮かんだ富士山を写す。富士山、何度写しても飽きない。一仕事終わったような気分で稜線への階段の山道をジグザグと登って行く。
山道の周りはミズナラ、コナラなどにブナの混じるなかなかいい雰囲気の自然林で、新緑・紅葉のころには良さそうなところである。25分も登ると、稜線にでる。 右は清八山、左は御坂峠である。今日は御坂峠辺りまで行って見ることで左に折れる。右下斜面をふと見ると、レンゲショウマがひっそりと咲いている。 つぼみもあり、丁度いい感じである。斜面を下って行って写せばいいが、この分なら先にもあるだろうと先に進む。
若千登ってゆくと すぐ小ピークになり、御坂山との中間ピーク1472mに向けて一旦下り鞍部から再度登る。途中、レンゲショウマ、キバナアキギリ、アサギマダラの止まっている マルバダケブキの花など写す。下る途中一箇所富士山方向の開けたところがあるが、雲がたれこめて河口湖が少し見えるだけである。 20分も歩くとピークに達し、やがて雰囲気の良いブナ林を行く。これが御坂山まで延々と続く。
かって三つ峠から清八山を歩いたことから想像したのは、ブナもあるだろうがミズナラ などの自然林が主体であろうと思っていたので、そう太いわけでないが、この尾根のブナの林立感には驚きである。 そして、こんな登りやすい近いところにブナ林があるとは、儲かったという想いであった。湘南からブナの写真を写すのに、距離的にも近く、山歩きのアルバイトも比較的少ないというと、 山中湖の上の三国山と箱根芦ノ湖の上の三国山あたりである。それに次ぐブナ林撮影スポットと思われる。
ブナの写真を写しながらのんびりと50分位登ると御坂山に到着する。 山頂の御坂峠寄りは平坦な尾根となって、自然林の林床にはマルバタケブキ、サラシナショウマ(花は8/末頃)、レンゲショウマ が多く、ブナ、ミズナラの巨木もわずかであるが存在感を示して立っている。

花や巨木を写した後、しばらく行くと潅木が多くなり、下りだし、見晴らしの良い 鉄塔の立つ鞍部に達する。生憎、雲が垂れ込めて富士山は見えない。鉄塔の周りはお花畑になっていて今回のコースでは一番である。そして尾根の先には結構なピークが見える。それを越えて下ると 御坂峠であることを地図で確認して小休止の後出発する。結構なピークのはずが割合と簡単にフラットになる。ピークの左を巻いているようである。このフラット道は短かいがブナ林でまた雰囲気が良い。
まもなく小笹とコナラ、ミズナラの道を急下降すると茶屋の屋根が見えてきて御坂峠に到着する。こじんまりした峠で圧迫されそうである。犬ずれの長野県からきたという男性の単独行 の男性が休んでいる。黒岳往復してきたとのこと。黒岳まではそうきつくなく一時間でいけるとのこと。今日はこれでおしまいにしょうかと思ったが、きつくないというのを聞いて行って見ることにする。
御坂峠から樹林帯にすぐ入る。フラット道でブナの大木の点在する雰囲気のいい道である。 10分も行くといよいよ緩やかに登りだし、ミズナラやコナラの自然林にブナの混じる山道をひたすら行く。時々アサギマダラの舞うマルバタケブキや レンゲショウマの花が現われる。40分も行くと少し岩の混じる最後の急登に差しかかる。15分ほど我慢して登ると見覚えのある 黒岳の「やまなしの森林100選、黒岳のブナ、ミズナラ林」となり黒岳に到着する。
山頂には団体さんが陣取っていて、インスタントラーメン の香りがする。豊かなブナ林には似つかわしくない香りである。早々に展望台に行く。まだ、昼食には早かったが昼食とする。日が差して来て暑く、お天気は改善されているように思えるが 眼下に河口湖がかろうじて見えるだけでその上の富士山は残念ながら見えない。
昼食を済ました後、来る時と日差しの関係でまた変わった印象のブナ林やレンゲショウマをのんびり写しながら元来た道を下った。 今日は、レンゲショウマにも会えたし、ブナ林の思わぬ発見もあったし、御坂峠までの予定が黒岳までこれたし、大満足の山歩きであった。


(地図)
* 昭文社 山と高原地図 「富士山 2006年度版」

(コースタイム)
自宅5:00==東名厚木IC==御殿場IC==東富士五湖道路==河口湖大橋6:36==天下茶屋(P)6:50〜7:00--稜線分岐7:27-- ブナ林の始まり8:00--御坂山8:49〜57--鉄塔9:23〜34--御坂峠9:54〜10:01--黒岳10:59--展望台11:04〜25--黒岳11:30-- 御坂峠12:21--鉄塔12:38〜45--御坂山13:07--天下茶屋分岐13:50--天下茶屋(P)14:07






天下茶屋から尾根への山道




御坂山付近のブナ林




ブナ林のハクサンフウロ




ブナ林




ブナ林のマルバダケブキ




御坂山付近のミズナラの大木




御坂山付近のレンゲショウマ




御坂山付近のレンゲショウマ




御坂山付近のサラシナショウマ




御坂峠先のブナ林




黒岳のアサギマダラ




[CANON EOS Kiss DN /SIGMA 17-70mm DC MACRO にて撮影]