A.山歩き/2.山紀行/・・黒斑山
黒斑山
(蛇骨岳・仙人岳)




< トーミの頭より黒斑山と蛇骨岳方面を望む >

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黒斑山 ー蛇骨岳・仙人岳ー (04-07-21歩く)
7/13浅間山のカルデラの湯の平・賽の河原へ浅間山荘からに登った時、周りを取り巻く魅力的な荒々しい岩峰の外輪山の稜線を一度は歩いてみたい ものだと思った。歩くなら花の時期と思い、今回、車坂峠を起点に表コース、黒斑山、蛇骨岳、仙人岳往復、裏コースというルートで歩いてみた。

いつものように自宅を4:00ころ出発する。チェリーパークラインを登って行くと下の方ではヤナギランが、峠近ではシモツケが、斜面をピン クに染めていた。高峰高原ホテル前の駐車場に車を置いて身支度して出発する。 もう登山口の鳥居のところからシモツケ、ミヤマシャジン、ミヤマホツツジ、オンダテなどが歓迎してくれる。中コースの道を見送り 表コースに入ってゆく。山道の周りは岩が散在し、その間に高山植物の花が咲いていて、名前のプレートまで立ててあり、まる で高山植物園の中を登って行くようである。
カラマツの茂る岩の多い山道を花をめでながら緩やかに登って行くと、車坂山のピークに 達したのか下りだす。左斜面はお花畑にしたいような青々とした広い草原であるが、クルマユリと黄色の花が少し咲いている程度である。鞍部 を過ぎると山道はガレの道となり、オンダテの多い道を急登して行く。後ろを振り返ると水ノ登山が競りあがってきて、眼下に高峰高原ホテルも見える。
鞍部から20分も登ると幾分樹林の多いと道なり、さらに10分も歩くと土のやわらかい感触のフラット道となる。 そして、前面にはトーミの頭、槍ケ鞘とその鞍部が望まれる。フラット道はそう長く続かず、すぐ丈の低いシラビソの登りとなり、やがて鞍部から浅間山が顔を出しだすと と右に廻り込み、金属製のトーチカ状の避難小屋に達する。ここまで車坂峠から休みも入れて1:30であった。
ここからは右が開けて、トーミの頭・槍ケ鞘間の鞍部へ浅間山を見ながらの下りとなる。鞍部に降り立つと中コースと合流し、右の眼下には 先日歩いたカモシカ平付近の山道が見える。カモシカ平付近から見上げるトーミの頭・槍ケ鞘は恐いほどの荒々しさであったが上に立つとそれほどでもない。 鞍部より岩の多いガレ場を登ると岩場のトーミの頭に達する。トーミの頭から眺める外輪山と眼下のカルデラの景色がすばらしい。外輪山は黒斑山から Jバンドまでぐるっと見渡せられる。そして目の前には浅間山がどっしりと大きい。
トーミの頭から少し行くと湯の平に下る草すべりの道が右下に下っている。覗いてみるとジグザグに思ったより緩やかに下っている。 すぐ登りとなり、10分ほど登るとひょこりと標識の立つ黒斑山に達する。写真を写して後、先に進む道を確認する。噴火のひどいときは 立ち入り禁止のロープがあったと聞いているが今はない。裏コース経由で車坂峠に戻ることで先に進むことにする。
湯の平から見上げた切れ落ちた岩壁の稜線のイメージが強いので慎重に進むが、最初のうちは、山道は稜線の左の樹林帯に付けられておりそれほど 心配はいらない。しばらく緩やかに下ると開けてきて稜線歩きになる。道の土は砂状で滑らないので助かる。注意するのは、余りにも景色がいいのでそれ に見とれて岩や木の根につまずいて転ぶことである。そのため、周りを見るときは立ち止まって見ることにして足元を注意して進む。
黒斑より25分くらい緩やかに下ると岩の多い道を少し登り返す。そうすると左に裏コースの標識の立つところに至る。振り返るとその傍の大きな岩に 蛇骨岳の標識が立っている。まだ11:00である。地図を出してもう少し行けるかコースタイムを調べてみる。仙人岳までは20分で行けそうである。 戻ってくると丁度昼時、仙人岳まで行ってみることにする。
ここからは一部岩場の下りもあるが稜線の両側とも見晴らしの良い快適なコースである。左には嬬恋村のキヤベツ畑の模様、輝く田代湖が見られ、 右には相変わらず浅間山が大きい。浅間山頂の左にはお釜の一部が見え、噴煙が上がっているのが見える。 仙人岳は右に切れた白ガレの壁の上のピークである。仙人岳に近づいて見ると左をまいてJバンドの方に行く道が見える。しかし、今回は仙人岳までであるので 直登することにする。山道は砂礫の道で滑りやすい。5分くらい慎重に登ると三等三角点の標石が斜めになって埋まっている山頂に着いた。 360度の展望である。10分ほど写真を写したりしながら休憩した後蛇骨岳へと戻った。
蛇骨岳で昼食の後、裏コースに入ってゆく。シャクナゲが多いがもう終わっている。道はシャクナゲ、シラビソの若木の 密集しているところを切り開いたもので、視界は何もきかない。樹間も密集して何も見通しがきかない。息の詰まるような道である。 いつかは開けたり、景色のいいところもあるだろうと期待しながら黙々と歩く。草花といえばコゼンタチバナ、花の終わったイワカガミ位のものである。 結局1時間期待して歩いたが、変わらないそんな道であった。
営林署の標識プレートが18番になって、ようやく、下草が小笹で大木の茂る見通しの良 い明るい緩やかな山道となってホッとする。ここからは好ましい道であった。明るいカラマツの疎林の斜面のところどころに大きな株のシャクナゲが 点在している。まるで園地の中の道のようであった。シャクナゲの咲くころはどんなにすばらしいだろうと思う。時期的にはいつだろう、少し 残り花もあったくらいだから7月上旬頃ではないだろうか。やがてアザミやクルマユリ、マルバダケフキなどの花の咲くお花畑になって 中コースと合流し、右に車坂峠のスキー場の建物が見えてくるとまもなく車坂峠であった。
今回はトーミの頭付近でご婦人の二人連れにあったきりで、本当に静かな山歩きであった。帰りのチエリーパークラインでは 、シモツケ、ヤナギラン、ヒヨドリソウなどの花の群生を写し、山の余韻を楽しみながら下った。

  • (コースタイム)
    自宅3:50==関越練馬IC5:15==上里SA6:00〜25==佐久IC7:20==高峰高原ホテル前駐車場7:55〜8:05--車坂山下鞍部8:35--避難小屋9:35 --トーミの頭9:50〜10:00--黒斑山10:15--蛇骨岳10:55〜11:00--仙人岳11:20〜30--蛇骨岳(昼食)11:50〜12:10--(裏コース)-- 小笹と大木<営林署プレートNO-18>13:10--中コースとの合流点13:45--高峰高原ホテル前駐車場13:55

  • (地図)
    ・昭文社 山と高原地図 「浅間山・軽井沢」2004年度版