高畑山・倉岳山
(ひなづる峠より登る)

秀麗富岳12景と美しいコナラの自然林




高畑山・倉岳山(04-11-27歩く)
友人から倉岳山へ秋山村の方から登ったというのをメールで聞いて、今まで行ったことのない秋山村に興味があり、行って見ることにした。 秀麗富岳12景の高畑山は隣である。ついでに高畑山も登ってみることにする。どういうコースがいいか、昭文社の山と高原地図「高尾・陣馬」 で調べてみる。雛鶴神社付近に車を置いて、神社の先のヘヤーピンの所から楢山沢を通って楢峠に出て高畑山に登り穴路峠から倉岳山をピストンして 穴路沢沿いの道を下ってくることを計画した。このことを友人にメールしたところ「楢山沢を通って楢峠」の道は載っていないという。 私の地図は1995年版、友人のは2001年版であった。何かしら道があるだろうと、1/25000地形図も持って出かけてみた。






秋山村にどう行くか。道志への道の413号線の青根から藤野への道に入って途中から都留市へ抜ける道を行くことにする。 でも駐車場をどうするか。雛鶴神社の境内にそれくらいのスペースはあるだろうと予想してゆく。
秋山村に入ってまず下山してくる 穴路峠への道をゆっくり走りながら確認する。赤倉岳バス停が目印である。その先道路工事しているところに山梨県の山によく立っている 先端の赤い道標があり、穴路峠・倉岳山の字が読み取れる。これでまず一安心、次は車置き場、少し行くと神社が見えてきた。アッと 声が出るほど驚いた。神社は小さな太鼓橋を渡った先にある。駐車不能である。どうしょうとほんの少し行くと公衆トイレがあり、その前が 車2台ほど置けるスペースがある。あまり好ましくなかったので一旦素通りしたが先にもなさそうであるので、引き返して公衆トイレの前に 車を置いた。山から降りてきてから車道を登るのは苦痛である。そういう意味ではいい距離のところの駐車スペースである。
身支度してヘヤーピンカーブの先端の方に緩やかに登って行く。途中左側の杉林の所にも一台分の駐車スペースがある。 すぐヘヤーピンカーブの先端、すなわち都留への旧道入口である。ここに案内板がある。ちゃんと高畑・倉岳山コースもある。どういうコースなのか 分からないが3:35と書いている。これなら道もはっきりしているだろうと安心して旧道を入ってゆく。この辺には車を置くスペースはいくらでも あるが、下山口の赤倉岳バス停付近からここまで登ってくるのがつらい。以下、下の地図を基に説明する。



