三毳山
( みかもやま )
カタクリは早春のやわらかい日差しを受けて透き通るようにピンク色に輝いていた





三毳山('05-03-30歩く)
今年は雪が多くカタクリもいつ咲くのか予想がつかない。昨年あたりだともう3/末は見ごろをすぎていた。そんなことで、カタクリ を見に行くのはあきらめていた。ところが、三毳山へ行く2,3日前に関東地方のテレビでカタクリの画像を流していた。どこかはっきり わからなかったが三毳山に間違いないだろうと急遽行ってみた。
車で行くハイキングは車をどこに置くか、それからどう車に 戻ってくるかいつも悩むところである。三毳山には東西南北4箇所の駐車場がある。ところが東西南は県営駐車場のようで9時ごろ からしか開かない。北のカタクリの里は地元で管理しているようで、電話したところ、8時であるが早くくる人がいるので、7 時ころからは早出して開けている、ということであった。それでカタクリの里に駐車することにした。普段は無料であるが、カタクリの 時期は一日500円である。
次はどのようなコースとするかである。インターネットで断片的に調べると北のかたくりの里と中岳の東斜面にカタクリが 群生しているようである。あと、折角行くのだからと三毳山神社、野草の園、湿生自然植物園によることにした。戻りは湿生自然植物園 あたりから三毳山の東側の山麓の道をカタクリの里へ戻ることとした。

カタクリの里の駐車場に7:30頃に着いた。さすがにまだ車は少なく、せいぜい10台位だったろうか。カタクリの群生地は 駐車場から歩いて5分ほどである。ようやく東の尾根から太陽が顔をだした状態で、尾根の裏側に位置するカタクリの群生地には ほとんど日差しが届いていない。そのため、花は閉じうつむいている。裏側の花の色が見えるせいか全体的に色の薄いカタクリに 見える。開いたのを探して写しながら上に登って行く。少し上がるとアズマイチゲもあるがこれも花を閉じている。山歩き のために早く来たが、花はまだお目覚めでないようで、次の群生地に期待して三毳山方面の道標にしたがってコナラ林の斜面を 登って行く。
よく整備されているが、階段が多くてあるきにくい。登りきると平坦になり、空に向かって高くのびたコナラの林立、 朝日に白く輝く繊細な枝々が美しい。少し行くとアンテナ塔の立つ三毳山(青竜ガ岳229m)である。西側の展望がよいが 晴れている割りには視界がきかない。つめたい北風が強く、早々に下る。下る斜面にはもうヤマツツジがわずかであるが咲いている。 つぼみが付いているか見たが少ない、今年はつつじは不作なのかもしれない。ここを境にして、これより先の南側はみかも山公園である。 先ほどのカタクリの群生地は「万葉自然公園かたくりの里」というようである。
この後大体平坦なところを行く。3つほど左右に降りる 分岐を見送ってゆくと舗装道路が横断している。これを突っ切ってさらにコナラ林の少しアップダウンのある山道を行くと、三毳山の 名石花籠岩がある。そしてまもなく三毳の関に出る。ここも舗装道路が横断している。これも突っ切って急な階段を登り名石の犬石を 経て行くと舗装道路の横断している山頂広場に至る。
ここには東屋・トイレ・案内板がある。ここで一休みした後、中岳へと向かう。 5,6分も登ると三角点のある中岳に着く、狭い山頂で先客がいたので、写真を一枚写して下った。緩やかに少し下るとパラグライダーの発着点になる。見晴らしが極めてよく、 気持ちがいいところである。そして少し鬱蒼と茂った森の中の階段を登ると三毳神社の奥社に着く。ここから先はわんぱく広場と か人工の香りが濃い園地となっているようなので、縦走はここまでとして、中岳に戻り、そこからかたくりの園に下ってゆくことにする。
中岳からの下りでは、木の間から先ほど通ってきた青竜ガ岳が意外にもピラミット形で立派に見える。約10分ほど下ると階段の右側斜面にカタクリが現われる。 早春のやわらかい日差しを受けて、透き通るようなピンクの花びらをくるんと跳ね上げて愛くるしい。かたくりの里のものより小型で 色もきれいで、別の品種かと思ったほどである。下に行くと左右にかたくり観察路が伸びている。はじめに右に行き写し、次は 左の観察路に行って写す。コナラであろうか高い木立の疎林の下に早春の日差しを受けてピンクに輝いて寄り添って咲く姿はすばらしい。 手入れされているのであろうか潅木がほとんどなく見通しもよく写真を写す際のうるさい枝もないすっきりした美しい風景である。いままで いろいろなところのカタクリを見てきたが風景的には一番のような気がする。
この後、野草の園の方に階段を下ってゆく。その時10時半ごろであった。ツアーの一番バスあたりが到着したのであろうか団体さんが一杯 登ってくる。野草の園にはアズマイチゲの群生があった。アップや風景を写し、今度は湿生自然公園の方に行く。こちらの方には 人はほとんどいない。めぼしい花もまだ早く何もないが、池があり、鴨が岸辺で羽をやすめ、冬枯れの木立が水面に映りこみ、静かな たたずまいを見せている。それを一人占めで写す。なんと贅沢な至福のひと時であろうかと思う。
この後、地図では戻ってとちぎ花センターの入り口 の前の車道をかたくりの里方面に行くことになる。しかし、この方が近いと思って、とちぎ花センターの敷地の北側の金網フエンス沿い の道を入ってゆく。そうしたところ車道にかかる陸橋(下に添付略図の右下)があり、それを渡り、採石工場の敷地を通って車道にでるこ とができた。 この後は200mほど行って左のみかも山沿いの裏道にはいり、春爛漫のオオイヌノフグリ、タンポポ、ホトケノザ、ツクシ、オドリコソウ、 トウダイグサなどの花を愛でながらしばらく行く。銅像のある慈覚大師誕生の地に着くと まもなく今朝方通った広い車道にでる。そこを左折してかたくりの里の駐車場へと戻った。

●コースタイム
自宅4:35==佐野藤岡IC7:11==かたくりの里駐車場(P)7:22〜26--かたくり群生地7:35〜50--三毳山(青竜ガ岳229m)8:17-- 三毳の関8:48--山頂広場8:56〜9:04--中岳9:11--三毳神社9:20〜27--中岳9:36〜43--かたくり園9:52〜10:24-- 野草の園10:37〜45--湿生自然公園10:53〜11:02--陸橋11:10--慈覚大師誕生の地11:31--かたくりの里駐車場(P)11:40

●略図
かたくりの里には、遊歩道があります。かたくりを見終えましたら三毳山方面の道標にしたがって登ると下の略図の青竜ケ岳(三毳山) に着きます。その後は下の略図のとおりです。


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