A.山歩き/2.山紀行/・・花見ケ原から黒檜山


花見ケ原から黒檜山
(くろびさん1828m)


ダケカンバとツツジの豊かな森を登って行くと小沼が見えてくる

花見ケ原から黒檜山('08-10-21 歩く)
10月の中旬になると那須の山の紅葉の便りが聞かれる。今年の紅葉は一週間ほど早いという話もある。こういうことを聞くといても立ってもいられない 気持になる。しかし、折角行って紅葉が過ぎていたりすると、また、がっかりである。というようなことで、どこへ行こうかと迷う。 赤城山はどうかと思う。大沼あたりの湿原の写真みると草紅葉は終わりかけている。 しかし、標高の低いところから登るとどこかで紅葉と出会うはずであると思い、地図をみる。そして発見したのが花見ケ原コースである。

関越から北関東自動車道に入り、伊勢崎ICで降りて大間々に向う。大間々で122号線に入り草木湖の方に向う。 道の駅「くろほねやまびこ」を目標に行く。道の駅を過ぎると間もなく沼田に抜ける県道62号線へ左折して入る。後は道なりである。 途中、利平茶屋森林公園への道を左に見送り、さらに延々と道なりに行くと、周りの山も色づき、やがて「花見ケ原キヤンプ場」 の看板が見え、左折して舗装された1.5車線程度の林道を進む。思ったより長い。正面にきれいに紅葉した山肌が見え隠れしだすと、間もなく キャンプ場である。
キャンプ案内棟の前の広い駐車場に車を置く。キャンプ場は冬季の休みに(10/1〜4/28)入っている。 まだまだ周りは紅葉しているのに車は一台もなく、ひっそりと静まりかえっている。このコースはメジャーでないようである。
案内棟の脇に立つ黒檜山への道標にしたがって、キャンプ場を横断し、ツツジ園の道を行く。大きな株のツツジがあちこちにある。 自然なものなのか、植えたものなのか分からないが、枝や葉っぱからして、ミツバツツジかヤマツツジではないかと思う。ツツジ園を過ぎるとT字路 にぶつかる。
ここも道標にしたがって右に行く。後は一本道である。ここから黒檜山まで標高差が600m余ある。その割には緩やかに上って行く。 周りは白樺、ダケカンバが目立つ。そんな中に黄色や朱色のカエデの高木が点在し、白樺やダケカンバと青空に向って競いあっている。そのコントラストが実に美しい。
林間のアチコチにツツジが点在している。ツツジ園があるくらいだから、しばらく多いだろう、と思って行くが、これが途絶えることがない。 山頂まで続いていた。春から初夏にかけて、野原一面のツツジもいいが、新緑の木立ちの中にピンクや朱色のツツジが点在する風景も、また、風情があるのではないかと想像させられる。
紅葉の多い緩やかな傾斜の山道を1時間余登ると、紅葉のカエデ類は少なくなってダケカンバの大木が多い山道に変わる。 さらに行くと、ミズナラの巨木の立つ大石の河原のようなところを経て、青空に白樺、紅葉のカエデ、ダケカンバ等が映える正面の高台へと 大きくUターンしながら登ってゆく。登りきると丁度 花見ケ原2km黒檜山2kmの中間地点となった。そこから10分も行くと石のゴロゴロした ダケカンバの巨木の多いところとなった。なかなかいい雰囲気のところで、行きも帰りもたくさん写真を写してしまった。
さらに10分ほど緩やかに登ると木道となり、 園地のような名残りモミジの多い雰囲気のいいところとなった。これを過ぎると、勾配がややきつくなり、木段を 登る。そうすると、またまた、ツツジが多くなり、赤城のツツジの説明板が立っている。やっと登りきると木立ちの間の正面に谷を隔てて大きな尾根が見える。 まだまだ遠い黒檜山である。黒檜山に向って左に尾根が廻りこむように続いているようで、尾根に沿って左に行き、さらに右に緩やかに廻りこみながら登って行く。 やっと黒檜山0.5kmの道標となる。
ここから展望が開け、薄いガスで霞んだ長七郎山と小沼が高く見える。山道は細いダケカンバの美しい林立の中を登って行く。 真っ赤なナナカマドやドウタンツツジが彩りを添えている。右前方に黒檜山が迫ってくる。ひと登りして少し行くと、駒ケ岳・黒檜山分岐となる。ここを右に行くと、 大沼からの登山道と合流し、すぐに山頂に着く。花見ケ原コースは誰とも出会わず静かだったのに、山頂は大沼から大勢登ってきて大賑わいある。
山頂で昼食を取り、また、元来た道を下る。誰とも出会わない静かな道、カエデの名残りモミジ、ダケカンバの巨木、青空に映える白樺とカエデ、などなど 二度楽しみながら下る。がらんとした広いキャンプ場、大きな駐車場にぽつんと車一台、ひっそりと静まりかえっている。今日、このコースを登ったのは我々だけだったようである。 静かな山だった、また、つつじ咲く頃来たいと思う。

( マップ )
・昭文社 山と高原地図「赤城・皇海・筑波」

(コースタイム)
自宅4:10==相模湖IC==(圏央道・関越・北関東道)==伊勢崎IC7:02==花見ケ原キャンプ場(P)8:07〜20--T字路8:27--中間地点9:58 --ダケカンバの巨木地帯10:08--赤城のツツジ説明板10:34--黒檜山0.5kmの道標10:58--駒ケ岳分岐11:20--黒檜山11:27〜41--ダケカンバの巨木地帯 12:53〜13:03--花見ケ原キャンプ場(P)14:09



青空に映えるカエデ




ダケカンバの森




時々見られるダケカンバの大木




ダケカンバ巨木地帯1




ダケカンバ巨木地帯2




まるで園地、名残りモミジ1




まるで園地、名残りモミジ2




稜線のナナカマドの彩り



Canon kiss DN / EF-S17-85mm IS USM にて撮影


( END )