旧道に入って旧道のヘヤーピンの先端のところに川がありこれが地図からすると楢山川で楢峠へ行く道があるはずである。 確かに道らしきものはあるがのところに道標が立っていて「赤鞍・高畑・倉岳」は左方向の旧道を指している。 舗装された旧車道を道なりに行く。大分行くと柵で封鎖された旧トンネルが見えてきてその左脇に道標が 立っていて赤鞍・高畑・倉岳」は左方向を指している。立派な巻き道が杉林に作られていて、巻くように登って行くとやがて送電線の鉄塔が立っている(上図にはなし) 。
そこの上が「ひなづる峠」で道標が立っている。左は赤鞍ケ岳とあるが踏み跡はきわめて薄い。 それに比べ右の高畑山方面は広いコナラの道で快適である。これなら高畑山まで苦もなくいけるであろうと気が楽になる。 やがて送電線の鉄塔の立つ開けた広場となり、そこにも道標が立っていいる。こんなに開けているなら 富士山が見えるはずと探すと、左の山の尾根からちょこんと顔を出している。もっといい姿の富士山を見ようと、様にならない富士山がか えって登る気分を駆り立ててくれる。ここより登りとなり、ヤブのうるさいわずらわしい道となる。どうも鉄塔までは鉄塔の巡視路で良く整備されていたようである。 太い赤松の点在する尾根を、尾根をはずさないように、左に富士山を眺めながら登るとピークに達し、赤松にくくりつけられた「高岩」という標識がある。
ここから道が怪しくなる。地形図を見て、風景を見て判断する。ゴルフ場の縁を沿うように行くとよいと判断して右斜めに踏み跡のきわめて 薄い道を下ってゆく。そうすると鞍部(A)に達し、標識が立っている。これでここまでは間違いないと ホッとする。ここで尾根道は上に登るはずであるが明瞭でない。むしろ左斜めに巻くような道の方が入り口だけははっきりしている。 兎に角尾根に沿って登る道が分りやすいので、木の枝を掻き分けて登ってみると先に踏み跡がある。これに間違いないと判断し登って行く。 ところどころに赤い境界を示す杭があり、それに沿って岩の混じる道を登って行き勾配がゆるみ、少し行くと手製の標識「大ダビ山」が ぶら下がっている。山と高原地図を出して見ると大ダビ山というのがあり、高畑山への通過点になっている。ここまでは間違いないようだ、と一安心する。
ほんの少し行くと道(B)は右斜めに杉林の中に下っている。しかし、左の方を見ると踏み跡のきわめて薄い道の両側の立ち木にそれぞれ赤いテープが巻かれている。 道なりだと右斜めである。左の道はしかも不明瞭のほかに道とも思えないようなところを急降下している。テープが付いているので左と思うが念のため地形図とコンパスを出して 確認する。方向から行って左の方のようである。木につかまりながら急降下してゆく。やっと鞍部(C)らしきところに着き、左右を確認するが、 山と高原地図1995年版の楢峠と右に下る道は痕跡もない。でも正面は高畑山に間違いない。兎に角進むと標識 が現われた。「赤鞍・雛鶴峠---高畑山・倉岳山」とある。もうここまで来れば間違いないと思い、ゆっくりした気分で休む。
もうわずかであると思い気安く 登るが、道はほとんど整備されていない。急斜面の時はジグザグ道が普通であるが、兎に角直登あるのみである。 頭上のコナラの自然林の黄葉が太陽に輝きまばゆいばかりである。木立から垣間見える富士山も全容をあらわしだし、すっきりした姿になっている。 そういう風景を見ながら、ずる〜と滑りそうな道をあえぎあえぎ登ると、やがて標識が見えてきてようやく高畑山の肩に躍り出た。約2:30ほどかかった。
そこから5分も左に行くと秀麗富岳12景の高畑山の山頂に着いた。富士山で有名な山、さぞかし人が多いだろうと思ったら誰もいない。 さすがにまだ富士山は霞んでいなくくっきりのいい姿である。12分に富士山を堪能して倉岳山に向かう。何となく今日の山歩きは済んだような 気分である。
コナラの自然林が美しい。写真を写しながら下る。やがて穴路峠に至る。この峠は秋山村と鳥沢を結ぶ昔からの峠道であろうか U字に開いた空間が苦労して峠まで登ってきたときの安堵感を漂わせている。ここから倉岳山までのアルバイトは、高畑山でエネルギーを使ったため、 本当にしんどい登りであった。 倉岳山は富士山を眺める風景が少し窮屈なのがなんとなく好ましく、山頂は広く、しかも美しいコナラで囲まれ、里山の風情を感じるいい山であった。 帰りは穴路峠まで戻って穴路沢沿いの杉林の薄暗い道を下り、雛鶴神社近くに置いた車に戻って、思いがけないルートを歩いた山歩きを終えた。

  • (コースタイム)
    自宅5:45==雛鶴神社前(P)7:50〜8:00--旧道トンネル入り口8:32-- ひなづる峠8:45〜50--鉄塔8:55--高岩9:13--鞍部9:20--大ダビ山9:31--鞍部道標9:55 --高畑山稜線10:25--高畑山10:30〜40--天神山11:09--穴路峠11:15〜20--倉岳山11:50〜12:10--穴路峠12:35--雛鶴神社前(P)13:24
    合計 写真撮影、休憩も入れて 5時間24分

  • (地図)
    ・昭文社 山と高原地図 「高尾・陣馬」1995年版
    ・1/25000地形図「大室山」
    昭文社の山と高原地図も最新版でルートを確認しないといけないことを再認識した


    倉岳山からの富士山