奥武蔵・日向山と丸山

奥武蔵・日向山と丸山



琴平神社付近より武甲山を望む


奥武蔵・日向山と丸山('05-03-24歩く)
先日、四阿屋山に登るのに秩父の山を調べていて、奥武蔵の「山の花道」と言うところが気になった。 カタクリの咲くころ出かけてみょうと思っていたが、思い立つと気になってしょうがない性格、まだ早いと思ったが行って見た。 しかし、今年は雪が多かったせいか、まだ、山の草木の芽吹きには遠く、結果的には下見になってしまった。4/中旬が 最適と思う。
ブルーガイド・ハイカー「奥多摩・奥武蔵の山々」では芦ヶ久保を基点に日向山・山の花道・丸山・大野峠・赤谷・芦ヶ久保というコースが載っていたが、 大野峠以降は魅力のある 記事はなかったし、国道を歩くのも退屈なので下の添付地図のように丸山往復とした。

秩父鉄道の芦ヶ久保駅の近くに道の駅「果樹 公園あしがくぼ」ができた。そこに車を置いて歩き出す。白髪神社のところに道標がある。とりあえず「山の花道」を 目指して歩道と書かれた左斜めに上がる道を上がってゆく。結構勾配のきついコンクリート舗装の農道である。あえぎながら登って行くと、 突然、お勤めでこれから電車に乗るのであろうか通勤服姿のお嬢さんが下ってくる。なんだか場違いな感じがしたが、さらに上に 上がるとあしがくぼ果樹公園になっていて結構民家がある。今はイチゴ狩りを売り物にしているようでのぼりがたっている。
あしがくぼフルーツガーデン手前のYの字路を左に上がりながら右に回りこむと道標が立ち、「花の山道」へは林の中の山道へと導いている。 薄暗い杉林の平坦な道を行くと直ぐ明るくなり、冬枯れのコナラの林の向こうに園地が見え、滑り台まである。そこは農村公園であった。 紅梅が咲き、湿地には水芭蕉まで咲いている。ここを左の雑木林の遊歩道に入ってゆく。直ぐ分岐となり、右でもいけるようであるが、 琴平神社・日向山方向へ道標に従って左に行く。やがて小さい沢をわたり、左に巻くように行くと左から上がって来た山道と合わさり、尾根伝い に右に緩やかに登って行く。淡い黄色のマンサクやクロモジの花が冬枯れのさびしいコナラの林に彩りを添えている。 やっと秩父の山も春がこようとしている、と思いながら緩やかに登って行く。
しばらく行くと源寿院から登ってきた 山道と合わさり、大きな尾根を登って行くと、左手の谷間に果樹園と家が見え、廻り道してきた農道のコンクリート道にひょこりと出る。 左手に見えた果樹園は小峰ぶどう園である。ここの高台から眼下のぶどう畑と白梅越しに見える早春の武甲山の景色がすばらしい。
直ぐ丁字路の琴平神社の入り口に着く。そこより鳥居をくぐって日向山へと自然林の山道を登って行く。ずっと階段である。 あえぎあえぎ登りついたところは左側が自然林で、武甲山側の右手は果樹園が直ぐ山道の脇まできていて大きく開けている。 標識があるかと思ったらそのうち下りだす。少し下って好ましい自然林の中を登り返すと日向山に着いた。山頂はコナラなどの 自然林で囲まれ静かなたたずまいである。南側の武甲山方向が開け、山の同定盤がおいてある。一通り写真を写した後下る。
冬枯れの木々の間からは丸山の方にのびている林道や山の花道の施設であろうか左下に建物も見える。勾配が緩やかになると 右下に林道と駐車場が見える。ここまで車で来て「花の山道」を散策できるようである。 左側斜面が園地の林道に平行した山道を行くとやがて林道に降り立ち、そこには「花の山道」の案内看板があった。 現在、咲いている花は何だろうと見てみる。周りの草木の芽吹きはまだほとんどないことからすると、セツブンソウくらいであろうか。 先だってセツブンソウは見たので、寄り道しないで丸山に登ることにする。
林道を登って行く。直ぐ二股になり、その右脇に道標があり、杉林に入って行っている山道が丸山への道であった(F)。 薄暗い杉林の道を行く。少し行くと杉の林立の美しいところとなり、大きな岩の傍に鳥居があって祠が祭られている。その脇を 抜けると若木の杉林となる。道はVの字に掘れ、残雪のためにぬかるみの道で歩きにくい。しかも見るべきものない。我慢、我慢である。 約25分ほど登って明るくなり、防火帯の道(G)にでた。左は県民の森、右は芦ヶ久保である。
