A.山歩き/2.山紀行/・・箱根・丸岳home


箱根・丸岳


「秋の兆し」


箱根・丸岳(2011-08-30歩く)
一か月弱の孫との夏休みのお遊び相手も済んで、ようやく山に行けるようになった。年と夏バテが重なり、体力もなくなっている。 まずは近場の軽いところを探す。箱根の山で、スカイラインと途中まで並行していて、退屈なハコネダケの尾根道を想像させる 湖尻峠から乙女峠の外輪山、今回は足慣らし、景色などどうでもいいと思って、湿生花園を起点に、その一部の乙女峠から長尾峠まで歩いてみた。 思い込みはいけない、意外にいいコースであった。

湿生花園の駐車場に車を置く。地形図を見て、できるだけ国道138号線を通らないよう にして乙女峠口に行く。途中、東急箱根仙石原リゾートヴイラを左に見て、突き当って右に別荘地を道なりに行くと、国道138号線の乙女口バス停の近くに出る。 そこまでの途中はシュウカイドウ、ツリフネソウ、シシウド、センニンソウなどの花が咲き和ませてくれる。
乙女峠登山口から乙女峠までの登りが本コースでの一番の登りである。杉の植林地をしばらく登ると、涸れ沢沿いの石のごろごろした道を行く。 やがて広葉樹の斜面をジグザグと登っていく。残暑厳しいが、木陰の道が続き、台風が接近しつつあり、風があったので助かった。
もう、下ってくる人がいる。富士山が良く見えている とのこと、上に上がるまで雲がかからないことを願いながら黙々と登る。ブナの大木が現れて、大分上まで来たことを実感する。山道はさらに大きな稲妻型に変わり、しばらく登ってゆくと待望の乙女峠に着く。 大分古くなった木製の富士山展望台に登って富士山をみる。
台風のせいか、すっきりした富士山がみえ、久しぶりにきれいな富士山を見るような気がする。しかし、以前来たときより、木が茂って視野が 狭くなったような気がする。そろそろ昼であるが、なんとなく鬱蒼として落ち着かない。丸岳の方に進むことにする。
少し行くと、丸岳の方から単独行の男性が下ってきた。途中、富士山が見える見晴らしのいいところありますか、と尋ねたところ、丸岳までないという。 仕方がない、途中、適当なところを見つけて弁当広げることにする。鬱蒼とした感じの山道が、意外にも、まるで園地の遊歩道のようなところとなる。 春ならば富士桜やズミがさぞかし綺麗だったろう、と思わせる。木々の間からピークらしい山が見えてくる。丸岳にしては早すぎる。1141mのピークらしい。 乙女峠までのアルバイトでくたびれた。登る前に昼食とする。
台風接近で風が吹き抜け涼しい。昼食で元気を付け、ピークに向かって 登りだす。ハコネダケの退屈な山道を想像していたが、いやいや、ブナの木が徐々に多くなり、芦ノ湖西側の三國山程でないが、ブナの大木も見られ、得した気分になる。 それからはブナの混じる広葉樹の森が続く。見晴らしはよくはないが、緑のトンネルの山道は爽快である。
やがて下り登り返すと、右下に 下る標識のない山道がある。どこへ通じる道だろうと思いながら見送って少し行くと、右側が開け、アンテナ施設と澄み渡った富士山が見える。しかし、写すとなると、手前の 木々に遮られ、アンテナも入りそうですっきりしない。これは先ほどの道を下ったところがビューポイントに違いない、と思い引き返す。それが正解であった。少し下ると、ステールで作ったテラスがあり、 富士山の眺めが抜群であった。台風の接近で、空気が澄み、いい形の雲が富士山の上をゆったりと流れている。 素晴らしい富士山、この夏にこんないい富士山が見れるとは・・・(上の写真、秋の兆し、という画題とした)。
思う存分撮影し、丸岳山頂に行く。そこは芦ノ湖側が大きく開け、眼下にマッチ箱のような大箱根カントリー のフエァーウェーが島のようにみえ、その上には大涌谷を抱き込んだ神山がどっしりと横たわっている。しかし、残念なことには振り返っても富士山は見えない。ここから先は風景が一変する。 熊笹の原に伸びる防火帯のような山道。左に先ほどの風景を見下ろしながら下る。これもまた、いい気分である。
足元に秋の草花が咲いていないか 探すが、ギボウシのような小さな紫の花やハンゴンソウが僅かに見られるだけで、残念ながら草花は少ない。二回ほど急降下すると、富士見台ということころにいたる。木製の展望台があるが、周りの木々が大きくなって 先ほどのアンテナ設備からみた目には物足りなく、一枚だけ写し、先に進む。これより灌木の中の道となり、丈の大きいハコネダケが出てくると、 やがて長尾峠という道標が立つところに至る。
少し下ると、 仙石原・湖尻峠の分岐点となる。ここから左下に仙石原へ下る。車道に出て、古びた休業中の茶屋の脇からさらに下る。この下りは杉の荒れた植林帯で 見るべきものは何もなく、黙々と下る。足がガクガクしたころ、大箱根カントリーの間の遊歩道に降り立つ。道標に従って仙石原方面へ左に行く。 遊歩道には時々、キク、キツネノカミソリ、ツリフネソウ、ミズヒキなどが見られ、疲れた気分を和ませてくれる。
やがて、道標はメインの道から 外れ、右に導く。小さな橋を二つほどわたると、早川沿いの遊歩道となる。川を渡る風が心地よい。 途中、ベンチに腰かけて小休止する。元気を取り戻してさらに行くと、早川に掛かる橋を渡る。対岸に渡ると、どうしたことか、遊歩道は戻るように 導く。そのうち早川と離れ、また北の方角に向きを変えて、仙石原方面へ道標に従って行く。やがて、湿生花園500mの標識のある広い車道に出る。そこから民家の庭先や空き地のコスモスなどの花を 愛でながらゆくと、やがて湿生花園の駐車場が見えてくる。


(地図・ガイド)
・昭文社 山と高原地図「箱根」
湿生花園から乙女口までの行程

(コースタイム)
・湿生花園(P)9;30--東急リゾートビラ9;54--乙女口バス停10;15--乙女峠登山口10;18〜25--乙女峠11;33--昼食地11;55〜12;16--1141mピークブナ林12;35--丸岳12;58〜13;05 --富士見台13;25--長尾峠(仙石原・湖尻分岐)13;38--大箱根カントリー遊歩道14;24--早川遊歩道ベンチ14;53〜15;00--湿生花園(P)15;32




タマアジサイ 乙女峠への山道にて





1141mピーク手前の尾根道





1141mピーク手前の樹木





1141mピークのブナ林





丸岳から芦ノ湖方面を望む


Canon EOS 60D / EF-S18〜135mm IS にて撮影