ここより防火帯の広く明るい道なので気分的 にも開放される。石仏もあり、そのうち防火帯の道が太いさくら並木となる。これらからすると結構古い道のようである。 やがて林道を横断する。添付の下の丸山付近の1/25000地形図の丸山に直接行く道は廃道になっている。林道からさらに残雪の多い道を 15分ほど登ると県民の森の案内板と東屋のある丸山の分岐点(H)に達する。
ここの案内板には丸山展望台まで薄い字でく5分とある。ガイドでは10分である。これくらいならザックをおいて往復したほうが手っ取り早い と思い置いて出発する。直ぐ前にピークがある。登ってみたら丸山でなかった。先を見ると残雪の多い道が一旦下り鞍部の向こうに残雪のべ ったりついた手ごわそうな高いピークが見える。防寒具、食料の入っているザックを置いてくるんじゃなかった、と後悔するが、 幸いにも青空も見え日もさしてきたのでそのまま強行する。
あれほど競っていたピークは鞍部まで降りると大したことない。こういうことは良くあるが、目の錯覚であろうか。雪の踏み跡のとこ ろは凍ってすべる。踏み跡のない脇をざくざく踏みながら登る。そうすると、上に山の風景には似つかわしくないコンクリートの建物が 見えてくる。近づいて見るとそれは展望台(K)であった。一応、上がってみた。なかなか展望はよさそうであるが、生憎、天気がいまいちで見通 し効かず、周りの景色の写真を写して早々に引き上げる。
鞍部のところで始めて人と会った。鞍部の下は林道のトンネルになっていてその近くに 駐車スペースもあるようで、そこに車をおいて登ってきたとのことである。小ピークを登り返して下り、県民の森の東屋に戻り、昼食とする。 寒気が南下してきていること、残雪があることから吹き付ける風は冷たい。早々に昼食を済まし、元来た道を下った。
帰りは早い、やがて防火帯の分岐に着いた。登ってくる時は右の花の山道の方から来たが、帰りは防火帯の道を真っ直ぐ下る。 防火帯の道は直ぐ終わり、杉林の道を延々と下る。ところどころ雑木林になるが見るべきものはない。約30分ほど下ると、民家の裏を通って コンクリートの農道に出る。そこから道標にしたがって下ると変形十字路となる。下に下る道が二本ある。どちらでも芦ヶ久保駅のほうには いけるが急に下っている道を選んでゆくと、見覚えのある農村公園の脇にでた。後は今朝ほど歩いてきた道を道なりに下って道の駅・果樹公園あしがくぼ に着き無事ハイキングを終えた。

●コースタイム
自宅4:50==道の駅・果樹公園あしがくぼ(P)7:58〜8:07--山道入り口(A)8:27--農村公園8:35--琴平神社・日向山分岐8:39--小峰ぶどう園 9:03--琴平神社9:06--日向山9:30〜35--林道花の山道入り口(E)9:50--丸山登山口(F)9:56--防火帯(G)10:20--林道10:46--県民の森東屋 (H)11:00--丸山(K)11:25〜31--県民の森東屋(H)・昼食11:55〜12:15--防火帯(G)12:39--山道終点13:11--変形十字路(L)13:20-- 道の駅・果樹公園あしがくぼ(P)13:50

●特記事項
ここは新緑の果樹園の花が咲くころ、のんびりと花の山道まで登り、山野草を観察するか、車で上がって、花の山道と丸山を含めた県民の森 の散策がよさそうである。参考までに花の山道の案内板を添付しました。

●地図:
丸山付近の地形図(1/25000地形図)

●略 図
あしがくぼ果樹公園村ハイキングマップ


果樹公園村の道標



果樹公園村のいちご狩りののぼりと武甲山



果樹公園村のサンシュユ



日向山山頂



丸山山頂付近の残雪



丸山山頂付近の残雪



丸山山頂